2024.12.13

特集記事

文・写真: 山さん
2024.11.20

【あきる野市/ヴィンヤード多摩】 ぶどう栽培から醸造、販売までを行う、ご当地ワインが楽しめるワイナリー兼直営店へ行こう!

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

心が洗われるような豊かな自然や、おいしいグルメで知られる《西多摩エリア》をひとりでも多くの方に知ってもらうべく、現地の魅力あるスポットをお届けするリポート企画。

第6弾は「あきる野市」の《ヴィンヤード多摩》。ぶどう栽培から醸造、販売まですべて行う、ワイン通の間でも有名なこだわりのワイナリーにオジャマしました♪

*掲載内容は2024年10月下旬時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

スポット概要

『ヴィンヤード多摩』

試飲可能(有料)
醸造所見学・収穫体験等あり(不定期)
おつまみ提供あり

所在地東京都あきる野市上ノ台55
営業時間【平日】13:00~17:00、【土日祝】11:00~17:00
定休日火曜日
行き方①【電車】JR五日市線「武蔵増戸駅」より徒歩9分
行き方②【クルマ】圏央道「あきる野IC」より6㎞(約10分)
公式サイトhttps://vineyardtama.com

【ヴィンヤード多摩があるあきる野市】とは!?

東京西部、西多摩エリアに位置する「あきる野市」は、「秋川」「平井川」という2つの清流沿いに街が栄える、人口約7万9000人の街。

景勝地として名高い「秋川渓谷」を筆頭に、自然を満喫できるスポットが複数点在しており、川遊びやハイキングなど、アウトドア目当てで訪れる方も多いんです。

「とうもろこし」や「梨」「鮎」、ブランド牛「秋川牛」、ビタミン豊富な野菜「のらぼう菜」といった特産品のほか、清流の恵を活かした「日本酒」や「醤油」でも知られます。

都心からは40〜50㎞と、新宿から在来線を使って1時間たらずで来街できるなど、アクセスもいい街です。

あきる野市観光協会の公式サイトもご覧あれ。

【ヴィンヤード多摩】とは!?

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

ウェブやTV、新聞など、メディアで数多く取り上げられるほか、一家言もつこだわり派にも知られる存在である《ヴィンヤード多摩》は、東京都あきる野市でワイン造りを行っているワイナリー兼ショップです。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

自社の農園で育てた品種を中心に、長野や山梨などから厳選したぶどうを使って自ら醸造、販売しています。

代表の森田尊文さんは、お隣の町、羽村で開業されている現役の歯科医師さん!! ワイン好きが高じ地道に知識を深めるなかで、自らワイン造りに挑戦しようと奮起し、歯科医師を続けながらワイナリーを起業したとのことです。

現在、専務兼農場長として運営に従事され、今回快く取材に応じていただいた中野多美子さんも、じつは元歯科医師なんです。

市の土壌はぶどう栽培向け

創業したのは2010年ごろ。実際にオリジナルワインを商品として販売したのは2019年(令和元年)から。構想期間を含めると、商品化までには10年以上かかっているそう。

ワイナリーを構えたのは2018年とのことですが、ぶどう栽培にはそれ以前から着手。あきる野市にぶどう畑を構えた理由は、扇状地であり、砂利を含んだ土壌で水ハケがとてもいいこと、風がよく通る場所であること、さらに1日中日が当たる場所であることなど、ぶどう栽培に適した土地だったことが大きな決め手に。

起業を思い立ったタイミングに、市が遊休農地の活用を促すべく土地を積極的に貸し出ししていたことも大きかったそう。

はじめに借りた農園は30アール(3000㎡)。その後、現在ワイナリー兼ショップの裏手に50アール、さらに西に10アールと規模を拡大し、現在おおよそ1ヘクタール弱(100アール=1万㎡)の農園を有し、そこで10種類程度の品種を栽培しています。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

天候等で大きく左右されるものの、自社農園で収穫されるぶどうは、多い時で年間5t(5000㎏)以上となるそう。写真は直売店裏にある農園。垣根と呼ばれる、立て掛けて栽培する方法。ぶら下げる棚つり(棚仕立て)も別にありと、品種で分けています。

ちなみに、現在そのイメージはあまりないかもしれませんが、あきる野市は、合併前の五日市町時代の1970年代前半(昭和50年頃)まで、食用ぶどうを盛んに栽培していたそうです。

地域社会福祉との連携で

《ヴィンヤード多摩》は、“地域社会貢献”という目的も持って創業されました。

地域の方や高齢者の方はもちろん、福祉施設の方々との交流の場、働きの場を創出できるよう、例えば収穫時期に多くの方に手伝ってもらったり、社会福祉施設とコラボした商品を展開したりと、地域社会と関わりを大切にしています。

「人と人をつなぐ接着剤となり、地域を巻き込み、地域に根ざした存在でありたい」と中野専務。収穫多忙期ともなれば、SNSやウェブ等でボランティアを募り、ときにキッチンカーを呼び、みんなでワイワイ楽しみながら作業することもあるなど、多くの方の支えを受けながらワイン造りを行っています。

そんな《ヴィンヤード多摩》ですが、将来的にはぶどうの生産量を現在の約4倍の20tクラスへ広げ、このエリアが将来的に“ぶどうの里”になればという想いもあるんです。

オリジナルブランドワイン多数!

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

《ヴィンヤード多摩》で販売しているワインは、すべて「国産ぶどう」+「あきる野自社醸造」品。

自社農園で栽培している「ヤマソーヴィニヨン」「モントブリエ」「ビジュノワール」などの品種を主軸に、一部他府県のぶどうを使ってあきる野で醸造する、全品“東京産・あきる野産”。当初1000本程度でしたが年々増え、現在では約5000本製造しているそう。

編集部がザッとカウントしたところでは、取材時点で、約5シリーズ24種類のワインを取り扱っていました。ちなみに宅配も可能です。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

イチオシは日本人の好みにあわせ品種改良して生まれた「ヤマソーヴィニヨン」を使った『東京ルージュ』。ヤマブドウとカベルネソーヴィニヨンを掛け合わせたハイブリッド品種で、酸味が強め。迷った場合は、とりあえずコレです!

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

『東京ルージュ』5500円/750ml *ほかに東京ブラン、東京ロゼ等もあり

地元福祉施設とコラボした“農福連携”ワイン『norabowのらぼう』は、あきる野市のご当地野菜として知られる「のらぼう菜」から命名。耐寒性に強く栄養価も高いのらぼう菜のように、地域にしっかり根を下ろし親しまれるワインになればとの想いが込められています。

注目はボトルにかかるチャーム。多摩産材の端材を使って福祉施設側で製作したもので、購入するとその一部が施設にまわる仕組みとなっています。本のしおりなどに使え、贈り物としても喜ばれそう!

ちなみに複数種類があり、写真右の「ルージュ」はあきる野産の自社栽培ぶどうと、山梨県産ぶどうのハイブリッド。甘味・酸味・渋みのバランスの良さが人気とのことです。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

『norabow』ルージュ:3300円/750ml、ピンク:3080円/750ml *ほかにブラン等があり

単品種と呼ばれるシリーズも展開しており、下の写真はその一部。左端/『マスカットベリーA』は甘い香りと口当たりの良さが魅力で栃木市産のぶどうを使用。

右端/『コンコード』は昼夜の寒暖差が激しく降水量の少ない安曇野産ぶどうを使ったワインと、栃木県や長野県、さらに山梨県産のぶどうを使いあきる野で醸造したワインも販売しています。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

左端『マスカットベリーA』2200円/750ml、中央左『白鶴鴒』3190円/750ml、中央右『甲州遅摘み』2695円/750ml、右端『コンコード』2200円/750ml *ほかにも複数あり

取り扱いワインは辛口、または中間のミディアムな味わいが多いのですが、ワイン慣れしていない方でも飲みやすい「甘口」シリーズもあります。

それがこのかわいいラベルが目印のスパークリング。全3種類。香りとともにお楽しみあれ。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

左『RIRI』1815円/375ml、右『COCO』1815円/375ml *ほかに「MIMI」あり

こんなサービスも

飲んで決める試飲サービス

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

どれを選んでいいのか迷ってしまって当然ですが、そんな場合はぜひ試飲を!? 1回50ml/500円で試飲可能です。ただし全品対象ではなく、その日のカウンターに並んでいる銘柄が対象。日替わり式となっています。

カスタムラベルサービス!

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

ラベルのデザインセンスもいい《ヴィンヤード多摩》ですが、そのラベル自体をオリジナルのデザインに変更することができるんです!

ただし、対応は「48本以上」と一定本数をまとめてオーダーする必要があるほか、1本につき500円の別注費が必要。個人で作るのはハードルが高いですが、大人数が集まる記念日や結婚式の引き出物などで検討してはいかがでしょう!?

カフェ利用も可能!

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

《ヴィンヤード多摩》のショップは自社ワインの販売が主ですが、ワインとも相性のいいおつまみの販売や、コーヒー、紅茶といったドリンクを提供するカフェサービスも実施中。

おつまみは時期等で変動がありますが、取材時は「イベリコ豚のレバーパテ」「海老とマッシュルームのアヒージョ」をそれぞれ880円で提供しておりました♪

ちなみに代表の森谷さんは音楽好きでもあられ、ドラムセットなども常備。音楽ライブイベントなども行うそうです!

ときに醸造所見学も

醸造所の見学は、要望をみつつ、不定期ではありますが開催しているそう!

今回は特別に立ち入らせていただき、その一端を覗かせていただきました。

醸造場にはワイン熟成といえばの「木樽」のほか、茎からぶどうを切り離し粗く潰す「除梗粉砕機」、果汁を搾る「圧搾プレス機」、発酵&熟成の「ステンレスタンク」など、ワイン作りに欠かせない専門機器がズラリ。

今回はちょうど「メルロー」と呼ばれるぶどうを、発酵させている段階に遭遇。工具を上下に動かして空気を桶内に注入し、酵母の発酵を促す「ヴィサージュ」作業を見学させていただきました。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

ヴィサージュの様子。1日2回、定期的に繰り返すそう。

下の写真は熟成中の白ワイン。やや黄色く濁っているのは、「おり 」と呼ばれる、タンパク質や渋み成分であるタンニンなどが結晶化したもの。時間が経過するとタンクの下に下がっていき、澱の上部には上澄みと呼ぶクリアな液体が残りますが、写真は澱が下がる前の状態。こんな白濁している状態を見れるのも見学会ならでは。

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

今回は時間の都合で駆け足となりましたが、機会があれば改めて参加してたいほど貴重な体験でしたヨ。

開催告知については公式サイトのBlog欄で適時発信。収穫シーズンには、収穫祭と銘打った体験会なども実施しており、そのイベント内で醸造所見学のほか、ぶどう栽培から醸造までを簡単に学べるミニ講座などを行っていたりも。

過去の様子も確認できますので、一度サイトをご覧あれ。

行き方は!?

《ヴィンヤード多摩》は電車でもクルマでも行きやすいアクセス便利な好立地にあります。

電車の場合はJR五日市線「武蔵増戸駅」から徒歩で行ける距離。駅南口の目の前の道を「拝島駅」方向へ線路と並行に650mほど歩き右折。180m直進するだけと簡単。約9分くらいです。

一方クルマで行く場合は、圏央道「日の出IC」「あきる野IC」から3㎞。7分程度の距離で駐車場も数台分あります。中央道「八王子第2 IC」も近く約15kmの距離(15,6分)にあります。

レポートまとめ♪

ヴィンヤード多摩 あきる野ワイン

・国産ぶどう+自社醸造にこだわる、あきる野産ワインを製造販売
・自社農園でぶどう栽培から醸造、販売まですべて実施
・日替わりの試飲体験サービスもあり

いかがでしょう!? 美味しいワインが飲みたい方はもちろん、これを機会にワインを楽しみたい方にもぜひ。こだわり深いスタッフさんとのワイン談議に華を咲かせつつ楽しんでは!?

西多摩にはこんなスポットも!

「あきる野市」、そのお隣の「檜原村」には魅力あるスポットがいろいろ。とくに《みつばちファーム》は、今回紹介した《ヴィンヤード多摩》の目と鼻の先。歩いて行ける距離!

今回ご紹介した記事は 

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以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!

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娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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