2024.11.21

特集記事

文・写真: 山さん
2023.01.26

“THE TOKYO TOILET/トーキョートイレット” 第14弾『裏参道公衆トイレ』が利用開始! 茅葺き風の銅製ルーフと衛生面にも配慮した、シームレスなおうち風トイレです♪

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

世界をザワつかせた”透けるトイレ”でも知られる『THE TOKYO TOILET』は、公衆トイレといえばの“汚い・臭い・暗い・怖い” といった負のイメージを払拭すべく、国内外で活躍する有名デザイナーや建築家が“誰でも快適に利用できる場所”を目指しデザインする話題プロジェクト。今回のその最新スポットとなる14箇所めが、代々木駅から徒歩圏内に誕生。場所は首都高の高架下です!

*掲載内容は2023年1月20日開催の内覧会時の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

スポット概要

THE TOKYO TOILET/裏参道公衆トイレ

24時間利用可
男女別々
だれでもトイレあり

所在地東京都渋⾕区千駄ヶ⾕4-28-1
利用開始日2023年1月20日(金)
利用時間24時間
最寄り駅JR線「代々木駅」から徒歩4分
プロジェクト特設サイトhttps://tokyotoilet.jp


そもそも『“THE TOKYO TOILET』とは!?

渋谷区内にある公衆/公共トイレ(一部)を、よりキレイに! より快適に! より使いやすく! すべく、順次リニューアルを図っている継続中のプロジェクトです。

音頭をとったのは、ボートレースの売上金からの交付金を財源として、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広く活動している「日本財団。企画に賛同した「渋谷区」や「渋谷区観光協会」の協力のもと、2018年から進められている話題プロジェクトです!

リニューアルの対象となるのは、渋谷区内にある17箇所の既存公衆トイレ。公衆トイレに持たれる負のイメージをなくすべく、名前を聞くだけでも思わず「おお〜」となる、日本や世界を代表する著名デザイナーや建築家の方々16人*が参加されています。個々が独自の感性を注ぎ込んで完成させたトイレは、「これが公衆トイレ!?」と思わずうなるほど、個性的なものばかり。

*リニューアルするトイレは1人1箇所が基本ですが、建築家「坂 茂」(ばんしげる)さんのみ、『代々木深町小公園トイレ』と『はるのおがわ コミュニティパークトイレ』の2箇所担当されているため、17箇所で16人となります。

実際に工事が始まったのは2019年で、今回ご紹介する『裏参道公衆トイレ』で通算14箇所め。プロジェクト完了は、諸事情により当初の予定より遅れているものの、残り3箇所も2023年3月一杯までにすべて利用までこぎ着けるとのこと。

あのヴィム・ベンダース(映画監督)も注目するなど、世界から熱い視線が注がれている一大プロジェクトのフィナーレが間近に迫ってきました!

凄いのは清掃も!

今回のプロジェクトはその建物がクローズアップされがちですが、それと同じくらい重要なポイントが『清掃』。専門スタッフが1箇所につき、1日なんと2回〜3回(!!)清掃を行い、環境を清潔に保っているんです。スタッフが着用するユニフォームは、今回のプロジェクトにも参加されている、あのNIGO®さんがデザイン。ユニフォームも好評なんだそう!

東京トイレット・恵比寿・代々木八幡・佐藤可士和・伊東豊雄

*写真は「恵比寿駅西口公衆トイレ」での清掃風景

第14弾『裏参道公衆トイレ』とは!?

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

2023年1月20日(金)から利用が始まった、通算14箇所めとなる公衆トイレです!

担当デザイナーは、オーストラリア・シドニー生まれのマーク・ニューソンさん。ルイ・ヴィトンやエルメス、ナイキ、フェラーリなど、誰もが知る世界的企業をクライアントに持つ方で、Appleのスペシャルプロジェクト担当デザイナーも務められているとのこと。Apple Watchのデザインにも関わっているそう。ちなみに1980年代頃に一時日本に居住するなど、日本を知っている方です!

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ
THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

今回のトイレでは、プロジェクトで共通となっている銘板や男女などのピクトグラムも銅製に! ちなみにピクトはプロジェクトにも参加している、佐藤可士和さんがデザインされました。

そんな有名デザイナーさんがデザインした公衆トイレは、“日本の伝統的な建築”を意識した、心地よさと安らぎを感じさせる“おうち”風トイレ。

農村部や田舎の懐かしい風景を思い起こさせる“茅葺き”風の屋根、クールな印象を与えつつも、どこか優しい気持ちにさせるコンクリート製の建物本体、そしてお城のような石垣的な土台と、思わず何これ!? と足を止めたくなる、都心に生えたキノコ(!?)のような、ちょっとほっこりさせてくれる、安らぎのある新トイレです。

TOKYO TOILET 裏参道公衆トイレ 代々木
THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

トイレがある場所は、JR「代々木駅」から徒歩圏内にある、プロジェクトでは初となる高架下。首都高・4号新宿線の真下にあるんです。

外観のポイントは!?

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ
THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

真っ先に目がいってしまうはずの屋根は、「蓑甲(みのこ)屋根」という日本の伝統的な建築法からインスパイアされたものなんだとか。遠目から眺めると、田舎などの旧家に見られる茅葺き屋根のような佇まいとなっています!

素材は銅板なのですが、銅は酸化することで表面が黒っぽくなり、最終的に青緑となる「緑青(ろくしょう)」といわれる反応を起こす性質を持つのですが、今回のトイレはそれを前提にデザイン。時間の経過とともに銅が青緑がかっていき、数年後はガラッと雰囲気が変わっているかも!? しれません。

*「緑青(ろくしょう)」の顕著な例は「自由の女神」「鎌倉の大仏」などで有名ですが、銅の素材劣化(腐食)を防ぐ効果も高いとされています。
*ちなみに建設実務を担当した大和ハウス工業によれば、雨をしのげる高架下という場所柄、「鎌倉の大仏」などのように青々と色付かないのではないか!?とのこと。どう変わるのか注目です!

ちなみに屋根は、「緑青(ろくしょう)」が1つの特徴となっているため、年に数度の大掃除でも清掃しないとのことです。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

建物本体はコンクリートの打ちっぱなし。表面に汚れ防止のクリア塗装を施しているとのこと。屋根との境目にあるライティングはアンバー系となっており(変色機能はなし)、昼夜問わず点灯を続けます。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

お城感のある土台は、遠目からもよーく目立ちます。石垣は基礎石と呼ばれるもので、今回のトイレのためにわざわざ岐阜県から取り寄せたんだとか。ちなみにこの石垣部から天井までの全高は7370㎜。うちコンクリートの建物のみで3300㎜、屋根のみで2810㎜。建物に占める屋根の割合が多いのが分かります。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

建物の一部を取り囲む鉄格子は、その質感に注目。デザイナーさんの希望ではここも銅で統一したかったとのことですが、汚れが目立つことなどの理由で断念。ステンレスを使い製作されています。ポイントは、単純にステンレスの素材を活かすのではなく、錆止め効果が高いというリン酸処理を表面に実施。この処理は濃度の違いで表面の色味が変わってくるそうなのですが、今回はあえて濃いめの色味になるよう加工したそうです。

ちなみに、ステンレス表面に銅のような色を塗るという案もあったそうですが、塗装では本物の銅のような緑青(ろくしょう)変化が起こらないため、採用が見送られました。

TOKYO TOILET 裏参道公衆トイレ 代々木

建物脇には長方形の空きスペースは、管理する渋谷区の公園課に確認したところ、ゆくゆく月極の駐輪場として活用するとのことです。

内部はどう!?

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

気になるトイレ内部のレイアウトはこんなカンジ。入り口は1箇所。入り口正面に、妊婦さんや車椅子の方、オストメイトの方など、幅広く利用できる「だれでもトイレ」があり、入り口から向かって右側が女性用、左側が男性用スペース。男性用は小便器専用エリアも設けられています。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

プロジェクトで完成したトイレのなかには、男女兼用のみというトイレもありますが、今回の裏参道公衆トイレは「だれでもトイレ」を除き、男女別々。一見すべて兼用!? と勘違いしそうな雰囲気がありますが、男女別々。十分ご注意ください!

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ
TOKYO TOILET 裏参道公衆トイレ 代々木

外観にも一部その傾向が見られますが、トイレ内はとくに“シームレス”感が顕著。つなぎ目のない緩やかにラウンドしたドアの縁や壁のコーナー部分など、一体感のある仕上がりに。鏡の角も、丸くなっています! 清掃もしやすそう!

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

内部の壁や天井などはすべて、デザイナーが好きな色という淡いグリーンカラーで統一されています。訪れる方にソフトな印象を当たるだけでなく、じつはこれ清掃面にも密接に関わっているそう。

壁などに使われている素材はアクリル系の海外製人口大理石「コーリアン」と呼ばれるもので、そのうちの「ビーチグラス」と呼ばれるカラーなんだとか。コーリアンは、シームレスデザインにうってつけな曲線的デザインの再現性が高いだけでなく、”汚れを拭き取りやすい”という大きな特徴も。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

もっとも汚れやすい箇所の1つである、男性用小便器前の壁をコーリアンとしたことを起点に、広い範囲で採用。一方床は、日本では砂入りのザラザラとした仕様とするケースが多いそうですが、今回は空間の統一性にも配慮し、海外製の(滑りにくく、ツルっとした印象の)石膏ボードをベースに表面を塗装しているとのこと。

【エリア1】だれでもトイレ(男女兼用)

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ
THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

通常便器とオストメイト便器、手洗い場、格納式ベビーベッド、(着替えなど、靴を脱いで上がれる)格納式フィッティングボードと装備充実。クルマ椅子の方、高齢者、妊婦の方と、幅広い方が利用です。空間も広々。ゆったりしています♪

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

入り口ドアはボタン操作の自動ドア。写真は室内側から見た様子。思わず気持ちも和らぐ、角丸のドアがいいカンジ。

【エリア2】女性用トイレ

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

女性専用の個室にもベビーチェアを完備。だれでもトイレの半分程度の空間ですが、色の効果もあり開放的な印象。圧迫感は感じないはず。

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

トイレ機器は、だれでもトイレ、男女トイレ含め、すべてTOTO製。便器は清掃性にも優れた「アプリコットP AP2K

【エリア3】男性用トイレ

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

男性用の個室トイレは、扉を開けた目の前に便器がある構造。こちらにもベビーチェアが完備されています。ちなみに男性用小便器は、別に2口分用意されています。

ちなみにお気づきかと思いますが、新トイレには窓がなく、空気の入り口は建物入り口のみ。1時間に10回建物内を換気しており、入り口から入った空気は、屋根裏の設置されたチャンバーボックスを通り、建物裏手の軒下から排出されるとのこと。入り口はご覧の通り扉がないため、換気能力は十分高そうです!

レポートまとめ♪

THE TOKYO TOILET トーキョートイレット 渋谷区 日本財団 マーク・ニューソン 千駄ヶ谷 裏参道公衆トイレ

いかがでしょう!? 古き良き日本の民家を思わせる、どこか懐かしく、優しい気持ちにさせてくれる新トイレ。お近くに行った際にはぜひご利用くださいませ♪

そのほかのトイレはコチラ!

編集部で取材した、第6弾〜第13弾の「THE TOKYO TOILET」のレポートもぜひご覧くださいませ♪

今回ご紹介した記事は 

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この記事を書いた人

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