2021.08.03

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特集記事

山さん
文・写真: 山さん
2021.06.25

話題プロジェクト“THE TOKYO TOILET/トーキョートイレット” 第9弾 『鍋島松濤公園トイレ』利用スタート!

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

“汚い・臭い・暗い・怖い” 公衆トイレのそんなネガなイメージを払拭すべく、渋谷区内の一部トイレをリニューアルし意識を変えよう! という取り組みが行われていること、ご存じですか!? その名も『THE TOKYO TOILET』プロジェクト。2020年から稼働が始まった話題プロジェクトですが、今回その最新作となる第9弾の利用が始まりました! 場所は松濤! デザイナーはあの隈研吾さんです♪

*掲載内容は2021年6月24日時点の情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真は一部除きすべて編集部による。

「THE TOKYO TOILET」とは!?

日本財団が音頭をとり、渋谷区渋谷区観光協会の協力のもと、渋谷区内にある一部の公衆/公共トイレを、よりキレイに、快適に、使いやすくしよう! と計画されたプロジェクト。プロジェクトでリニューアルされたトイレは、これまでの公衆トイレの常識を覆す斬新さのため、すでに一部トイレは観光地化されるなど話題を集めていますので、すでに利用された方も多いはず。

このリニューアルに大きなチカラを発揮したのが、国内外で広く活躍されている著名な建築家やデザイナーの方々。クリエイター陣の、ときに奇抜とも思える自由な発想が話題となっていますが、それを実際にカタチにしたのが建築大手の「大和ハウス工業」であり、トイレ機器類を供給した水まわり製品の大手メーカー「TOTO」でありと、複数の団体や企業がコラボレーションして進められているプロジェクトなんです。

【詳細は公式サイトで!https://tokyotoilet.jp

プロジェクト自体は2018年からスタートしているものの、実際にトイレの利用が始まったのは2020年から。2021年度中に、プロジェクトに指定された全17箇所すべてのリニューアルを完了させる予定となっています。

2020年度で7箇所が、2021年度の1発目となる8箇所目が5月下旬に利用開始。今回ご紹介する「鍋島松濤公園(なべしましょうとうこうえん)トイレ」は、通算9箇所目の「THE TOKYO TOILET」なんです♪

THE TOKYO TOILETは清掃にもチカラ入れてます!

「THE TOKYO TOILET」はその性格上、デザイン面ばかりが話題を集めがちですが、じつは清掃にもチカラをいれており、基本的に1箇所・1日・2回〜3回も行っているそう(!) 不特定多数の方が使う「公衆」という性格上、汚れにはとくに気をつかっており、清掃員が「日次」「月次」と定期的にリポートを提出(!)。”トイレ診断業者” による専門職による厳しいチェックを毎月受けるなど、清掃対策は徹底しているんです。

THE TOKYO TOILET 神宮前公衆トイレ NIGO

リポート素材提供/日本財団

清掃員は「THE TOKYO TOILET」プロジェクトにあわせてデザインされた、ご覧の専用ユニフォームを着て作業。このユニフォームの反響が、じつは驚くほどいいんだとか。関心を集める切っ掛けにもなっている模様です。ちなみにデザインはあのNIGOさんですヨ♪

通算9箇所目は、実際どんなカンジ!?

2021年6月24日・利用開始
【鍋島松濤公園(なべしましょうとうこうえん)トイレ】

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾
東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

SPOT  DATA

鍋島松濤公園トイレ

所在地東京都渋谷区松濤2-10-7
利用時間24時間
最寄り駅最寄り駅京王井の頭線「神泉駅」北口から徒歩7分

今プロジェクトの1つの特徴が、なにもない場所に新設するのではなく、すべてリニューアルであること。今回利用が始まった「鍋島松濤公園トイレ」も、元々同じ場所に公衆トイレがあり、それを取り壊したうえで、作り変えたものとなります。

場所は井の頭線「神泉駅」から徒歩圏内の、高級住宅街の中にある『鍋島松濤公園』内。この公園には子供用遊具のほか、池や水車もある風情ある公園です。

で、今回デザインを担当されたのは・・・この方 ↓

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾
東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

担当クリエイターは、生まれ変わった「国立競技場」を設計された隈さんです! 建築に目覚めたのは、なんと10歳(!)。前回の東京オリンピックの会場の1つであった、代々木の屋内競技場を目の当たりにして衝撃を受けたことが切っ掛けという、日本を代表する建築家です。世界30カ国以上で設計を手掛け、受賞歴も多数。昨今様々なシーンでお名前を耳にする機会が増えている印象ですが、知らず知らずのうちに隈さんの作品を利用した、見たという方も多いはず。

今回手掛けたトイレのテーマは『森のコミチ』。

豊かな自然の中にある公園として知られる「鍋島松濤公園」内のトイレですが、そもそも隈さんが数あるリニューアル候補地からこの公園を選んだのも、緑の深さに感銘を受けたら。

公園の最大の長所である緑との共生をはかるべく、トイレエリアを1つの“村(集落)”として捕らえた隈さん。「トイレを森に溶け込ます」「トイレを楽しむ場として考える」という、これまでにない発想が活かされているんです。

杉板をふんだんに取り入れるなど、一見ここはなに!? と自分の目を疑ってしまう、トイレらしからぬトイレとなっています。

隈さんいわく「トイレを利用するという目的だけでなく、道を散策する楽しさも意識した」とのことで、通常建築といえば建物やその内部が主役となるケースが多いなか、今回は建物と建物をつなぐ「小道(小径)」もデザイン。空間をトータルで仕上げた点も特徴となっています♪ 丘のような場所であることも他のトイレにはない特徴です。

余談ですが、隈さんが公衆トイレをデザインするのはじつは2回目。30年前、バブルがハジけて仕事がすべてキャンセルとなったとき、高知県の梼原(ゆすはら)町からの依頼で手掛けて以来、2度目とのことです。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

トイレ某所には、隈さんがデザインされたことを示すプレートが。従来のほかのトイレとは違い、景観に溶け込むグレーのプレートとなっていました。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

新トイレ、最大の特徴といえるのが、建物を取り囲むように配置された杉板。太さも長さもバラバラな板をランダムに配置した斬新すぎるビジュアルは、(全個室扉付きで閉まっていることもあり)なにも知らない人が見ればそれがトイレとはまったく判りません! 「ここはトイレです!」的な看板はもちろん、(他トイレにはある)案内配置図もあえてなし。公園という場所柄、なにかの新しい遊具!? と錯覚してしまうほどアヴァンギャルドです!

今回のプロジェクトは「かなり自由にやらせてもらえた」と隈さん。その自由さが目で見て判るほど、いい意味で意外性のあるトイレになっています。


ちなみに自然素材のため、見た目の色も少しずつ変化しますが、それも想定済み。2〜3年後くらいにまた違った表情となっているはずとのことでした。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

使われた杉は「吉野杉」と呼ばれる、直線的な木目が特徴の杉を利用。一般的に日本酒の樽などに使われることが多いそうで、天面はフラットに、側面はあえて耳と呼ばれる木の皮うっすらと残した状態で利用と緩急付けている点もポイント。

メンテナンス性、いずれくるであろう木の劣化による交換時の作業性も踏まえ、杉板を鉄格子で浮かせるような仕様に(ただしその鉄格子が極力隠れるよう、配置には細かく指示を出されたそう)。

取り囲む杉板は、一見素のまま設置しているかのような自然さでザラついていますが、じつは表面処理を行っているそう。表面に付く汚れも、素の木材よりも落としやすくなっているそうです。落書きにも一定の効果がありそう。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

表の通路、階段等のフロアは、ウッドチップを盛り込んだセメント製。踏んだ際もやや凸凹感が判るなど、自然さを感じさせる仕様に。

エリアは正面中央にある、もっとも広いスペースの「ユニバーサルトイレ」を取り囲んで、エリアをグルッと回れる、公衆トイレでは極めて珍しい“回遊式”レイアウト。子供にとってはちょっとした探検気分に。階段利用のトイレがある点も1つの特徴です(足の不自由な方も利用できるトイレもしっかりあります)。

ちなみに敷地面積はトイレだけで約24.41平米、周囲の植栽含むアプローチなどの外構で80平米あります。合計104.41平米という広さは、今回のプロジェクトのなかでも比較的広めです。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

トイレの各ブースは杉板で囲まれた櫓的な雰囲気ですが、そう見える理由の1つが、ベースとなるトイレの外壁や扉がすべてダークグレーで統一されていることが影響している模様。表面はかなり粗めの、ゴツゴツとしたチッピング塗装となっており、汚れも目立ちにくくなっています。

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

シンプルさと無骨さを感じさせる手すり。単なる雰囲気作りではなし。しっかり張り出して、しっかり握れる仕様となっています。

各トイレはこんなカンジです!

エリア内にあるトイレは用途別に合計5つあります。キャラクターの違うトイレがいろいろあるのは、多様性も意識した結果とのこと。

トイレ1 一般トイレ

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

エリア向かって右端にある、通称「すっきり小屋」は、男女兼用の一般トイレ。3.61㎡とそこそこな広さ。入ってすぐに着替えができるフィッティングボードを備えていますが、これは渋谷という地区柄、ちょっとしたときの着替えや、子供が公園で服を汚してしまったとき、さらにハロウィーンなどの着替えなどで活用できそう。鏡も大きめです♪ 男女兼用であることは意見が割れそうですが、違和感なく使っていただけるはずとのことです。

「鍋島松濤公園トイレ」内のすべてのトイレにいえる共通項目がいくつかあり。それは【1】すべて個室であること(すべて扉付き)、【2】個室内に必ず木材を使った演出がある、【3】照明が淡いアンバーな光となっているなど、(広さこそ違えど)安らげる空間となっています。

トイレ2 ユニバーサルトイレ

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

もっとも広い6.12㎡の「まんまる小屋」は、くるま椅子利用も可能なゆったりトイレ。格納式ベビーベット、赤ちゃんシート、オストメイト用便器を完備。壁には切り株をランダム配置と、ちょっとしたアートな小部屋に。

ユニバーサルトイレには緊急用のボタンが個室内に備わっており、緊急を周囲に知らせる赤色灯も完備。扉の開閉もスイング式ではなく、唯一のスライド式となっており、グリップには握りやすい処理も。

各個室に採り入れている木材は、机や椅子を製作する際に余った端材など、本来破棄される木材(メタセコイア、ケヤキ、サクラなど)を利用。内部も清掃が大変そう・・・な印象を受けましたが、メンテナンス性にも配慮したうえで配置とのこと。

トイレ3 幼児用トイレ

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

「鍋島松濤公園トイレ」にはなんと幼児専用トイレを完備! 細長い個室内に、向かい合う形で(幼児用サイズの)小便器と大便器が設置されているんです。一応幼児用ではありますが、入り口の看板を見ると、場合によっては大人が使っても問題ないようです。木材アートも、天井まで使った躍動感のある仕様となっています♪ 

*個室は鍵が掛けられますが、内部に緊急用のボタンはありません。換気扇らしきものも見当たらず、夏場は相当熱気がたまるかも!? 子供だけで用を足すことのないようご注意を。親御さん、必ず見守ってあげてくださいませ。

トイレ4・5 手摺り付き小便器・小便器

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

男性用小便器は独立した個室が2つあり、大きな違いは手摺りの有無。外観から見れば、そこはモノ置き!? と見間違うほど。ちなみに全個室には扉上部中央に円柱のアクリル材のようなものが個室内外に備わっていますが(外観写真の赤い矢印部分)、これは内部の照明が光が透ける装置。夜間、現在利用中か否かが直感的に判る仕組みになっています。

夜もムーディーですヨ♪

木材の素材感を活かす、優しい色味にこだわった照明にもご注目あれ。小道や個室を淡く照らすアンバーな光が空間を優しく包み込みます♪ 

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

撮影:永禮賢、提供:日本財団

既存の「THE TOKYO TOILET」リポートもぜひご覧あれ

「神宮前公衆トイレ」のレポートのまとめ

東京トイレ・鍋島松濤公園トイレ・隈研吾

●トイレらしからぬ、秘密基地的な斬新さ
●建物・通路と空間全体をひとつの村に
●性格の違う5つのトイレを完備
●昼夜で変わる表情の違いにも注目あれ

第9弾いかがでしょう!? 公園内という立地も鑑みた、自然だけでなく、子供にも溶け込みやすい独特なデザインはとても画期的です。今回以外の「THE TOKYO TOILET」が所在地は、公式サイト(https://tokyotoilet.jp)でも確認可能です。

【今後の展開予定】
第10弾●7月中旬/恵比寿駅西口公衆トイレ(担当クリエイター:佐藤可士和さん)
第11弾●7月中旬/代々木八幡公衆トイレ(担当クリエイター:伊藤豊雄さん)
第12弾●8月下旬/七号通り公園トイレ(担当クリエイター:佐藤カズーさん)
第13弾●10月頃/笹塚緑道公衆トイレ(担当クリエイター:小林純子さん)

この記事を書いた人

山さん

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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