【あきる野市/みつばちファーム】 こだわりの自家製はちみつ工房で、買おう・知ろう・食べよう!
豊かな自然やおいしいグルメほか、見所いっぱいの《西多摩エリア》の魅力を、もっと多くの方に知って欲しい。そんな気持でリポート中の連載シリーズ第5弾は、「あきる野市」にある《みつばちファーム》。西多摩産のこだわり自家製はちみつを買える、味わえる話題のスポットです♪
*掲載内容は2024年10月下旬時点の情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。
スポット概要
『はちみつファーム』
所在地東京都あきる野市上ノ台37-3
営業時間10:30~17:00(物販・ミュージアム・カフェ)
定休日水曜日
行き方①【電車】JR「武蔵増戸駅」より徒歩12分
行き方②【クルマ】圏央道「日の出IC」より3㎞(約7分)
公式サイトhttps://88838.net
【みつばちファームがあるあきる野市】とは!?
「秋川」と「平井川」の2つの河川沿いを中心に街が栄える、人口7万9000人の西多摩エリアの都市。
1995年(平成7年)に「秋川市」と「五日市町」ので合併で誕生した街で、国立公園「秋川渓谷」を筆頭に、豊かな自然が残る観光地としても人気のエリアです。
年間を通じ様々なイベントが開催されおり、例えば秋冬は、毎年9月上旬から下旬にかけて「二宮神社秋季例大祭」「正一位岩走神社例大祭」「阿伎留神社例大祭」からなる《あきる野三代祭り》が開催されるほか、12月〜1月にかけて「石舟橋」をライトアップするイルミネーションを実施。1月には五日市と檜原街道沿いで「だるま市」をと、賑わうイベントが目白押し。
都心からも1時間程度と、アクセス良好。自然を肌で感じながら、日帰り観光するにもおすすめです。
【みつばちファーム】とは!?
あきる野市で手作りはちみつ作りと販売を行っている専門メーカーです。
自社の養蜂園を、地元あきる野市と八王子の山間部に6箇所展開しており、そこで採れた“多摩産”のはちみつやロイヤルゼリー等を製品化。販売・流通まで、すべて自社で賄う六次産業メーカーです。
物販とミュージアム、採蜜場を兼ねた本社の隣には、はちみつを使ったジェラートなどを併設するカフェも展開する、地元はもちろん、はちみつ業界でも広く知られた存在。観光客も多く立ち寄る、人気スポットなんです。
カフェは採光性も抜群で開放的。街歩きの休憩にもちょうど良さそうです。
同社を切り盛りするのは、この道50年以上の犬飼社長。優しい人柄がにじみ出た、場を和ませる雰囲気を持つ魅力的な方ですが、その経歴がとてもユニーク。
20歳のときにある理由からアルゼンチンへ移住し、現地の広大な牧草地で行われている養蜂業に従事。はちに日々接する毎日を送っていたそう。
約20年現地で暮らした後、自身40歳のときに帰国。日本では心機一転、整体治療院を開業するなど異業種の仕事に従事していたそうですが、「養蜂に1度足を踏み入れると、不思議とまた恋しくなって・・・」と、ほどなく養蜂を再開したそう。
じつは当時整体治療に通っていた患者さんがプロポリス*愛飲者で、プロポリスは体力改善にはとても効果があり、「健康食品」としての需要が間違いなくあると知ったことも、日本で養蜂を再開する後押しとなったそう。
*「プロポリス」・・・植物の新芽や樹液、蜜蜂の唾液で作りだす混合物質。抗菌性が高いことで知られており、みつばちが巣から外敵や細菌から守るために使う。
約10年の開発期間・臨床試験を経て、オリジナルの手作り「プロポリス濃厚エキス」を開発したのが《みつばちファーム》の原点なんだそう。
手作りはちみつ作りにこだわる
《みつばちファーム》が製造から販売までを一環して手掛けるのは、はちみつ、プロポリス、ローヤルゼリー*といったものですが、それらはすべて手作り。多摩産のはちみつなど、多くの商品を生産しています。
*「ローヤルゼリー」・・・働きばちが花粉やはちみつを食べて消化吸収し、体内を通して頭にある咽頭腺から分泌する乳白色の物質。免疫力を高めるほか、老化を防ぎ、高血圧の予防、肝機能向上など様々な効果を期待可能。同社ではローヤルゼリーの酸化を抑えるためはちみつを加え販売中。
「健康食品」を謳うメーカーとして責任ある製品作りを行うため、つねに目の届く範囲で生産販売することを心がけているそう。現在の地に工場兼販売所を置くようようになって10数年たったいまでも、創業当時と同じ姿勢で商品作りを行っています。
5箇所の養蜂園で定置採蜜
養蜂のスタイルには、つねに移動しながら採蜜する「移動養蜂」と、決まった場所に巣箱を置き採蜜する「定置養蜂」の大きく2種類ありますが、《はちみつファーム》は後者。
日本人の舌にあったはちみつとしては、クセの強くなくスッキリとした甘さの「アカシアの花」が一番人気ですが、大手業者はアカシアなど、求める花の開花にあわせ巣箱を移動させる「移動養蜂」を採用するケースがあるそう。《はちみつファーム》では、近隣5箇所に設けた自社の養蜂園に巣箱を固定してはちみつを採取しています。
1つの巣箱を1群とし、1箇所におよそ30群設置。全部でおよそ150群展開しているそう。トータルで5000〜6000㎏収穫できるそうです。
もちろんそのすべてが「アカシア」のためにあるわけではなく、
・採蜜量に幅が出やすく稀少性がある「サクラ」
・年に1度しか採蜜できないほのかな香の「フジ」
・鉄分が多く貧血気味の方に最適な「クリ」など、
様々な花からちみつを採取し製品化しています。
これらはすべてその時々の気候等にも影響され、毎年一定量採れるとは限らず、採れてもすべてが売り物になるわけでもないそう。そのため、夏蜜、秋蜜と、収穫回数を増やし供給量を安定させているそうです。
採蜜の巣箱。巣箱には規格サイズあるそうですが、同社では底の空間を4倍に広げ通気性を高めたオリジナルを使っています。
商品は店頭&ウェブで購入可
【多摩のさくらはちみつ】1209円〜
《はちみつファーム》では、100%天然熟成の多摩産はちみつのほか、ブラジル産の原塊から抽出した「プロポリス」、多摩産はちみつと台湾産をブレンドした「ローヤルゼリー」、高い抗菌性と殺菌力、口臭の予防にも効果が期待できるというプロポリスを使った「ジャラX プロ」などを販売しています。
それらはすべてあきる野市にある本社のほか、ウェブ通販でも手に入れることが可能です!
*ほかにオーストラリア、アルゼンチン、ミャンマーなど、海外産のはちみつも販売中。
【多摩のアカシアはちみつ】1209円〜
商品にもよりますが、「多摩の●●」と命名されたはちみつは、最少100gから最大1000gまで6サイズあるなど、お土産はもちろんご自宅用など、用途によって選べます。ラベルもおしゃれ。贈り物としても喜ばれそう。
混雑具合にもよりますが、多摩のはちみつに限り小さじスプーンでの試食が可能(最大2種類)。迷ったときは、スタッフさんに声をかけてみては!?
余談ですが、はちみつの糖分はブドウ糖と果糖が多くを占めており、血糖値を安定させる作用もあるのだそう。体にいいんです!
物販はこちらの入り口から。外壁がはちの巣状になっていたり、顔出しパネルがあったりと、こだわってます♪
ミュージアムも併設
物販エリア奥には、養蜂を知ることができるいろいろな展示品等を揃えたミュージアム機能もあり。みつばちの生態からはちみつのこと、養蜂作業の実務など、パネルと資料展示で多角的に紹介。興味深い内容ばかりですヨ!
気になる養蜂見学会も!
みつばちのこと、はちみつのことをもっと深く知りたい! という好奇心旺盛な方は、養蜂園で行う見学会(有料)などに参加するものおすすめ。
会場では、巣箱の蓋を実際開けて中を観察したり、数種類のはちみつを味見してみたりと、なかなかできない貴重な体験が可能。はちみつ作りに精通しているスタッフさんがいろいろなお話を聞かせてくれます。
開催は期間は限られており、養蜂のハイシーズンである、7月~10月の第2&第4土曜日のみ。約60分の体験会です。参加料等、最新情報は施設公式サイトで確認あれ。
採蜜風景、覗いてみました!
今回の取材では、本来公開していない本社工場での採蜜作業の風景も特別に覗かせていただきました! 先の見学会でも、これから紹介する工場内でのプランには入っていないそうで、見学会では見学会用簡易マシンを使い、工場外で説明するのみとのことです。
*紹介情報は手順の一部を抜粋して紹介。あくまで参考程度にご覧あれ。
工場内でまず見せていただいたのは「巣礎 」と呼ばれる、巣箱に入れるハニカム状の膜が貼られた木枠。使用前はすっきりしていますが・・・。
みつばちが蜜を溜めたること、こんな状態に。《みつばちファーム》の巣箱にはこの巣礎が1群につき9枚入っています。はちみつがたまっている場所は、働き蜂が分泌するミツロウと呼ばれるロウで塞がれた状態(蜜ブタ)となっており、持ち上げてもこぼれません。
六角系のハニカムに溜まった蜜は、遠心分離機にかけて取り出しますが、その前に・・・。
はちみつを封している先のミツロウを、包丁を使ってそぎ落とします。ミツロウはロウのため、熱した包丁を使うと、驚くほどスッとそぎ落とせるんです。
ちなみにここで集められたミツロウは廃棄せず、溶かしてローソクやハンドクリーム、クレヨンなどの原料として再利用。不定期で「みつろうキャンドル」のワークショップも行っているそう。
*ミツロウを使ったアートキャンドルを通販で購入することも可能です!
ミツロウをそぎ落とした巣礎を分離機にセットし・・・。スイッチオン!
ギューンと高速で回転し始めます(大きな音は立ちません)。およそ1分回転すると、今度は逆回転で1分。回転時間は、(寒いときは長めなど)気温や時期、求める粘度などで適時変更するそう。
分離機停止後、底にあるノズルをあけると、採れたてのはちみつがドドドドっと。1回の作業で15㎏くらい採れるとのこと。
採取したはちみつは、布を使って異物等を取り除きます。はちみつの温度を50度くらいまであげると、こしやすくなるそうです。
こしたはちみつは一斗缶に溜めたのち、専用の瓶づめタンクに入れ保管。適時瓶づめし出荷します。
ちなみに犬飼社長いわく「みつばちは酵素のかたまり」。みつばちは、酵素と採取した花蜜を混ぜる「蜜のう」と呼ばれる臓器を持っており、蜜のうに溜まったはちみつを吐き出し吸い込み、また吐き出しという行為を繰り返すそう。この加減ではちみつの出来も大きく変わるとのことです。
絶品はちみつジェラートは4種類!
《みつばちファーム》のポイントが、カフェも併設されていること。2015年4月にオープンしたカフェでは、自慢の自家製はちみつを使ったジェラートが楽しめます♪
【はちみつミルクジェラート】480円 *キッズサイズ/330円
ジェラートは砂糖を使わず、はちみつと牛乳だけの甘さで仕上げたオリジナル。「ひまわり」「多摩のふじ」(または「多摩のさくら」)「多摩のアカシア」のほか、「多摩のアカシア」内にヘーゼルナッツを練り込んだ「ヘーゼルナッツ」の基本4種類から選べます。
はちみつは砂糖よりも甘味度が高いのですが、重量当たりのカロリーは低いため、砂糖ベースのジェラートほどカロリーを気にする必要はないとのこと。ちなみにはちみつだけでなく、牛乳も多摩産ですヨ。
ユニークなのが、注文したジェラートにあわせた「追いはちみつ」。ジェラートのうえにはちみつを垂らし食べる、これが《はちみつファーム》流です!
注目の「追いはちみつ」は、ジェラートの味に対し固定となっています。気になる「はちみつ」はミャンマー産です。
4種類のうち、今回いただいたのは「ヘーゼルナッツ」。濃厚感抜群なミルクとはちみつのマッチングに加え、ヘーゼルナッツ特有クセのある味が絶妙。香り感もさり気なくあり。迷ったらヘーゼルナッツをぜひお試しあれ。
ちなみに《はちみつファーム》では、現在ヘーゼルナッツの栽培を始めており、ゆくゆくは販売できるようにしたいとのこと。
自宅やお土産に使えるギフトセットもあり。小瓶のはちみつがセットになった、ジェラート10個パッケージが販売中です(5800円/通販でも取り扱い中/セット内容は時期により若干変更あり)。
カフェではジェラート以外のスイーツ等も販売中。詳細は公式サイトでご確認あれ。
ふるさと納税の返戻品にも
《はちみつファーム》の商品は、あきる野市のふるさと納税の返戻品ともなっており、「さとふる」でも購入可能です!
行き方は!?
お店はJR五日市線「武蔵増戸駅」南口の目の前を「拝島駅」方向へ線路と並行に650mほど歩き右折。180m直進で右手に見えるのが《みつばちファーム》。駅から徒歩で12分程度。テキパキ歩くと10分かからない距離です。
クルマで行く場合は、圏央道「日の出IC」「あきる野IC」から3㎞。7分程度の距離で駐車場も7,8台分程度用意されています。中央道「八王子第2 IC」も近く約15kmの距離(15,6分)にあります。
レポートまとめ♪
・多摩産の手作りはちみつが手に入る注目工房!
・やみつきになる絶品ジェラートも!
・期間限定の養蜂見学ツアーもあり
こだわりの手作りはちみつをその場で購入できるだけでなく、美味しいジェラートも食べれる話題スポット《はちみつファーム》。みつばちや養蜂も学べるスポットとして家族でぜひ♪
西多摩にはこんなスポットも!
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