2024.04.19

特集記事

文・写真: 山さん
2022.11.04

終了しました

『150年後の国宝展』 生活に溶け込んだ、アレやコレやのエポックものが未来の国宝に!? 企業、そして個人から集めたトーハク初の“公募型”展覧会が気になる! 【2023.1.29まで】

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

創立150年を記念した「国宝展」が話題を集める東京国立博物館で始まった、もう1つの「国宝展」であるスピンオフ企画の主役は、企業、そして個人。トーハク史上初の試みとなる、公募で集めた品々を“150年後の国宝候補”として紹介する、過去例のない展覧会が開催中です!

*掲掲載内容は2022年11月1日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

イベント概要

150年後の国宝展

入園無料
グッズ販売あり
撮影OK(写真・動画)

会 場東京国立博物館 表慶館(東京都台東区上野公園13-9)
開催日2022年11月2日(水)~2023年1月29日(日) 
開催時間 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
鑑賞料無料(東京国⽴博物館総合⽂化展観覧券、または開催中の東京国⽴博物館の特別展観覧券で観賞可能 *観覧当⽇に限る)
休催日月曜(祝休日の場合は翌平日休館、ただし2023年1月3日は開館)、 2022年12月26日(月)~2023年1月1日(日)
最寄駅JR「上野駅」公園口、または 鶯谷駅」南口から徒歩10分
公式サイトhttps://150ourtreasure.jp


『150年後の国宝展』とは!?

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

1872年(明治5年)に誕生し、2022年にめでたく150周年を迎えた「東京国立博物館」(略してトーハク)が、長い歴史上はじめて展示物を“公募”し開催する展覧会です!

公募のテーマは、“アナタにとっての、150年後(西暦2172年)の国宝候補は!?” というもの。「世界に誇れるモノ」「生活と深い関わりがあるモノ」「孫やひ孫に残したいモノ」などを、企業や個人を対象に広く募集。集まった総勢98件の、エポックなタカラモノを国宝候補として紹介する、これまでにないユニークなイベントです。

89の内訳は、企業が31、個人(一般)が67。「企業」の候補は、トーハク側から企画への参加をいろいろな企業に打診。興味を示した企業がそれぞれ、150年後の国宝に推したいモノを1点出展。

一方の「個人(一般)」は、公式サイト等を通じ事前に一般の方から広く募集。締め切りまでに345件の応募があり、そこからトーハクサイドと、識者やタレントで構成される選考委員が選んだ67件(うち特別賞20点)が国宝候補として選出されています。

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

「東京国立博物館」の敷地内には複数の建物がありますが、本展会場は正門から向かって左側にあるご覧の「表慶館」。1900年の、当時の皇太子(後の大正天皇)のご成婚記念で建設された、象徴的なドーム屋根がポイントのネオ・バロック様式建築です。

とくに企業側が推薦するモノに関しては、単に売りたい、広めたいといった営利視点の選考ではなく、(その企業にとって)過去や現在という“時代を象徴するモノ”であることを第一に選んでもらったとのこと。

「ガンダム」や「ゴジラ」「キティちゃん」など、誰もが知るあのキャラから、「しょうゆ」や「ポテチ」などの食関連、「スーパーカブ」といった乗り物のほか、技術から建造物まで、いろいろ。日本が生んだ世界のスポーツ「競輪」や、「漫才」といったカルチャーもあり。幅広いコレクションが紹介されています!

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

入館後まず目にする光景がこれ。光が射しこむドーム天井から垂れ下がる垂れ幕の演出が、会場の雰囲気にもあって荘厳な気持ちにさせてくれます♪ ちなみに展示室は、ここを中心に左右に展開されます。

展示のメインは企業の31候補ですが、納得できるモノも多いはず。「こんなものもあるんだぁ」という新しい発見があったり、「いわれれば確かに」と納得できるモノも。普段の展覧会とは雰囲気が違う、かなり興味深い内容となっています。家族や友達と一緒に鑑賞し、思い出話に花を咲かせながら楽しめそうです♪

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

一般公募も、有形・無形問わず。購入したモノ、自分で作ったモノ、もらったモノなど、とくに縛りは設けず広く募集。企業展示よりも自由度が広く、応募者のエピソードを踏まえ紹介。ちなみに企業の推しモノと個人の推しモノが被ることは、偶然にもなかったとのこと。

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

個人(一般)展示は、2Fの円形エリア。実物展示は少なく、応募者個人が撮影した写真を使った、パネル展示がメインとなっています。

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

順路が決まっており、鑑賞は基本一方通行。展示は1Fと2Fにまたがっており、移動は端にあるご覧の階段から(中央にエレベーターもあります)。展示物だけでなく、「表慶館」は建物そのものが絵になります♪

撮影OK!!

博物館での展覧会は撮影NGの場合がまだまだ多いですが、本展は全面解禁。写真、動画ともに、すべて撮影OKとのこと(三脚、ストロボ、自撮り棒等禁止)。

タカラモノを、覗いてみよう!

それでは早速、展示物を紹介。「企業部門」の出展物は、公式サイトですでに公表されているため、一部を抜粋で♪

企業部門

【 東宝 】ゴジラ

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

日本が世界に誇る「ゴジラ」を国宝候補に! 特撮界のエポックな存在であるゴジラは永遠に不滅! 会場にはゴジラの縮小スケールオブジェのほか、1954年公開の映画『ゴジラ』の「ビクトリアルスケッチ」と呼ぶ、作品のイメージスケッチをまとめた絵コンテブック(実物)や、複製台本といった貴重資料の展示も。ビクトリアルスケッチ表紙には、特撮の父、円谷英二さんの署名も!

【 ホンダ 】スーパーカブC100

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野
150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

1958年(昭和33年)誕生のスーパーカブ! 単なる「移動手段」の枠を超えた、記念碑的オートバイ。現在までに世界160カ国以上、累計1億台以上を販売する超々ベストセラー車。ノスタルジックなデザインも雰囲気あっていいですネ。国宝候補とすることに納得の方も、きっと多いのでは!?

【 学研ホールディングス 】科学のふろく

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野
150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

昭和世代にはとくに懐かしい「学研の科学」に毎回付いてきた付録が候補に! 1963年(昭和38年) に、年に12回発行のふろく付き学年誌として始まった知育教材で、毎月「学研のおばちゃん」が届けてくれるのを心待ちにした小学生は多かったはず。会場では過去に登場した付録を数多くディスプレイ。そのうち、一部に限り、実際に手に取って触ることも可能。戸棚の扉も開いてOKなんです! 童心に返ってお楽しみあれ。

【 KDDI 】au Design project

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

この携帯に憧れた方も多かったのでは!? auが200年2〜2017年に取り組んだプロジェクト「デザインケータイ」。国内外で活躍する気鋭デザイナーによる提案型ケータイは、大きな反響を集め、その一部はニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久保存されているほど! とくに赤×ベージュ×水色や、黒×白のボタンが鮮烈だった「INFOBAR(インフォバー)」(写真中央)は、いま見ても新鮮。過去のCM動画も視聴可能。

【 バンダイ 】たまごっち

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野
150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

1996年(平成8年)に登場し、当時社会現象ともなった、手にすっぽり収まる小型電子ゲーム「たまごっち」。2022年3月現在、世界でなんと8800万個を販売している超々ベストセラーです! 販売国によっても仕様を変えるなど、時代と共に進化を続けいるゲームで、日本で現在腕統計型の「たまごっちスマート」が人気ですが、海外ではなんとカメラ付きもあるそう(日本未発売)。デジタルペットとして150年後も残ることを期待してのエントリーです。

【 サンリオ 】HELLO KITTY

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

年齢問わず、幅広い世代から支持され、グローバルな活躍を続けている「ハローキティ」は、2024年で誕生から50周年! 会場では誕生の翌年となる1975年に発売された、超貴重な「ぬいぐるみ」第1号を展示。正面から当てる光で起こる影がなにやら・・・。ぜひ会場でお確かめくださいませ〜。

【 大塚製薬 】ポカリスエット

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野
150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

幻想的な展示法でも注目を集めていたのが、スポーツドリンクの大御所「ポカリスエット」。“ポカリ”と呼んで愛飲している方もきっと多いベストセラーですが、その原点は、輸液と呼ばれる点滴液なんだとか。ブルーのブランドカラーも当時かなり珍しいもので、ポカリといえば青は代名詞になってますよネ! 会場には1980年(昭和55年)の初登場時の、貴重な初代缶の展示も。

【 バンダイナムコグループ ガンダムプロジェクト 】GUNDAM

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

言わずと知れた、大人気ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」のガンダムも、150年後に残したい国宝候補に! 展示されているガンダムは、横浜で開催中の“動くガンダムプロジェクト” (2023年3月31日まで)の稼働確認のために製造された1/10スケールモデル(全長1.8m)。本来、プロジェクトの開発陣しか見れない試験機で、一般公開されるのは本展が初とのことです! 横浜のガンダムがほぼ忠実にスケールダウンされた超リアルなガンダムですよ〜。

*会場では、動いたりポーズを変えたりはしません。

【 首都高速道路 】首都高のネットワーク

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

未来へつなげたい国宝候補には、インフラも。都心部の物流・移動を半世紀近く支え続ける「首都高速道路」。世界にも類を見ない緻密な道路網がいまなお現役で活躍を続けているのは、単に完成させてオシマイではなく、日々の維持管理にも力を注いでいるからにほかならず。国宝候補にふさわしい!

【 セブン&アイ・ホールディングス 】セブン-イレブン

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

もはや生活になくてはならない存在といえるコンビニエンスストア。その最大手「セブン-イレブン」は、現在まで続くコンビニのスタンダードといえる「24時間営業」「年中無休」「ATM機能」「オリジナル商品の開発」などをどんどんと打ち出した業界の先駆者。会場にはノスタルジックなミニ店舗のほか、新旧ユニフォームを展示。誰かに話したくなる、ウンチクも拾えます♪ ちなみに1番最初に売れた賞品、なんだか分かります!?

【 ON-ART 】DINO-A-LIVE

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

会場でも一際存在感を放っているのが、このリアルすぎる恐竜! 「恐竜型メカニカルスーツ」の製作のほか、リアルな恐竜体験ができるショーなどを行っているON-ARTが推す国宝候補です。同社では様々な恐竜を製作していますが、会場に展示されるのは恐竜ファンでなくとも知る、有名な「ティラノサウルス」。近くで見るとかなりデカイです!!

【 クリプトン・フューチャー・メディア 】初音ミク

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

歌詞とメロディーを入力して歌を歌わせることができる、デスクトップミュージック(DTM)用ボーカロイドソフトの市場を牽引する「初音(はつね)ミク」。誕生は2007年(平成19年)。ブルーグリーンのツインテールの髪型や楽器モチーフの衣装をあしらったパッケージイラスト等も有名で、関連グッズも多数。日本のみならず、世界各国で利用者を獲得。写真は初登場時のオリジナルパッケージ。

【 湖池屋 】ポテトチップス のり塩

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野
150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

日本で初めて「のり塩」味のポテチの量産を行った湖池屋。ポテチ自体はアメリカ発祥といわれているそうですが、日本でポテチが市民権を得たのは湖池屋の「のり塩」(1962年発売)の貢献が大きいそう。会場での注目は円形のジオラマ。日本ポテチカルチャーを、起源から現在までを巡る旅風をジオラマとなっており、じゃがいも型の専用列車にスマホを置いて動画撮影も可能です!

ちなみに湖池屋は本展開催にあわせ、特別パッケージ「150年後の国宝展のり塩」を製作。トーハク内の特設ショップほか、公式オンラインサイトで販売中です!

【 東映アニメーション 】プリキュア

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

2004年(平成16年)にスタートし、現在まで通算19作が発表されているアニメシリーズ「プリキュア」。特設ブースには、作品を彩った印象的な台詞とともに、シリーズ第1作『ふたりはプリキュア』からキュアブラックと同ホワイトのオブジェが。当時ライブで見ていた方にとっては、懐かしい台詞もあるのでは!?

個人(一般)部門

応募者個人の思い入れが詰まった一般部門は、ときに「こんなものまで!」と驚いたり、ときに「懐かしい〜」と歓喜したりと、興味深いモノばかり。もし次回開催があったなら、アナタはなにを応募します!?

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

いわずと知れた家庭用ゲーム機「ファミコン」の登場は、まさに事件でした! 登場は1983年(昭和58年)。黄ばんだボディが時代を感じさせます♪ リセットボタンが懐かしい・・・。

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

ココロ弾ませるミニカーは、いつの時代でもコレクションの王道。それはまさに沼。突き詰めれば霧のない世界ですが、これがやめられないんでよね・・・。ミニカー文化は後世に伝えたい!

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

会場には実物展示だけでなく、ご覧のような写真パネルも多数。憧れの新幹線など、思い出がいっぱい詰まった乗り物を国宝候補にしたい気持ちも分かります♪

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

一際目立っていた異色な国宝候補がこちら。日本各地で収集されたという「煮干しのコレクション」です!

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

これは「ウルトラ怪獣スクラップブック」。応募者である河崎さんが、4年間かけて製作したオリジナル。駄菓子屋さんなどで手に入れたブロマイドなどを使っているそう。全13巻もある力作。思わず「おおお〜」な国宝候補です!

オーディオガイドは!?

ありません! とくに企業側の候補については、開発の秘話やちょっとした裏話など、興味深いエピソードがいろいろありそうですのでぜひ知りたかったですが、うーん、残念!

レポートまとめ♪

150年後の国宝展 東京国立博物館 上野

・企業、個人から募った、トーハク初の公募型展覧会
・思わず目を引く話題性のある国宝候補がズラリ!
・童心に帰れる、思いで深いモノも多数
・全点、撮影OK! 来場記念に一緒にどーぞ!

いかがでしょう!? よくある博物館や美術館の展覧会とはかなり趣が異なるイベントですが、興味深い展示も多いため、結構じっくり見入ってしまう方も多そうな予感。「東京国立博物館」の正門脇にある「ミュージアムショップ」では、イベント限定アイテムもいろいろ取り扱っていますので、帰り際立ち寄ってみてくださいませ〜。ちなみに本展は東京国⽴博物館総合⽂化展観覧券、または開催中の東京国⽴博物館の特別展観覧券(当日に限る)があれば、無料で鑑賞できます! 別項で紹介している展覧会とあわせて足をお運びあれ。

トーハクではこんな展覧会も!

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この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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