2024.05.19

特集記事

文・写真: 山さん
2024.05.06

【暦会館】 安倍晴明の子孫が移り住んだ地にある、暦の資料館へ足を伸ばそう!

暦会館 外観

北陸新幹線が「敦賀」に延伸! 東京からのアクセスがグッと便利になりましたが、オソトイコではあえてそのお隣エリアとなる《若狭》の見所をリポート中です。

シリーズ7回目となる今回は、「おおい町」にあるちょっと気になる暦の資料館『暦開館』を紹介。あの陰陽師にもゆかりある、気になるスポットです!

*掲載内容は2024年3月中旬時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

スポット概要

『暦会館』

道の駅隣接
食事処隣接
宿泊施設隣接

所在地福井県大飯郡おおい町名田庄納田終111-7
開館時間9:00~16:30 *入館は16:00まで
入館料【高校生以上】200円、【小中学生】100円
休館日水曜日、年末年始 *水曜が祝祭日の場合は開館し翌日休館
最寄りIC舞鶴若狭自動車道「小浜IC」よりクルマで約30分
最寄り駅JR小浜線「小浜駅」よりバスで約50分
公式サイトhttps://ooi-koyomi.info

暦会館こよみかいかん】とは!?

暦会館 外観

福井県の西側、京都に隣接し、町の90%が山林で占められる自然豊かな町「おおい町」。その中腹の、隠れ里のようなエリアにあるのが、全国的にも珍しい“暦”と“天文学”の資料館『暦会館』です!

資料館があるおおい町の「名田庄なたしょう」は、日本の天文暦学の祖として知られる、かの有名な安倍晴明あべのせいめい(921-1005)の子孫である土御門家つちみかどけが「応仁・文明の乱」の戦火や一揆で混乱する京都の地から逃れ、4代に渡り住んだ土地。

同地で暦作りを行うなど、暦道・天文道・陰陽道と関わりが深いことで知られている、日本の暦史・天文学史を語るうえで重要なスポットなんです。

館内には、昔の天文器具や水時計などの復元模型のほか、暦、天文、易学に関する、おそらくはじめて見るであろう貴重な資料が数多く展示されています。

暦会館 内装

ちなみに、歴史好きの方であれば1度はその名を聞いたことがあるはずの安倍晴明は、占星術を得意とし、10~11世紀にかけて「陰陽師おんみょうじ」として活躍した人物。

映画やドラマ等の影響で、「陰陽師」は怨霊退治の超能力者のようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それはあくまでフィクション。実在した「陰陽師」とは、朝廷(=政府)で占術を行う官職(=公務員)の1つ。天体観測や時間測定、暦作りを元に、朝廷が決める物事の吉凶を占っていたそうですヨ。

暦会館 外観

今回紹介する「暦会館」は、日本の伝統的な倉庫建築方法「校倉造りあぜくらづくり」による建物。正面の平屋が本館で、向かって右側は(一般非公開の)収蔵庫や研修室となっています。

国道162号線沿いにありますが、同地は福井県小浜市と京都を結ぶ“鯖街道*”のルート上にあるそうです。

*小浜で捕獲された、鯖をはじめとした魚介類を京都へ運ぶための運搬ルート

暦会館 外観

今回訪れた際は季節外れの雪に見舞われましたが、普段の様子はコチラ。ちなみに開館は1993年(平成5年)。

*素材提供:福井県嶺南振興局

館内の様子は!?

同館は、収蔵資料も含め約1000点以上の貴重資料等を所蔵しており、その一部を常時展示中。僅か200円(小中学生は100円)の入館料で鑑賞可能です。

歴史が絡む展示のため、歴史に疎い方には、とっつきにくさがあるかもしれませんが、難解にとらえられがちな内容をボード等を使って判りやすく解説。美術館などにある個別の音声ガイドはありませんが、一部セクションでは音声による解説もあります。

展示室では「陰陽寮」で行われていたそれらの仕事の一環を、一部復元展示とともに鑑賞できます。「陰陽寮」とは、政府の役割を果たした朝廷に設置されていた官庁のこと。天文観測や暦作りなどを担当する複数のセクションに分かれていたそう。ちなみに「陰陽寮」は6〜7世紀頃誕生し、明治時代に入るまで設置されていたそうです!

暦会館 展示室

展示室には、昔の天体観測の様子を復元模型等を使って解説するコーナーがあったり・・・。

暦会館 展示物 具注暦

日時や方位の吉凶を記した「陰陽寮」で制作された暦である「具注暦ぐちゅうれき」などを展示。「具注暦」には、例えば“爪を切ってはいけない” “風呂に入ってはいけない”など、いろいろな注意書きが記されているそう。

さらに・・・。

暦会館 展示物

「許状」と呼ぶ許可証も。なんでも「陰陽師」という仕事は官職のほかに、江戸時代になると民間でも名乗ることができたそうで、民間で行う場合の免許証がこの「許状」。吉凶を占う重要な仕事のため、誰でもなれるわけではないんです。

そのほかにも・・・。

暦会館 水暦

暦の制作に必要不可欠な、正確な時間を計るための器具として利用された「漏刻計ろうこくけい」の復元模型も。展示品は、1981年(昭和56年)に飛鳥水落遺跡で発掘された資料をベースに再現したものです。

暦会館 展示札

さらに美人画や豊漁の神えびすさん、歌舞伎などのイラストや、お店の名前が入るカレンダー「引札暦ひきふだごよみ」も。

暦会館 暦

写真のような、タペストリー調のカレンダーなどを見たことがある昭和世代の方もきっと多いのでは? ちなみに日本でカレンダーの発行が自由に行えるようになったのは、第二次大戦後の1945年(昭和20年)から。比較的最近なんです。

周辺散策もオススメ♪

暦会館 エリアマップ

「暦会館」があるエリアには、そのほかにもいろいろな施設やスポットがあります。

例えば「暦会館」手前には、安倍晴明の子孫である「土御門家(安部家)」3代の墓や、県の文化財にも指定されている1617年建立の茅葺き仏堂「薬師堂」などがあります。クルマで2分程度と、かなり近いですので、ぜひあわせてお楽しみあれ。

そのほかにも、「暦会館」の真横や目と鼻の先にもいろいろあり・・・。

暦会館 流星館

真横には「流星館」と呼ぶ、町営の(素泊まりから食事付きまでプラン複数)宿泊施設を兼ねたレストランがあるほか・・・。

暦会館 道の駅

道の駅 名田庄」と呼ぶ休憩スポット兼特産品の販売所も。道の駅の隣には、地元で採れた自然薯を使ったそばが味わえる「よってっ亭」も併設あります。

このエリアは、利便性の高い国道162号線沿いにあるため、ツーリングを楽しむライダーなども多く利用されているそう。夜は星空がキレイなんだとか!

さらに「暦会館」の目の前には広大な芝生広場も。

曆会館 古民家

今回はあいにくの雪景色となりましたが、普段はここがグリーン一杯の開放的な芝生空間となっており、ゆったりくつろげます♪

雪をかぶった古民家

都心ではなかなか見掛けない、茅葺きの古民家があるほか、その裏にはBBQ場も。澄んだ水が流れる小川もありと、周辺もぜひ散策してみてください♪

東京からの行き方は!?

暦会館 地図

おおい町は福井県の左。矢印があるポイント付近に「暦会館」があります。

*素材提供:福井県嶺南振興局

東京から行く場合は、延伸された北陸新幹線「かがやき」に乗り終点「敦賀駅」まで約3時間。

『暦会館』はJR小浜線が走る海側ではなく、内陸側にあるため、アクセスはクルマが便利ですが、在来線+バスでも行けます。

【1】レンタカーで舞鶴若狭自動車道(若狭美浜ICー小浜IC)を利用しつつ、国道162号を京都方面へ進んで約1時間
【2】JR小浜線「小浜駅」から大和交通の路線バス「流星号」に乗車し「ホテル流星館」下車で約2時間

「暦会館」の横には、先述の通り「道の駅 名田庄」が併設されており、普通車45台分がとめられる駐車場もありますヨ。

レポートまとめ♪

若狭 おおい町 暦会館

・暦や天文暦学に関した珍しい資料館
・安倍晴明の子孫が移り住んだ土地にあり
・周囲には道の駅など、寄りたくなるスポットも複数

いかがでしょう!? 周囲を山に囲まれた自然豊かなスポットにある、全国的にも珍しいこのスポット。資料館を楽しみ、自然に触れ、道の駅でお買い物と、いろいろ楽しめそう。国道沿いというアクセスの良さも魅力です!

若狭リポート、公開中!

今回ご紹介した記事は 

 いかがでしたか?

以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!

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この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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