2026.05.09

特集記事

文・写真: 山さん
2026.05.06

【エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし】 約180点の原画や制作資料が集う、話題の回顧展が東京都現代美術館で!

エリック・カール展 会場風景

日本でも人気の高い絵本作家、エリック・カールさんの偉大な功績を振り返る展覧会が開幕。原画など、食い入るように見たい貴重資料が多数来日。親子で行っちゃお〜 《2026.7.26まで》

*掲載情報は2026年4月24日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

Eric Carle: Art. Books and the Caterpillar is orconized by The Eric Carle Musoum of Picture Book Art, Amherst, Massachusetts, United States

イベント概要

『エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし』

グッズ販売あり
撮影OK(写真/一部)

会場東京都現代美術館 企画展示室1F/3F(東京都江東区三好4-1-1 木場公園内)
開催期間2026年4月25日(土)〜7月26日(日)
開館時間10:00〜18:00 *最終入館/閉館30分前
入館料【一般】2300円、【専門・大学生・65歳以上】1600円、【中高生】1000円 *小学生以下/無料
休館日月曜日(5月4日と7月20日をのぞく)、5月7日、7月21日
行き方半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩15分
主催東京都現代美術館、エリック・カール絵本美術館、読売新聞社
公式サイトhttps://ericcarle2026-27.jp

【エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし】とは!?

エリック・カール展 会場風景 看板

世界で、そして日本で愛されているエリック・カールさん(1929-2021)が手掛けた作品を、貴重な原画とともに振り返るファン待望の展覧会です。名作『はらぺこあおむし』(1969)で知られる、あの絵本作家の回顧展です!

日本では“エリック・カールといえば、はらぺこあおむし!”という方がきっと多いはずですが、ページをめくるごとに、主人公である「あおむし」が食べた食べ物に“穴”が開いていくという“しかけ”は、読み手の好奇心や想像力を膨らませる手法としてとても効果的でした。

あおむしがいろいろなものを食べ続け、やがて成長。最後には美しい蝶になるという、希望を感じさせるストーリーは色褪せませんよね。

なにより、“あおむし”という、言葉を聞いただけでは抵抗を感じずにはいられない対象を、味わい深い独特なタッチで表現し親しみのある存在へと変えたエリックさんのセンスが凄い。

もしも“あおむし”がリアルなタッチで、愛嬌のないデザインであったら……どうでしょう。親は少なからず嫌悪感を持ち、子どもに読み聞かせる機会も減っていたはず。親世代にも優しい、取り付きやすい&すすめやすいですよね。

『はらぺこあおむし』に代表される、エリックさんのあの絵のタッチが好きという方、多いのではないでしょうか!?

今回「東京都現代美術館」で始まった展覧会は、多くの方に親しまれているそんなベストセラー絵本『はらぺこあおむし』が、日本で出版されてからジャスト50周年*となることから企画されました。

*『はらぺこあおむし』は1969年にアメリカで出版されましたが、日本語版が発売されたのは7年後の1976年。

広く知られた『はらぺこあおむし』を導入部として、エリックさんが生前残した多彩な「作品」や、手掛けられた「仕事」を全4章で振り返ることができます。

『はらぺこあおむし』の原画は、なんと全ページ展示中です!

主催にも名を連ねる、アメリカ・マサチューセッツ州にある「エリック・カール絵本美術館」の全面協力により実現したもので、会場にはエリックさんが手掛けた、27の絵本作品からピックアップした原画(複製含む)や資料が、なんと180点あまり展示されています。

エリック・カール展 会場風景 はらぺこあおむし原画

『はらぺこあおむし』1987年版 表紙/エリック・カール絵本美術館所蔵

代表作『はらぺこあおむし』はもちろん、『パパ、お月さまとって!』(1986年)、『10このちいさなおもちゃのあひる』(2005年)など、ピックアップされた作品はいろいろ。知っている作品があれば、なかには知らなかった、はじめての出会いもあるはず。

エリック・カール展 会場風景 はらぺこあおむし原画

『はらぺこあおむし』45周年アートワーク/2014年/エリック・カール絵本美術館所蔵

絵本原画の展示が主となる一方で、例えば『はらぺこあおむし』では、メモリアルイヤーごとに制作された記念のアートワークの原画が複数あったりと、興味深い展示がいろいろあります。

エリック・カール展 会場風景 はらぺこあおむし絵本

こちらは『はらぺこあおむし』の布の絵本。話を仮に理解できなくても、実際に触ったり、あおむしの人形を穴に通してみたりと、遊びながら楽しめるんです。

エリック・カール展 会場風景 はらぺこあおむし絵本

絵本『はらぺこあおむし』は、エリックさんが自分自身で“文章”まで手掛けたはじめての作品。70カ国で翻訳されている世界的なベストセラーです。会場には、一部ですが世界で発売された絵本の展示もあります。

作画は切り貼り

エリックさんの作品は、筆を使って描く、いわゆる「絵画」的な手法ではありません。色柄の違う様々な紙を切って、それを貼り付けていく「コラージュ」的手法で生み出されているんです。会場に展示された原画をじっくりと観察すると、切り貼りされた様子が、筆致のごとく伝わってきます。正面はもちろんですが、ときに斜めから、ときに中腰になって下から覗いてみたりと、ぜひいろいろな角度からご覧あれ。

*ちなみに今回の展覧会は、巡回展です。東京会場のあとは、福岡(2026年10月23日〜12月20日)、大坂(2027年3月20日〜5月9日)で開催されます。

興味深い原画展示が多数

ここからは、『はらぺこあおむし』以外にどんな展示があるのか!? 来館する楽しみを削がない程度に、見繕って紹介していきます!

『はらぺこあおむし』の原題は「The Very Hungry Caterpillar」。頭に“とても”を意味する“The Very”が付くのですが、エリックさんが手掛けた作品には、“The Very”が付く作品がほかに4つもあること、ご存じでしょうか!?

エリック・カール展 会場風景 くもの原画

『くもさん おへんじ どうしたの』表紙/1984年/エリック・カール絵本美術館所蔵

写真の『くもさん おへんじ どうしたの』(1984年 原題“The Very Busy Spider”)はそのうちの1つ。作中に登場するクモの巣は、触って感じられるようにと「隆起印刷」と呼ばれる特殊な技術で再現されているんです。

会場では、『はらぺこあおむし』とあわせ「五重奏」となる、“虫シリーズ”4作品の原画も併せて紹介されています。

ちなみにエリックさんは、幼少の頃から小さな虫が大好きだったそうです!

エリック・カール展 会場風景 なかよしさん原画

『いちばんのなかよしさん』「ひみつを ひそひそ はなすように なったら」/2013年/エリック・カール絵本美術館所蔵

『いちばんのなかよしさん』(2013年)は、エリックさんの想い出を色濃く反映させた、回顧展で紹介するに相応しい作品。

両親の故郷であるドイツに移住したことにより、仲良しだった女の子に会えなくなってしまったエリックさんの経験をもとにした作品で、原画が日本で公開されるのは今回が初です! 必見!

ちなみにエリックさんがドイツで過ごした時期は、ナチスの統制下。生活に制約を受けるなど、いろいろなものを失っていましたが、エリックさんの才能にいち早く気が付いた美術の先生が、当時弾圧されていたピカソやマティスの複製画をこっそり見せてくれたそう。

そこに描かれた鮮やかな色彩美は、多感な時期のエリックさんに大きなインパクトを残し、その後のアーティスト活動に多大な影響を与えたんです。

次に紹介したいのがこの作品。

エリック・カール展 会場風景 原画

『パパ、お月さまとって!』「『お月さまと あそびたいな。』モニカは、お月さまのほうへ てを のばしました。」別案/1986年/エリック・カール絵本美術館所蔵

月と遊びたい。そんな愛娘のために、父親がハシゴを使って月を取りに行く物語『パパ、お月さまとって!』。これも人気作品ですよね!

作品の元となったのは、エリックさんが3歳だった娘さんのために作ったプライベートな作品なんだとか。四半世紀の後に、正式に「絵本」として世に出たそうですが、驚くべきはコレ↓

エリック・カール展 会場風景 青い月の部屋

原作の絵本は、ページが上下、左右に伸びるという“しかけ”付きとなっていますが、会場では壁一面を使って、月の大きさ、ハシゴの長さが分かる世界観を再現!

立ち位置マークからの写真撮影が可能な、フォトスポットとなっていました。

グラフィックデザイナーとしての仕事

引っ越し先のドイツでグラフィックデザインを学び、ファッション誌のアートディレクターやニューヨークタイムズのデザイナー、さらに広告代理店のアートディレクターと、絵本作家となる前に、グラフィック界で精力的に仕事をこなしていたエリックさん。

エリック・カール展 会場風景 原画

『演劇ポスター「ガラスの動物園」』/1952年/複製/エリック・カール絵本美術館所蔵

かのテネシー・ウイリアムズによる有名な戯曲「ガラスの動物園」の公演ポスターや……

エリック・カール展 会場風景 原画

『広告ポスター「クロルトリメトン抗ヒスタミン剤」』/1960-66年/複製/エリック・カール絵本美術館所蔵

アレルギー薬の広告ポスターなど、日本ではなかなか見る機会のない興味深い作品が複数展示されています。

余談ですが、エリックさんはこの時代、「フォーチューン」と呼ばれるビジネス雑誌のアートディレクターを務めていた、あのレオ・レオーニさん*(1910-1999)に作品をみてもらい、仕事を紹介してもらったこともあったそう。

*『スイミー』やねずみの『フレデリック』等の絵本作品で有名

レオさんも、切ったりちぎったりした紙をコラージュした作品を数多く残されていますよね。二人の関係は終生続いたとのことです。

エリック・カール展 会場風景 作品本

ほかにも、大人向けの小説や詩集、児童教育用図書などの表紙画、挿絵画の展示もあります。

絵コンテの展示も

絵本原画、グラフィックデザイナーとしての仕事以外にも、会場には「ダミーブック」と呼ばれる貴重な資料が展示されています。

エリック・カール展 会場風景 ダミーブック

ダミーブック『くもさん おへんじ どうしたの』/1984年/エリック・カール絵本美術館所蔵

「ダミーブック」とは、絵本を制作する前に組み立てる、物語の流れや構図などを書き記したラフ、絵コンテのようなもの。

エリック・カール展 会場風景 ダミーブック

ダミーブック『だんまり こおろぎ』/1990年/エリック・カール絵本美術館所蔵

「ダミーブック」自体の展示は、過去日本で開催されたエリックさんの展覧会でもありましたが、今回は展示数が過去最高。12点もあります! 本来、人目に触れるものではないため貴重です。

エリック・カールと日本

エリックさんは「文化」「芸術」「食」、そして「人」と、日本から深いインスピレーションを受け続けるなど、大変な親日家でした。

会場には、日本との関係を示す作品を集めた特設コーナーもあり……

エリック・カール展 会場風景 はらぺこあおむし原画

『2007–08年の展覧会のために制作「日本の友達へ」』/2007年/複製/エリック・カール絵本美術館所蔵

エリック・カール展 会場風景 原画

『「がんばって」「ありがとう」「だいすき」』/2011年/複製/エリック・カール絵本美術館所蔵

といった東日本大震災後に制作された、日本のファンへ向けたダイレクトな作品のほか……

エリック・カール展 会場風景 原画

『大丸百貨店 お中元カタログ表紙別案』/1994年/エリック・カール絵本美術館所蔵

といった日本の百貨店と行ったカタログの仕事など、興味深い作品が展示されています。

訪日が美術館を生む

1985年に原画展の開催にあわせ初来日してから、幾度となく日本を訪問したエリックさんですが、来日するなかで驚いたのが、日本に絵本を専門とする美術館が20館近くもあること。

常々“絵本は子どもがはじめて出会う、最初のアート”と考えていたエリックさんは強い感銘を受け、それが自宅のあるマサチューセッツ州にある「エリック・カール美術館」を開館する切っ掛けとなったんだとか!

2002年に誕生した同館は、意外なことにアメリカ初の絵本専門美術館。エリックさんの作品に留まらず、300人以上の絵本作家による2万点を超える膨大な資料を所蔵する、世界有数の絵本の名所となっています。

エリック・カール展 会場風景 原画

『フレームをもったあおむし』/2002年/エリック・カール絵本美術館所蔵

会場には、本展のメインビジュアルにも採用されている『フレームをもったあおむし』の原画も展示中。この作品は、「エリック・カール美術館」を開館するための寄付を募るために制作されました。

アトリエを感じる

会場には、エリックさんが作品制作時に実際に着用していた「スモック」と呼ぶ作業着や「革靴」も!

エリック・カール展 会場風景 作業着

『エリック・カールの制作用スモック』/『エリック・カールの制作用の靴』/エリック・カール絵本美術館所蔵

このスモックとイタリア製の革靴に着替えることが、「創作モード」に入るエリックさん流の切り替えのスイッチだったそう。

さらに興味深い展示が、制作に使っていたコラージュ用の薄紙。

エリック・カール展 会場風景 カラー素材

『手彩色の薄紙』/『制作道具』/エリック・カール絵本美術館所蔵

エリックさんの作品は、先述の通り様々な色柄の薄紙を切り取って貼り付けるコラージュが大半を占めますが、薄紙への色付けはエリックさん自身が行い、紙パレットとしてストックしていたそう。

(彩色する)その日の気分次第で色柄が違う、すべて1点ものなんです!

エリック・カール展 会場風景 動画を見る人たち

そのほかにも、2011年に撮影された、エリックさんの人となりが分かるドキュメンタリー映像の特別上映も。2番組ともに数分間の短い映像ですが、とても興味深い内容です。

グッズ販売も充実!

全4章の先には、入館者しか利用できないお待ちかねの「ミュージアムショップ」も!

エリック・カール展 会場風景 グッズ

イベント開催にあわせ制作されたオリジナルグッズも、雑貨やアパレル、ぬいぐるみ、アクスタなどたくさん。もちろん絵本も!

【グッズ詳細はこちら】https://ericcarle2026-27.jp/goods.html

エリック・カール展 会場風景 図録

展覧会「図録」(2970円)は、『はらぺこあおむし』で“あおむし”が食べたものにちなみ、全3色の表紙カラーバリエーションを展開! うち赤と黄色は限定(内容はすべて同じ)。穴あきの表紙がいかにもです!

*「図録」のみオンライン販売も実施中

エリック・カール展 会場風景 フォトスポット

物販エリアにはフォトスポットも! 端にありますので、お見逃しなく!

関連企画も!

展示以外にも、いろいろな企画が用意されている今回のエリック・カール展。

エリック・カール展 会場風景 絵本コーナーを利用する親子

たとえば会場では、エリックさんの絵本作品を自由に読める特別な「絵本ルーム」があるほか……

エリック・カール展 会場風景 スタンプラリー台紙

本展と、二子玉川にある常設施設『PLAY! PARK ERIC CARLE』の2カ所を巡って楽しむ、クイズ付きのスタンプラリーを開催中。両会場内にあるスタンプを押すと、先着でご覧の50周年記念限定ステッカーがもらえます!

【PLAY! PARK ERIC CARLEについてはコチラへ】https://osotoiko.com/area-info/outdoorspotreport-228

そのほかにもエリックさんの誕生日である6月25日と、その前後に来館するとオリジナルポストカードの先着プレゼントがあったり、都内の指定カフェや絵本店、雑貨店などを利用するとオリジナルコースターがもらえるキャンペーンも実施中ですよ〜。詳細は公式サイトで確認ください。

レポートまとめ♪

エリック・カール展 メインビジュアル

・絵本27冊分の貴重原画や資料、約180点展示
・制作のベースとなったダミーブックも
・イベント限定グッズも多数販売!

親子三世代でファンという方も珍しくない、エリックカールさんの絵本の世界をさらに深く覗ける今回のイベント。絵本を読んでから行くか、読む前に行くか!? アナタはどちら!?

エリック・カール展 撮影注意看板

ちなみに今回の展覧会は、3Fと1Fの2フロアに分かれて展開されていますが、3Fは一部フォトスポットを除き全面撮影NGですが、驚くべきことに1Fは写真撮影OK! 原画展示は1Fにもありますヨ。

今回ご紹介した記事は 

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以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!

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この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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