終了しました
【レオ・レオーニの絵本づくり展】 名作を数多く生み出した巨匠の技やメッセージを知り、世界を体験する注目展が渋谷で!

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
『スイミー』ほか、名作絵本を数多く生み出すだけでなく、グラフィックデザインなど、幅広い世界で活躍したレオ・レオーニ。その“絵本”の仕事に焦点を当てた話題展が渋谷で開催中です♪《2025.8.27まで》
*掲載情報は2025年7月4日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
イベント概要
『レオ・レオーニの絵本づくり展』
開催地ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F)
開催期間2025年7月5日(土)~8月27日(水)
開場時間10:00~19:00 *入場は閉場30分前まで
入場料【一般】7月鑑賞/1800円、8月鑑賞/2400円 【大学・高校】7月鑑賞/1200円、8月鑑賞/1700円 【中学・小学】7月鑑賞/900円、8月鑑賞/1300円
休催日2025年7月24日(木)
最寄り駅JRほか「渋谷駅」2階連絡通路で直結
主催Bunkamura、朝日新聞社
特設サイトhttps://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/25_leolionni/
【レオ・レオーニの絵本づくり展】とは!?

『スイミー』や『アレクサンダとぜんまいねずみ』『あおくんときいろちゃん』など、タイトルを聞くだけで「あの作品でしょ♪」となる、1度は読んだ経験のある傑作絵本を多数手掛けた巨匠、レオ・レオーニさん*(1910‐1999)。
*以降、敬称略
レオーニといえば「絵本」というイメージが強いかと思いますが、じつは絵本を手掛け始めたのは49歳から。その仕事は、絵本に限らず、アートディレクターやグラフィックデザイナーなど、多岐に渡るんです。
ご本人は英語、イタリア語、オランダ語など、なんと5カ国語を操ったほか、コミュニケーション力にも長けた明るい人柄だったそうですよ。
今回渋谷のヒカリエホールで始まったイベントは、レオ・レオーニが携わったそれら数多くの仕事のうち、もっとも馴染み深い“絵本”にフォーカスした特別展。
絵本作品に実際に掲載された原画を多数鑑賞できるイベントですが、ベースとなっているのは、「板橋区立美術館」を皮切りに、全国各地を巡回中の人気イベント「レオ・レオーニと仲間たち」展。
「レオ・レオーニと仲間たち」展は、レオーニの仕事を展観する特別展ですが、渋谷で行うのは、そのうちの“絵本セクション”を抽出し再編成したスピンオフ的なイベント。渋谷独自のコンテンツも加えて開催するものです。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
会場では、レオ・レオーニ本人を知るコーナーも。幼少期の貴重な写真なども紹介されています。
技法・メッセージ・限定コンテンツで展開
イベントは大きく3章あり、章と章の合間に、レオ・レオーニの人物像を知るミニコンテンツや、渋谷開催にあわせて新規制作した映像コンテンツが展開されます。
単純に完成した「絵本」を読むだけではわからない、色々なエッセンスを、体験コンテンツも含め、様々な角度から覗いてみよう! というものです。
まず《第1章》は、レオ・レオーニが実践した様々な“技法(=手仕事)”に注目。レオーニが絵本作品で実際に取り入れてきた見せ方の違い(「コラージュ」や「フロッタージュ」「スタンピング」など)を、数多くの原画とともに紹介します。
思わず「なるほどねぇ」「そうなんだぁ」となる、様々な技法が紹介されています。
老若男女に親しまれるレオーニ作品が持つ独特な魅力の秘密が覗き見できる、とても貴重なコーナーとなっています。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
会場に展示される原画は、《第1章》《第2章》含め約100点。うち20点あまりが渋谷会場だけの展示品とのこと。
例えば、レオーニ作品ではメジャーとなっている色々な素材を組み合わせる「コラージュ」1つでも、手でちぎってみてり、ハサミで切ってみたりといろいろ。手でちぎるという手法は、ネズミの毛の質感を具現化する1つの手法でもあったんです。

レオ・レオーニ《うさぎをつくろう》原画 1982年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
写真は様々な素材を切り取り組み合わせた、レオーニがもっとも頻繁に活用した「コラージュ」を駆使した原画。
続く《第2章》は、レオーニがつむぎだした“ストーリー”に着目。
絵本といえば“ビジュアル”のインパクトがとても強い傾向にありますが、レオーニの絵本の魅力はその“ストーリー”にもあり。ビジュアルとストーリーの絶妙なシンクロが、レオーニ作品の存在をさらに印象深いものにしているんです。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
《第2章》には、ゆっくり鑑賞できるベンチもあり。
《第2章》では、レオーニが創造したストーリー(=メッセージ)を、1つの作品を叩き台に原画とともに読み進める、あるようでない興味深いコーナー。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
原画を通じて作品を読む《第2章》。奥側から手前にかけて物語を読み進めていくもの。原画が入手できなかった1枚(1ページ分)だけパネル展示となっています。
ピックアップするのは、原画が揃えやすかったという『6わのからす』。レオーニ作品を数多く担当されたことでも広く知られる、詩人や翻訳家として活躍された谷川俊太郎さん(1931-2024)の言葉を通して、レオーニが伝えたかったメッセージを会場で感じとってもらおうというコーナーです。

「レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
ストーリー展示の向かいには、日本で発表された数々の絵本作品がディスプレイ。
《第3章》は、レオーニの絵本の世界を、実際に来場者が体感できる、渋谷会場だけの特別なセクションが展開。子どもはもちろん、レオーニ作品に親しんだ大人の方にも楽しんで欲しい、様々なコンテンツが会場そこかしこに用意されています。
ちなみに、イベントのベースとなった「レオ・レオーニと仲間たち」展は巡回展ですが、「レオ・レオーニの絵本づくり展」は今回限り。巡回予定はないとのこと。つまり《第3章》が楽しめるのは渋谷だけ!

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
例えばどんな原画が!?
展示原画やおよそ100点。《第1章》は先述の通り“技法”でエリア分けされており、「コラージュ」や「手切り」「彩色」「スタンピング」「鉛筆や色鉛筆」など、レオーニが駆使した様々な技を踏まえつつ、原画が展開されます。
かなり近くまで寄って鑑賞できますので、正面だけでなく、ちょっと角度を変えてみると、技や筆致をリアルに感じることができますよ。
ほんの一部ですが、少しご紹介すると……。

レオ・レオーニ《フレデリック》原画 1967年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオ・レオーニ《マックマウスさん》原画 1992年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオ・レオーニ《ジオドアとものいうきのこ》原画 1971年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオ・レオーニ《あいうえおのき》原画 1968年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオ・レオーニ《せかいいちおおきなうち》原画 1968年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

レオ・レオーニ《マシューのゆめ》原画 1991年 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
ほんのお触り程度の紹介で恐縮ですが、ぜひ会場でご確認ください!
パーツ展示も

レオ・レオーニ《ねずみパーツ》 Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
レオーニは、イメージにあわせてすぐに作品作りが行えるよう、パーツをストックしていたそう。
写真はねずみのパーツで、会場では、これらパーツを組み合わせながら作品を作る様子、紙を切り出す所からおさめた貴重な動画も公開中です!
*【注意】この動画は撮影厳禁
余談ですが、レオーニ作品=「ねずみ」というイメージを持つ方もいらっしゃるかと思いますが、作品に登場する「ねずみ」同士に関連性はなく、キャラクターは作品ごとに違うんです。登場する「ねずみ」は、その都度新しいキャラクターとして創造されたものとのこと(本展担当者談)。
渋谷会場限定エリア!
貴重な「原画」展示も興味深いですが、本展の最大の魅力は、《第3章》として用意された「レオレオリウム!」と呼ぶスペシャルエリアにあり。
エリア内では、レオーニが遺した絵本の世界を、体で楽しめるコンテンツが複数展開。それらを順に巡るなかで考えるヒントがあったり、気づきに出会えたりと、絵本を読むだけでは得られない新しい刺激と発見が得られる内容となっています。
エリア名の「レオレオリウム!」とは、「レオ・レオーニ」と「テラリウム*」を掛け合わせた、本展独自の造語。レオーニは幼少期から自然に親しみ、とくに「テラリウム」がお気に入りで、「空想の庭」と呼んでいたそう。
《第3章》では、一際思い入れのあり、その後の絵本作りにも多大な影響を及ぼした「テラリウム」をモチーフに、レオーニが創出した世界を実際に、見て、感じて、作って楽しもうという、没入エリアとなっています!
*「テラリウム」…透明ケースの中で、陸上の生き物を育てる方法。「アクアリウム」は水中の生き物を水槽内で育てる方法。
360°スクリーンで没入!

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
「空想の庭」と名付けられた円柱スポットでは、「テラリウム」に生き物たちを配置するかのように、絵本のキャラクターたちがセッティングされていく様を動画で楽しめます。
レオーニの手仕事をグラフィックで再現した映像のほか、絵本『あいうえおのき』などをイメージした動画が、360度スクリーンに展開される仕組みです。

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
中央に鎮座する円形のジオラマは、レオーニがアトリエを構えた、イタリア・トスカーナ州ポルチニアーノの田園風景などが再現されており……

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
ジオラマを取り囲むように配置されている複数のスイッチを押すと、絵本に登場した「フレデリック」や「コーネリアス」ライトアップされる仕組みになっています♪

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
余談ですが、「空想の庭」は外から眺めると、内部に入った来場者の影が円柱スクリーンに映り込む仕組みとなっています。これはつまり、絵本のなかに、あなた自身が入り込めるということ。タイミングを見計らって、お友達や家族で楽しんでみて。
キノコの合唱を聴く

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
「クィルプ・クィルプ・クィルプ!」というエリアでは、絵本『シオドアとものいうきのこ』に登場するキノコが。作中に登場する、青いキノコが行う「クィルプ」の大合唱を再現した体験コンテンツです。
大小のパネルにはスピーカーが内蔵されており、それぞれ微妙に違う「クィルプ!」と発するキノコの声が聞こえてくるんです! 耳を澄ませて聞いてみてください。
ちなみにそもそも「クィルプ」とはなにか!? それは会場でお確かめあれ。
スイミーに没入!

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
レオーニ作品のなかでも特に有名な『スイミー』を味わう特別エリア「スイミー・スクロール!」。
小魚たちが身を守るべく大群となり、1匹の大きな魚のふりをする物語が、高さ2m弱の巨大なロールスクリーン内で展開されます。
本展では残念ながら『スイミー』の原画展示はありませんが、原画や絵本とは違う、贅沢で幻想的な時間をお楽しみあれ。
パーツの標本集

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
「絵本の自然採集」と呼ぶエリアでは、絵本に実際に登場した動植物をピックアップ。標本風に展示しています。葉っぱあり、動物あり、昆虫あり、鳥あり……。じっと見比べるだけで創造力が刺激されそう!
石で遊ぶ♪

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
レオーニは「石」好きだったこと、ご存じですか!? 存在しないと分かっているものの、“限りなく丸い石”を求め海岸を何時間も散策することもあったそう。

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
石へのこだわりは作品にも盛り込まれており、「レオと石」エリアでは、絵本『はまべにはいしがいっぱい』の世界を再現。フロアに照射された無数の石が点在する場所に足を踏み入れると……、子どもたちも喜びそうな仕掛けが。ぜひ会場で体験あれ!
ワークショップも
レオーニの技を実際に体験する簡単なワークショップも。

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
「フロッタージュ」と呼ばれる、凹凸の付いた土台の上に紙を敷きクレヨンで擦ると模様が浮かび上がる技法を体験。キノコや葉っぱなどの紙も用意されており、終わったあとは目の前にあるボードに貼り付けて展示することができます♪
……といろいろ。ほかにもコンテンツはありますので、ぜひ会場でお確かめください。
撮影は!?
興味深い展示が続くこのイベントですが、撮影は一部を除き大半がOK。
主催者に確認したところ、《第1章》《第2章》は「写真」撮影のみ、《第3章》は「写真」に加え「動画」撮影が可能とのこと。章と章の合間にある「インターバル」と呼ぶ小展示スペースのうち、ムービーを上映するエリアは「撮影厳禁」ですので、充分ご注意を。
不明点は館内スタッフにご確認あれ。

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
《第3章》の先には、『スイミー』のフォトスポットと絵本の読書コーナーを用意。フォトスポットは、くり抜かれている目(赤矢印部)から顔を出すと作品が完成する仕様です♪
物販も充実!

レオーニ作品をモチーフとした様々なグッズが手に入る、お楽しみの物販コーナーもあり♪

アパレルあり、雑貨あり、文具あり、ぬいぐるみあり、絵本ありと目移りするほど!
*本展独自の「図録」は制作されておらず、ベースとなった「レオ・レオーニと仲間たち」展の図録が販売されています。

渋谷展限定アイテムとして、シガールで有名なヨックモックとコラボした特製焼き菓子が登場。レオーニの絵本『おんがくねずみ ジェラルディン』にヒントを得た、2種のチーズを使ったサブレ生地に、甘いバタークリームをサンドしたお菓子です♪ 特製クリアポーチ付きで販売(2980円)。
レポートまとめ♪

・レオーニの“絵本”の仕事にフォーカス!
・絵本原画を通じて、技法とメッセージを紹介
・渋谷会場限定の特設体験コーナーを用意
いかがでしょう!? 日本でもファンが多いレオ・レオーニ。夏休み期間中も開催ですので、お子さん誘って訪れてみては!? ちなみに7月と8月では入場料が異なります。充分ご注意を!

レオ・レオーニの絵本づくり展」展示風景、ヒカリエホール、2025年
会場入り口付近には、フォトスポットにもなる、レオーニ作品に登場した愛らしいキャラクターたちのスタチューもあります♪ お見逃しなく!
今回ご紹介した記事は
いかがでしたか?
もう一度このページを先頭から見る
以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!








