2025.12.05

特集記事

文・写真: 山さん
2025.12.01

【企画展 ワニ】 国立科学博物館で“ワニ”! 標本展示多数ありの、気になる展覧会を見に上野へ行こう!

国立科学博物館 企画展 ワニ 会場風景

水辺の捕食者として、ほとんど姿を変えず生き延びてきた“ワニ”に焦点をあてた、国立科学博物館初の企画展が開始! 多数の標本を交え、知らないことだらけの“ワニ”に迫ります! 《2026.3.1まで》

*掲載情報は2025年11月25日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

イベント概要

『企画展 ワニ』

撮影OK(写真のみ)
音声ガイド・グッズ販売なし

開催地国立科学博物館 日本館 1F 企画展示室(東京都台東区上野公園7-20)
開催期間2025年11月26日(水)~2026年3月1日(日)
開館時間9:00~17:00 *最終入館/16:30
鑑賞料【一般・大学生】630円 *高校生以下、65歳以上は無料
休館日月曜日(月曜が祝日の場合は翌火曜)、12月28日(日)~1月1日(木) 1月12日(月)、2月16日(月)、2月23日(月・祝)は開館
行き方JR「上野駅」公園口より徒歩5分
主催国立科学博物館
告知サイトhttps://www.kahaku.go.jp/tenji-event

【企画展 ワニ】とは!?

国立科学博物館 企画展 ワニ 会場風景

“ワニ”と聞いて、なにを想像します!?

狂暴、肉食、噛み殺す、突然噛む、力が強い、口が大きい、モソモソと動く、突然獰猛になる……など、いろいろなイメージがあるはず。

ペットとして飼うケースは極めて稀で、近くで生息しているなんてハナシはほぼ聞かないなど、決して身近な存在ではない割りに、“ワニ”そのものは広く知られており、人間にとってはかなりメジャーな存在。爬虫類の代表格として認知度は、老若男女問わず高いでよね。

その反面、“ワニ”がそもそもどんな生き物で、どんな種類や生態があるのかは、多くの方がご存じでないはず。

今回上野にある「国立科学博物館」で始まった『企画展 ワニ』は、知っているようで知らないことだらけの“ワニ”を、様々な角度からフォーカス。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

手前/セベクワニ、奥/アフリカクチナガワニ

生き物としての特徴はもちろん、種類が多く、世界中に分布するワニの多様性や、進化の話に目を向けつつ、知られざるワニの子育てや、ワニと人間との関係性など、様々な角度から展観。

標本や関連資料のほか、思わず見入ってしまう貴重な映像を交えながら、ワニの奥深い魅力に迫ります。

見所をザッと挙げると……

国立科学博物館 企画展 ワニ 見所箇条書き

というもの。

じつは、年間を通じて様々な展覧会等を実施している「国立科学博物館」で、爬虫類だけに特化した企画は、意外なことに今回が初なんだそう!

開催にあわせ、16種100頭あまりのワニを飼育していることで知られる「熱川バナナワニ園」(静岡県)が企画展に協力。先行内覧会には、同園のマスコット「熱川ばにお」くんも登場し、場を盛り上げてくれました♪

国立科学博物館 企画展 ワニ 熱川ばにお 関係者

バナナを持ったワニ「熱川ばにお」くん。左は同園園長の神山さん。右は企画展監修者の吉川研究員。

“標本展示”が多数!

『企画展 ワニ』の見所の1つが、イメージが湧きやすい、各種標本展示の多さにあり。その数ざっと18種類も。

現在確認されているワニは3科27種類ですので、会場ではじつに6割り強のワニと、なにかしらの形でお目にかかれるというワケ。

展示される標本は、南米のワニからアフリカ、北米、アジア、オセアニアなど、様々。とても興味深い内容となっています!

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

大きさ、色、形など、ワニの多様性が比較できる展示も。ちなみに、左端のコビトカイマンは、「THE ALFEE」の坂崎幸之助さんが飼われていたワニとのこと!

ひとことで「標本」といっても、多種多様。まるで生きているかのような「剥製標本」や、骨だけの「骨格標本」のほか、「液浸標本」と呼ばれる、ホルマリンで固めたのちにアルコールなどの液体のなかに漬ける手法、なめし作業が伴う表皮だけを残す「皮革標本」と複数あるんです。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

写真はシャムワニの「皮革標本」と「骨格標本」。皮革標本に頭がありませんが、ワニの頭骨は皮と一体(!!)となっており、標本を製作する際はどちらか片方を選ばないといけないそう。

今回の企画展では、それら実物が展示されるだけでなく、標本ごとの違いや特徴を解説するコーナーがあるのも特徴。

会場に入り、いきなり「へぇ」となること間違いなし!

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

写真は「ニューギアワニ」「アメリカワニ」「アメリカアリゲーター」。なかでも注目は茶色の「アメリカワニ」。1934年に寄贈された、科博が所蔵するワニ標本のなかでは最古。標本のなかには、(とくに表示はありませんが)今回の企画展で一般に初公開となる展示も。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

シャムワニの「液浸標本」。内蔵含め、ほぼ生きていた状態で保存できるメリットがある一方、重量が変わらないため、大型となると動かせなくなる……という弊害もあるそう。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本製作器具

展示品のなかには、骨格標本作りに使われる道具類を紹介するコーナーも。製作する際には、骨を鍋で煮たりもするそう……。

“属性や種類、生態”がわかる!

『企画展 ワニ』は、単に標本を見るだけではありません! 一般の人であれば恐らく意識することがないはずの、属性や種別、体の仕組みなどの解説も充実。

思わず誰かに話したくなる、ワニうんちくが入手できるんです。一部を紹介すると……。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

進化の過程が分かる「属性」でいえば、ワニは「爬虫類」に属するもののじつは鳥類に近く、「主竜類」と呼ばれる恐竜の流れをくんだ分類に属するそう。

また、日本ではそれっぽいモノをひとくくりに“ワニ”と呼んでいる方が多いですが、ワニは大きく3つのカテゴリー(科)に分類されることをご存じでした!?

国立科学博物館 企画展 ワニ 頭骨標本

それが「アリゲーター科」「クロコダイル科」「ガビアル科」という3科。なかでも「クロコダイル」は有名ですから、聞いたことがある方も多いのでは!?

会場には、そんな3つのカテゴリーの見分けポイントを頭骨標本を使って解説するコーナーも。口の長さ、歯の位置関係等にご注目あれ。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本 イラスト

会場中盤には、ワニの巨大さが分かる展示も。ワニは長さ、重さともに、爬虫類のなかで最大ですが、なかでも最大種とされるのが「イリエワニ」。

会場には、画家の小田隆さんによる、5m超えの実物大の「イリエワニ」の油彩画も展示。その大きさを体感できるようになっています。

国立科学博物館 企画展 ワニ 頭骨標本

この「イリエワニ」の頭骨は、戦前のもので、全長は5mくらいと予想されているそう。ケース内になぜか鏡が設置されていますが、これにはある理由が。ぜひ会場でお確かめください!

ちなみに、過去最大の「イリエワニ」の記録は、2011年にフィリピンで捕獲されたもので、全長617㎝×体重1075㎏もあったそう!

余談ですが、企画展のメインビジュアル(ポスター等)で使われている怖そうなワニは、なにを隠そう、このイリエワニなんです。

さらに会場には、ワニの体の特徴を解説する興味深い展示もあり……

国立科学博物館 企画展 ワニ 骨格の一部

左/腹肋骨、右/鱗板骨

ワニには「腹肋骨ふくろっこつ」と呼ばれる、お腹を守るための棒状の細い骨がお腹の皮の下に、肋骨とは別にあるといい、これは絶滅した恐竜にもいえる特徴なんだそう。さらにワニといえば背中にウロコがありますが、そのなかには「鱗板骨りんばんこつ」と呼ばれる骨があり、骨の内部を通る血液で体温調整を行っているんだとか。

国立科学博物館 企画展 ワニ 心臓

なんと、心臓の駅心標本も!

ワニの心臓は2心房2心室タイプ。哺乳類や鳥類に近い構造ですが、今回の企画展では、ワニの驚異的な潜水能力の秘密を図解付きで解説するほか、水の中でも溺れない理由も紹介されています。

国立科学博物館 企画展 ワニ 卵

ワニの卵は、鳥と同じく、炭酸カルシウムの硬い殻に覆われています。

見過ごされるケースが多い、“ワニの子育てや縄張り”にも注目。ワニは子育てをする爬虫類としても知られているそうで、会場には貴重な映像も。「きゅっきゅっ」と小さな声で鳴き、親の注意を引こうとする様も必見。

知れば知るほど、「そうなんだぁ」となる情報ばかりです!

ワニと人の関係性

神秘的な存在として古くから敬われ、信仰の対象とされたワニは、人間との関係も深い存在であることを改めて紹介するコーナーも。

例えば古代エジプトでは豊穣の神「セベク神」の頭はワニであり、日本の「古事記」にもワニが登場。東ティモールでは島そのものがワニの化身とされるなど、伝説のなかにも登場。

国立科学博物館 企画展 ワニ 古文書絵巻

展示している巻物は長いため、会期中3回、表示する箇所を変更する予定。

日本の巻物にもワニの記録が残されており、写真の「龍絵巻物」もその1つ。違う史料では、ワニを捕らえ食した感想なども紹介されています。

国立科学博物館 企画展 ワニ 会場風景

さらに、現代人にもとってもワニは馴染み深い生き物。高い耐久性に優れるワニ皮を使った商品や、ブランドロゴのキャラクターとして登場したりと、ワニと人間の距離は結構近かったりするんですよね。

最終章では、絶滅の危機に瀕しているワニの紹介を含め、保全や共存、管理といったテーマをパネルや映像で紹介していますので、そちらもお見逃しなく!

触れる体験展示も!

『企画展 ワニ』は基本的に鑑賞展示が主ですが、1箇所だけ、展示標本に実際に触ることができるコーナーも。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本

会場には、液浸標本で保存された「ブラジルカイマン」が用意されており、展示ケースにあいた穴から、自由にワニの背中を触ることができます! *体験はビニール越しで実施。

国立科学博物館 企画展 ワニ 標本に触わる

なんとなく硬そう……とは思っていても、実際どんな感じなのか!? ぜひ会場で体験あれ。

レポートまとめ♪

国立科学博物館 企画展 ワニ サムネール

・ワニの多様性や生態を知る必見の企画展
・数多くの多彩な標本展示で展開
・誰かに教えたくなるワニネタが入手可能!

いかがでしょう!? 身近なようで身近でなく、知っているようで知らない“ワニ”について、改めて考える貴重な機会となりそうなこの企画展。親子で来館すると、会話も弾みそう! 高校生以下、無料です!

同時開催中の特別展

同じ国立科学博物館では、特別展として『大絶滅展』が絶賛開催中(別料金)。あわせて覗いては!?

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山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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