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『古代エジプト展 美しき棺のメッセージ』 東京上陸! 立体展示、CTスキャンも気になる話題の展示会へ行こう♪
エジプト好き、考古学好きの方、朗報ですヨ! 全国をキャラバンしている注目のエジプト展『古代エジプト展 美しき棺のメッセージ』がいよいよ東京・渋谷で始まりました♪ 4つのキーワードをベースに、1つの流れで古代エジプトを紹介する展示会で、展示品はすべてオランダにある有名な「ライデン国立古代博物館」からお借りした物。すでにご覧になった方もいるかと思いますが、会場の様子や見所を、イッキに駆け足でリポートします!
*掲載内容は2021年4月15日時点での情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。
SPOT DATA
ライデン国立古代博物館所蔵
古代エジプト展 美しき棺のメッセージ
開催場所Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
最寄り駅JRほか「渋谷駅」ハチ公口から徒歩11分(編集部実測)
入館料【一般】1800円 【大学・高校生】1100円、【中学・小学生】800円 【未就学児】無料
開館時間10:00~18:00(最終入場17:30) *毎週金&土曜は21:00まで(入館20:30まで) *適時変更の可能性あり・最新情報は公式サイトで確認を
開館期間2021年4月16日(金)〜2021年6月27日(日)
休館日4月27日(火)、5月18日(火)、6月8日(火)
公式サイトhttps://leidenegypt.jp
東京会場専用サイトhttps://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_leidenegypt/
「古代エジプト展」とは!?
エジプト関連のコレクションだけでも約2万5千点も所有するというヨーロッパ屈指の規模を誇り、世界でもっとも古い国立博物館の1つというオランダの「ライデン国立古代博物館」が所蔵するコレクションが200点以上集まる期間限定イベントです! *展示会場の広さの都合もあり東京では200点程度ですが、会場によってはもっと多くの展示があるそう。
60年以上にわたりエジプトで発掘調査を行うなど、考古学通には有名な「ライデン国立古代博物館」は、世界的成果も数多く残しているハイメジャーな存在ですが、今回東京渋谷のBunkamuraに集まる所蔵品は、石碑からパピルスという紙、マスク、像、首飾りなど様々。
なかでも棺とミイラが必見で、棺は一般的な寝かせた状態で展示する物以外に、複数を立て掛けて並べるなど、ユニークな展示法を採用。保存状態が極めていいというミイラでは、今回のイベントにあわせてCTスキャンを実施。そこで判った成果も会場で紹介されています。
ちなみに今回のイベントは日本全国をまわる巡回イベント。2020年4月から2022年2月まで、全国8会場をキャラバンする予定でしたが、コロナウイルスの影響から「福岡」「札幌」開催は中止となり、3会場目となる「愛知」からスタート(2020年9月)。今回の「東京」で実質3会場目。
このあと
●「仙台」(2021年7月9日〜9月5日)
●「山口」(2021年9月18日~ 11月7日)
●「兵庫」(2021年11月20日~2022年2月27日)
を巡る予定となっています。
【↑】一部に限られますが、展示品によっては周囲をぐるっとまわり、遺物を全方位から確認できる場合も。意外に見過ごされる背面側などにも注目すると良いかもです!
【↑】最大で2m強、最少で数センチと、展示物は大小様々。大半がケース内の収納ですが、ムキ出し展示も一部あり、驚くほど近くに寄ってみることができるものも。
【↑】会場はコンパクトですが見るべきポイントが多い印象。会場内の行き来は自由とのことですので、混んでいる場所は後まわしにして、空いている場所からじっくり鑑賞を。
【↑】音声ガイドの貸し出しは600円。オフィシャルナビゲーターである俳優の西島秀俊さんが担当されています。音声ガイドの担当は今回が初とのことです♪
それでは見所をご案内♪
展覧会は大きく4エリアで構成されており、
「探検」・・・初期のエジプト探検の紹介と、現在博物館が実施中の調査の様子をクローズアップ
「発見」・・・30を越える王朝の遺物から当時の世界観や技術の発展を探る
「解読」・・・古代エジプト人のお墓から出土した副葬品から古代文明を深掘り
「スキャン」・・・CTスキャンを使ったミイラの最新解析の研究成果を紹介。
といった流れ。会場はそれほど広くはなく、目安鑑賞時間は1時間半〜2時間くらいと思います。
ほんの一部紹介! 【どんな展示物が!?】
このコーナーでは来館した際の探す楽しみにも配慮して、エリア順ではなくランダムにご紹介します!
【ツタンカーメン王の倚像】
1928年にオランダ王妃立ち会いのもと、ライデン国立古代博物館へ寄贈された彫像。背面にあるカルトゥーシュと呼ばれる古代エジプト文字からそれがツタンカーメン王の物と判るそう。ぜひ背面もご確認あれ。
【サッカラの将軍ホルエムヘブの墓から出土したレリーフ】
ホルエムヘブという将軍が、名誉の印とされた”金”の勲章を与えられる場面が描かれたもので、1975年にライデン国立古代博物館などの調査で発掘されたそう。展示品はレプリカ。
【金彩のミイラマスク】
金箔が貼られたマスクは、死者が来世でも輝かしい生活が送れるようミイラの上に置いたそう。
【木棺用の象徴の眼】
枠が青銅、黒目と白目が石材でできた、木棺にはめこまれていたとされる眼。
【アメンヘテブ・フイのピラミディオン】
王の執事などを務めたという高官のアメンヘテプ・フイの墓に置かれた、小型ピラミッド状の蓋石(=ピラミディオン)。中央に掘られた彫刻は、太陽に向かって手を挙げ礼拝するアメンヘテプ・フイ本人。
【葬祭用(カノポス用)箱】
ミイラを作る際に取り出した胃や腸などの各種臓器を、亜麻布にくるんで収納した専用箱。蓋にはハヤブサも。
【ネスナクトの『死者の書』】
最後の審判を下すための、心臓の計量シーンが描かれたパピルス。中央やや左にある台の上に鎮座する動物(アメミト)は、ライオン+カバ+ワニが融合した幻獣で、重い心臓を食べるそう。
【セベクテンの石碑】
神と庶民をつなぐ仲介者である王から与えられた供え物を受け取るシーンが描かれた石碑。「王(が与える)供養」という文字が刻まれているそう。高さ80×横45センチと、(棺やミイラを除けば)今回の展示物では比較的大きな遺物。
最大の見所は棺の“立体”展示
古代エジプトも時代とともに墓自体の捕らえ方も変わり、前1000年ごろは簡素になっていたそう。その反面で棺自体は豪華さ増し、様々な棺が登場していったそう。
会場では「第3中間期」と呼ばれる時代から「後期王朝時代」までの棺を、”立て掛けて”た状態で立体展示。
棺を立て掛ける展示法自体は珍しいことではありませんが、注目すべきはその数。
なんと12もの棺が、空間を取り囲む様に半円状にどーんと展示されているんです! コレ、かなり壮観。思わず“おおお〜っ”となるはず。
しかもそのうちのラスト2体(左端/『ハイトエムハトの棺』)は、今回の「東京」会場で初お披露目とのこと。終了した「愛知」や「静岡」会場にはなかったそうです。
棺の配置は、導線に沿うように(正面向かって)右→左へと時代ごとの配置に。棺の一番外側に位置する「外棺」や、外棺を開けた先にある「内棺」など、合計12体をショーケース越しに間近で確認できます。
勘がいい方は気が付いたかと思いますが、棺の色が違うこと判りますか!?
写真は左から古い順となり、太陽光「黄色」→肥沃な大地「黒色」→パピルス・碑「黄土色」→ミイラの亜麻布(リネン)「クリーム色」と変遷していきます。
さらによく見ると装飾にも違いあがあり、立体的だった腕や手がなくなり、(写真では切れていますが)後年になると足先に台座が付いたりと変化。
表面の柄も初期は絵が多いものの、文字も増えるなど、違いがいろいろ見て取れますので、ぜひじっくり鑑賞あれ。
ほんの一部紹介2! 【まだまだあります!】
【胸飾り】
古代エジプトで神聖なものとして位置づけられた心臓スカラベ(フンコロガシ)を、左右から女神が拝むような飾り。背面上部(会場では見えません)に、固定用の穴があることから、ミイラの包帯に取り付けられていたと考えられるそう。
【パセルの神話パピルス】
古代エジプトの書といえるパピルス関連の展示も多数。パピルスだけで鳴く筆記具であるパレットや葦という植物製のペンといった珍しい展示。
【葬祭コーン】
墓の外壁に埋め込まれたという三角柱のスタンプの様な形状をしており、刻印部を見ればその墓の主が判るようになっていたそう。形は古代エジプトのパンから派生しているらしく、お供え物の象徴とする意味もあったよう。粘土製。
【名前不詳の供養碑】
色彩豊かな石碑に描かれた人物や文字は、その大きさなどが、古王国時代とは表現の仕方が明らかに違うそう。
【亜麻布でできた護符】
毎年最後の5日間に世界が混乱するという迷信から身を守ってくれるとされた護符。神々が描かれている。
【木棺のマスク断片】
表面に色彩が施されていないものの、凛々しさと威厳を感じさせる木製削り出しマスク。マスク上部のつなぎ目先の部分は行方不明とのこと。
【メリトアテンのシャブティ】(左)
【ネスバネフェルヘルのシャブティ】(右)
お墓の副葬品であり死後の世界で死者に使える召使いとされるシャブティ像。展示品は集合墓で発見されたもの。ファイアンスという陶器製。
【船の模型】
様々な日常品も墓に収められたそうで、船の模型は死後の世界での移動手段を表すそう。中央右付近の甲板に横たわっているのはミイラとか。
【心臓スカラベ】
ミイラを作る際に残された心臓が、最後の審判を行う際に死者を裏切ることがないよう、呪文を刻んだスカラベ(フンコロガシ)型の置物。展示は呪文が書かれた裏面のみ。
【カルトナージュ製の足覆い】
ミイラを別々のパーツで覆う手法が流行した時代の、足カバー。死者の足がサンダルを履いた状態で再現。会場では鏡を使って、裏面を確認できます。
ミイラを、CTスキャンで解剖!
会場には人型5体や動物のミイラが複数体展示されていますが、そのうち人型は、今回のイベントにあわせ、オランダ・アムステルダムにあるメディカルセンターでCTスキャンがかけられました。
ライデン国立古代博物館は、“ミイラの解剖はミイラを傷付ける(破壊する)”との考えから、亜麻布を解かず、解剖せずそのままの状態で保存を心がけるなど、コンディションのいいミイラを多数所蔵しているそう。
今回はそんな保存状態の未解剖ミイラをCTスキャン。先端技術で見えてきたミイラの内部がどんな模様か!? 会場で確認できるんです。
動物型ミイラも
神々は動物に姿を変えると信じられていた古代エジプトでは、動物のミイラも多く製作され、奉納されていたそう。会場ではまさにその形といえる、「猫」「ワニ」「ハヤブサ」といった、判りやすい動物のミイラの展示もあります。
豆知識
【館内での撮影は!?】
写真・動画、ともに完全NG。十分ご注意ください。
【物販は!?】
エリアラストにある物販コーナーは商品がかなり充実中。おおよそ400種類以上取り揃えているとのことで、今回の「東京」会場から追加されたグッズも。ちなみに展示会図録など、ごく一部は通販でも買えるとのことですが、大半のグッズは入館者のみ購入可能です(支払いは現金・カード・交通系IC・電子マネーOKですが、●●payは使えません)。
【内容は難しい!? 】
会場内の解説ボードはごく一部。ボードがあっても大半は遺物名などの簡単なスペックのみ。ボードには専門用語が多く、判ったようで判らない気分となりそう。
エジプトに詳しい方や歴史が好きな方は問題ないかと思いますが、あまり詳しくない場合は迷わず音声ガイド(600円)をレンタルされるか、もしくはオリジナル「図録」(2400円)の購入がオススメ。
とくに「図録」は会場内では説明されない展示遺物それぞれの解説が個別にあるほか、頭が混乱しかねない古代エジプト史年表がわかりやすく掲載されているほか、エジプトの神々の解説やミイラ製作の図解なども知ることができます。
「東京」会場に展示されていない遺物もすべて掲載されていますので、じっくり浸るには最適です!
【飲食は!?】
飲食物持ち込みNG。トイレも館外ですので、先に済ませたほうが絶対無難です。
今回のレポートのまとめ
●棺の立体展示は必見!
●ミイラの内部をスキャン画像で見れる
●会場は比較的コンパクト
●物販充実度がスゴイ
●理解を深まる「図録」がオススメ!
いかがでしょう!? 渋谷で開催とアクセスも良く、1時間半〜2時間程度で回れるコンパクトさも魅力。これまで忙しくエジプト系の展示会に行けなかった方も、これを機会に足をのばしてみてはいかがでしょう!? エジプト展系に多いグロテスクなミイラが苦手・・・という方も大丈夫。今展示会には、グロテスク系は一切ありません♪
今回ご紹介した記事は
いかがでしたか?
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