2024.12.04

特集記事

文・写真: 山さん
2021.01.21

『旧白洲邸 武相荘』 ノスタルジックな雰囲気に浸れる、町田市の有名な古民家ミュージアムへ!

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎

古民家カフェは1つの文化として定着していますが、町田市にある『武相荘』もその1つ。そもそもここは、カフェうんぬん以前に、あの白洲次郎さんが60年余りすごされた邸宅がある場所。現在それが、ミュージアムとして公開されているんです。都心の喧騒を忘れつつ、貴重な品々をおがめ、カフェ&レストランでゆったりできる、ノスタルジックなスポットへブラッと足を運んでみました♪

*掲載内容は2021年1月上旬時点での情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。

 

 

 

武相荘・白州次郎

 

 

SPOT DATA

旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)

お一人様歓迎
撮影OK(ミュージアム内NG)
カフェレストランあり
無料スポットあり

場所東京都町田市能ヶ谷7-3-2
最寄り駅小田急線「鶴川駅」北口から徒歩15分
入館料1100円(無料エリアあり)
開園時間10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日月曜日(最新予定はコチラ https://buaiso.com/ki/info/calendar
公式サイトhttps://buaiso.com

 

武相荘・白州次郎

 

 

 

「旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)」とは!?

総理大臣を2度務め、第二次大戦後の混乱国難期にあった日本の、戦後復興の礎を築いた吉田茂さんのブレーンとしてGHQとの折衝にあたり、日本国憲法の制定に深く関わっただけでなく、のちに東北電力の会長など、いくつもの会社経営に携わった実業家として知られる白洲次郎(しらすじろう)さん。
 
「武相荘」は、1942年(昭和17年)に明治初期に建てられた農家を買い取り移住した邸宅。現在、その一部がミュージアムやカフェ・レストランして一般公開されています(開館は2001年10月/町田市指定史跡)。
 
武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎
 
ミュージアムとその奥にある、周回状の散策路が有料エリアとなっており、次郎さんと(著名な随筆家・美術評論家である)正子夫人が実際に暮らされた、かやぶき屋根の本邸内部(一部)が公開中。
 
実際にお使いになられた日用品や愛用品のほか、歴史的価値も極めて高そうな、思わず「えっ!?」 と目を疑いたくなるような貴重な資料などを間近で鑑賞できます!
 
エリア内には柿の木や紅梅、椿、もみじなど、様々な樹木も植えられているなど、訪れる時期ごとに違った表情が楽しめそう。

 

武相荘・白州次郎
 
展示内容は春・夏・秋・冬のシーズンごとに一部入れ替えるとのことですが、そもそもミュージアム一帯が様々な樹木で囲まれた自然豊かな場所となっているなど、様々な表情を四季ごとに楽しめるはず。
 
カフェ・レストランエリアは(飲食代を除き)入館は無料。年々失われつつある、古民家の雰囲気や自然を味わいつつ、カフェやレストランでちょっと休憩されるなんて優雅なオフを過ごせるスポットです。
 
ちなみに「武相荘」とうネーミングは、所在地である町田の鶴川が「武蔵」と「相模」の境にあることや、ヒトヒネリ加えたいという思いから「無愛想」をかけて命名されたそう。ちなみに「武相荘」の文字は、第2次近衛内閣の司法大臣を務めた、政治家の風見章さんによるものとのこと(原本はミュージアム内で額装展示中)。

 

 

最寄り駅からのアクセスは!?

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎
 
最寄り駅、小田急線「鶴川駅」北口の改札を出てすぐ右のアーケード(1)を抜けた先にあるロータリーを左折して世田谷通りを右折(2)、直進後、鶴川街道を左折(3)。あとは直進すると案内の看板(4)が。
 
クルマの場合は途中左折して大回りして駐車場へ(5/6)。徒歩の場合はさらに直進し、ユニクロ直後(A)を左折して坂道を登れば「武相荘」。
 
途中坂道もありますが、サクサクと歩いて15,6分。余裕見て20分くらいです。
 
 
今回は駐車場側から覗いてみました♪

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎
鶴川街道から駐車場までの住宅街の道は比較的広めで、クルマでのアクセスもかなりしやすいはず。駐車場はゆったり16台分も! 駐車場の脇から竹林を経由してミュージアムへアクセスできるんです。
 
武相荘・白州次郎
清涼感もある竹林の小径は、僅か10数秒程度ですが、都会の喧騒を忘れさせるに充分。脇には小径を照らすスポットライトのようなものが地面に埋め込まれていましたので、暗くなっても安心そう♪
 
武相荘・白州次郎
小径を進むと見える建物は、チケット売り場やミュージアムショップが入る建物です。*今回訪れた際にはチケット売り場はミュージアム内での臨時受け付けとなっており、ミュージアムショップは臨時休業中でした。

 

武相荘・白州次郎
その白い建物の脇にある階段を上がって入り口へ向かいますが、その際見える納屋のような小屋が、エントランス部にある「カフェ」です。

 

 

 

見所をご案内! 【無料エリア】

無料エリア(レストラン等での飲食代除く)は、屋内外も撮影OKとのこと。屋内を撮影される際には、スタッフさんに一声お掛けあれ。

 

SPOT.1 オープン・カフェ

武相荘・白州次郎

写真から見て、正面の瓦門がミュージムやレストランがあるエリアの入り口。エントランスにあるカフェは、向かって左側のオープンテラスのようになっている場所がそれです。
 
そこは元々、次郎さんのガレージだったそう。

 
武相荘・白州次郎

今回訪れた日は、1月という寒さもあってか、カフェの営業はしていないようでしたが、奥にアルカウンターで注文したものを椅子に座ってゆったり味わうことができる模様。ガラスから差し込む日光がなんとも心地いいんです。
 
中央に「囲炉裏(いろり)」があり、実際に墨がくべられ火が焚てあったりも。失われつつある、日本家屋らしい風情が味わえます♪

 

こんなクラシックカーも

白洲次郎さんはクルマ好きで、晩年までポルシェを自ら運転して楽しんでおられたとか。エントランスカフェには、次郎さんが17歳のときに、事業で大成功された実父から買い与えられ学生服のまま乗り回していた(!)という、アメリカ製のペイジ・フリーウッド(1916年製)の実車が展示。
 
展示車は実際に次郎さんが所有したものではなく、2008年にNHKで放送されたドラマのために英国から輸入したものとのこと。車輪など、一部の装備は違うそうですが、堂々とし佇まいを見ているだけでも、当時の華やかな暮らしが脳裏に浮かぶというもの。

武相荘・白州次郎
水冷直列6気筒3.7L・38馬力。全長3960㎜×全幅1690㎜×全高1830㎜。全長や全幅はホンダのフィットくらいですが、背が高いこともあってか、実車を見ると「デカイ!」という印象。結構圧倒されます。

武相荘・白州次郎

 

こんなものも・・・。

武相荘・白州次郎

エントランスの門の脇には、小洒落た郵便&新聞受けが。う〜ん、なんとも味わい深い。臼を使って次郎さんが製作し、文字は正子夫人が書かれたそう。訪れる方みなさん、写真を撮られていました。
 
 

 

SPOT/2【レストラン】

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎

瓦門を過ぎ右手にある、白い建物が誰でも気軽に利用できるレストラン&カフェ。開放的な建物内は、生前次郎さんの工作工房として使われていたそう。
 
武相荘・白州次郎
お昼どきだったため、今回はレストランで優雅なランチ体験も。

次郎さんゆかりのカレーのほか、親子どんなどのメニュー、スイーツやドリンク、アルコールが楽しめます。
 
武相荘・白州次郎

今回注文したのは「チキンカレー」(1300円)。なんでも次郎さんは野菜嫌いだったそうですが、野菜にカレーを掛けると嫌な野菜も食べられたそう。
 
スタッフさんは色々なエピソードをご存じ。気になることがあれば、お話を伺ってみるのもいいかもです♪
 
あ、気になる味ですが、とてもオイシイです。カレーはもちろん、豚汁のような野菜スープも濃厚な味で、美味でした♪
 
器やトレーが銀食器(!?)というのも、雰囲気があっていいんです。
 
武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎

このレストラン&カフェ内は、奥側にも座席があり、それがこちら。さきほどの空間とは変わり、シックな雰囲気のなか、ちょっとリッチな気分で食事を楽しめます♪
 
トイレはこの部屋の奥にありました。

 
 

SPOT/3【バー&ギャラリー”Play Fast”】

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎

レストラン&カフェの手前に建物「Play Fast」は、1F部分が農耕具や大工道具などを保管する吹きぬけの納屋となっており、その2Fにはモダンでシックなバーカウンターがある小部屋として無料公開中。
 
部屋には次郎さんが実際にお使いになられた双眼鏡などの想い出の品々のほか、あのダグラス・マッカーサーに贈った(!)という椅子のレプリカが。必見です!
 
武相荘

 
 
 

SPOT/4【ミュージアムショップ】

武相荘・白州次郎

ご覧の白い建物はオープンカフェ前にあり、チケット売り場兼ミュージアムショップに。今回訪れた際にはショップはお休み中でした(残念)。
 
公式サイトから通販(https://buaiso.com/ki/shop/)も行っていますので、そちらもぜひご確認あれ。

 

 

 

見所をご案内! 【有料エリア】

白洲ご夫妻が実際にお住まいになられた母屋や、その奥に続く散策路は有料です。
 
撮影は屋外部分はOKとのことですが、屋内側がすべてNG。ご注意ください。

 

SPOT/1【ミュージアム】

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎
 
味わい深い、かや葺き屋根のこの日本家屋の内部がミュージアムに。ミュージアムへと続く道や庭は、ミュージアム開館にあわせ、石が敷き詰めるなど、一部整備し現在の景観となったそう。
 
ちなみに武相荘のアイコンとなっている自慢のかや葺きは、2007年に葺き替えしており、その様子が公式サイト(https://buaiso.com/kayabuki/)で詳細にリポートされています。ぜひご覧あれ。かなり興味深い内容です。

 

内部は(邸宅のため)もちろん土禁。入り口で靴を脱いでの鑑賞。邸宅内には、次郎さん愛用のデュポンのライターやロレックスの腕時計など品々のほか、正子夫人の着物や骨董も含め、ご夫妻の想い出の品々が多数展示されているほか、奥に夫人の書斎も当時のまま保存されいます。
 
次郎さんの有名な遺言「葬式無用、戒名不要」の直筆の書も鑑賞できます。

 

驚くべきは、新憲法の草案作りに携わった際の貴重な資料のほか、サンフランシスコ講和条約の受諾演説の原稿を元々英語だったものを大幅に修正し、日本語に直させ、海外メディアに「トイレットペーパー」と揶揄された、長く太い巻紙原稿のレプリカ展示があること。これは必見です!

 

武相荘・白州次郎
 
屋根の棟には、(来場者が見やすい瓦門側に面した)表側に「寿」が。逆側には「水」の文字が入っているそう。

 

 

SPOT/2【散策路】

武相荘・白州次郎

ミュージアム奥には、ご夫妻のあるエピーソードからその名が付いたという「鈴鹿峠」と呼ばれる、周回状の散策路が。緩やかにアップダウンする丘のような小径をグルッと周回できるようになっています。
 
竹林から差し込む日がなんとも心地いいんです♪

 

武相荘・白州次郎

散策路からは先に紹介した専用駐車場も見下ろせます。周囲は一般の住宅街となっています。

 

 

コレもお見逃しなく!

「鈴鹿峠」の入り口脇にある竹林内には、ぽつんと三重の塔が建っているんですが、じつはこの中には、次郎さんの遺髪が入っているんだそう!
 
次郎さんは1985年11月に亡くなられましたが、ご遺骨が眠るお墓は、出身地・兵庫県にある菩提寺「心月院」にあるそう(正子夫人のお墓もその隣に)。遠方のため、頻繁にお墓参りできないことから、そのような処置がとられたそう。

武相荘・白州次郎

 

 


 
 

エリア内にはこんなモノも

武相荘・白州次郎
武相荘には、絵になるノスタルジックなモノも多数。思わず写真に残したくなる品々がいろいろありますヨ。

 

 

 

豆知識

【鑑賞時間は!?】

有料ミュージアム内で約3、40分。

散策路やオープンカフェなどを眺めたり、途中レストランで休憩したりで、2時間〜2時間半程度あれば、ゆったりできるはず。

 

【トイレは!?】

レストラン&カフェ建物内奥にあります。

 

【飲食・ペット同伴、撮影は!?】

飲食物の持ち込みやペット同伴はNG。ミュージアム内もすべて撮影禁止です。

 

 

 

今回のレポートのまとめ

<武相荘・白州次郎

●ノスタルジックな気分に浸れる貴重な場所
●貴重な資料や遺品を鑑賞可能
●レストラン&カフェだけの利用も可能

 

いかがでしょう!? 様々な媒体で取り上げられるなど、町田市を代表する観光スポットとなっている「武相荘」。白洲ご夫妻に興味のある方はもちろん、古民家ファン、都会の喧騒を忘れたい方など、ぜひ1度足を運んでみては!? 風情ある建物はもちろん、自然に囲まれた空気感がとても居心地がいいんです。きっとアナタもゆったりできるはず♪ 繰り返し訪れたくなる場所ですよ。

 

 

すぐ近くにはこんな場所も

武相荘・白州次郎武相荘・白州次郎

「武相荘」の正門を出た先にある鶴川街道を、調布方面へ登ってすぐの場所には、高台から周囲を見渡せる広場「能ケ谷きつねくぼ緑地」も。
 
ベンチがあるだけと、特別な遊具等は一切ない広場ですが、ゆったり休憩するには丁度いいかもです。あわせて立ち寄ってみては!?

 
 

 

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