2024.04.29

特集記事

文・写真: 山さん
2023.03.02

終了しました

『ルーヴル美術館展 愛を描く』多種多様な“愛”の表現をひもとく、西洋絵画の珠玉73点が一堂に。【2023.6.12まで】

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

1度は訪れたい世界最大級規模の美術館「ルーヴル美術館」が所蔵する作品から、“愛”をテーマにした絵画作品だけを厳選してお届けする企画展が国立新美術館で開幕しました。カタチがなく、形容が難しいテーマを、先人たちはどう描いたのか!? 会場の様子をリポートです!

*掲載内容は2023年2月28日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

イベント概要

ルーヴル美術館展 愛を描く

日時指定予約制
京都開催あり
グッズ販売あり
撮影OK(写真のみ/ごく一部のみ)

開催地国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
開催日2023年3月1日(水)~6月12日(月) 
入館料【一般】2100円、【大学】1400円、【高校生】1000円 *中学生以下は入場無料 *2023年3月18日(土)~3月31日(金)は高校生無料観覧日(学生証の提示必須)
開館時間10:00~18:00 *毎週金・土曜日は20:00まで *入場は閉館の30分前まで
休催日毎週火曜 *3月21日(火・祝)・5月2日(火)は開館、3月22日(水)は休館
主催国立新美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ、ニッポン放送
アクセス千代田線「乃木坂駅」6出口と直結、日比谷線「六本木駅」4a出口から徒歩5分
展覧会ホームページhttps://www.ntv.co.jp/love_louvre/


『ルーヴル美術館展 愛を描く』とは!?

所蔵美術品が48万点を超える世界最大規模の美術館であり、世界中から美術ファン訪れる『ルーヴル美術館』。フランス・パリの名所の1つとなっているその巨大美術館が所蔵する西洋絵画の中から、“愛”を表現した絵画作品だけを厳選紹介する展覧会です!

美術ファンならご存じかと思いますが、「国立新美術館」でルーブル美術館の展覧会が開催されるのは今回が初ではなく、過去3回が行われています。2018年〜2019年にかけて行われた前回の展覧会*では、東京と大阪の2会場だけで約70万人が訪れるなど、大きな話題となりました。

*「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー人は人をどう表現してきたか」

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

ルーヴルのLOUVREのうちLOVEだけを抽出と、ちょっとした遊び心を感じさせる演出も♪ 肩肘張らず、ラフにお楽しみあれ。

そして開幕した、通算4回目となる今回の「ルーヴル美術館展 愛を描く」では、明確なカタチや答えがなく、表現がムズカシく、とてもあいまいな“愛”をフォーカス。ルーヴル美術館の総裁・館長であるローランス・デ・カールさんによれば、“愛”はあらゆる時代の芸術に見て取れるテーマなんだとか。いろいろな時代にマッチしてきた、まさに普遍的なテーマなんです。

今回の展示会は、ルーヴル美術館が所蔵する膨大なコレクションのなかから、16世紀から19世紀半ば頃までに、西洋絵画を代表する当代の主要画家により描かれた作品を集中展示。古代ギリシアや古代ローマの神話・風俗画ですでに描かれていた“愛”は、キリスト教の中心的対象としても象徴的に描かれるなど、表現にはそれぞれに違いがあるんです。

今回紹介される作品には、神話・宗教画だけに縛られることなく、恋人たちの愛があれば親子の愛もあり、さらに官能的な愛や悲劇的な愛もありと、バラエティに富んでいます。美術に疎い方でも比較的わかりやすい”愛”の表現があれば、なかには「これも愛の作品!?・・・」と、素人目には分からない、解釈が難しい作品があったりも。

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

会場展示は、別名である“キューピッド”という名で広く知られる愛の神様「アモル」を描いた、フランソワ・ブーシェの作品《アモルの標的/1758年》を導入部として全4章で構成。第1章は古代神話、第2章はキリスト教、第3章は人間のもとでの愛の作品を紹介し、ラストの第4章では「19世紀のフランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」というくくりで愛の作品を紹介。

“愛”は印象として、ポジティブで明るいものとしてとらえやすいかもしれませんが、今回はそんな前向きな愛だけでなく、ときに残酷な悲劇的な“愛”の作品も複数ありますので、時間の許す限りじっくりご覧あれ。

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

間近でじっくり凝視するもヨシ、遠目から離れて眺めるもヨシ。会場はかなりゆったりとした展示となっています。

ちなみに“愛”を描いた作品の中には、「アモル(キューピッド)」が効果的に描かれるケースが多いとのことですが、今回の展示会でもいろいろな作品の中で「アモル」と出会えます。「アモル」探しを楽しみながらの鑑賞もオススメです♪

余談ですが、キューピッドといえば、小さい・翼が生えたている・弓矢を持っている・幼児というイメージが強いかと思いますが、それも作品によりけり。つねにそうとは限りません。どんな姿で描かれているのかにも注目すると面白いかもです。

気になる作品は!?

今回の展覧会で紹介される作品は全部で73点。登場画家は、フランソワ・ブーシェ、フランソワ・ジェラール、ウジェーヌ・ドラクロワ、ジャン=オノレ・フラゴナール、アリ・シェフェール・・・など、時代を彩った芸術家がズラリ。

今回のリポートでは、監修者による解説が行われた作品をいくつかピックアップしてご紹介します!

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃・油彩/カンヴァス

まずコチラ。18世紀フランスでは、神話や宗教画だけでなく、日常生活も絵画のテーマとして描かれるようになった時代で、性的快楽を肯定的にみる風潮も広まった時代なんだそう。《かんぬき》は、監修者いわく「時代のモラルが劇的に変わった時代に描かれた」という名画です。

男女が踊っているようにも、女性がうっとりしてるようにも、はたまた抵抗しているようにも見えますが、作品内には男性器を暗示させる「かんぬき」、女性器や処女喪失を連想させる「バラ」や「花瓶」が描かれるなど、セクシャルな要素を取り入れつつ、ふとテーブルに目をやるとリンゴがぽつり・・・。

リンゴは人類史上初の女性とされる「エバ」の誘惑ともいえ、男性の誘惑に身を委ねたことに対する警鐘を意味するという見方もあるという、なんとでも解釈できる“あいまいさ”こそが見所とのこと。

《かんぬき》の来日は、1997年以来26年ぶり。次に日本で楽しめるのは四半世紀後かも!? ちなみにかんぬきとはドアカギのことです。

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》1798年・油彩/カンヴァス

次にご紹介するのは《アモルとプシュケ》。フランス国王・シャルル10世のお抱え画家でもあったジェラールは、肖像画が得意としても知られていますが、神話を元にしたこの作品では、愛の神「アモル」と王女「プシュケ」の恋の様子がロマンチックに描かれています。

目が見えていない(!?)ようなおぼろげなプシュケの視線と、思春期を連想させる(まるで陶器を見るかのような滑らかな)身体の表現に、愛をはじめて意識した無垢な少女像が見えるといい、頭上に飛ぶ蝶が、神(アモル)の愛にふれた人間(プシュケ)の魂が、試練を経て幸せを知るという暗示となっているそう。

「プシュケ」とはギリシア語で「蝶・魂」を意味する言葉。それを知って見ると見ないでは、印象もまた違ってくるはずです。

プシュケが身につけている、半透明な衣の表現法の匠さも見所とのこと。

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

クロード=マリー・デュビュッフ《アポロンとキュパリッソス》1821年・油彩/カンヴァス

最後にピックアップするのは《アポロンとキュパリッソス》。19世紀フランスで頻繁に取り上げられたという、ギリシア神話の男の神「アポロン」と美少年「キュパリッソス」の愛の神話を題材にした作品で、自身がかわいがっていた牡鹿を誤って殺してしまったキュパリッソスが、死んだ鹿のうえで嘆き、それをアポロンが優しく支えるというもの。

筋肉の凹凸表現が抑え気味であるなど、両性具有的といえる見方もできるとのことですが、これは当時はやった、思春期の若者を描く理想的な表現法とのこと。

背景に見える、夕暮れ時の微妙な光のコントラストにも注目あれ。

そのほかにもこんな作品が

先にご紹介した3作品以外にも、会場にはいろいろな作品を楽しめます。ここではそれら作品をほんの少しだけ足早にご紹介。個々の作品についてのエピソードも含め、ぜひ会場でお確かめください。

ちなみに展示作品の理解度を深めるには、音声ガイドは欠かせません。単に見るだけでは気がつかなかった見所なども解説してくれますので、ぜひご利用あれ。案内人は女優の満島ひかりさん、解説ナレーターは人気声優の森川智之さんが担当されています! ■650円/1人

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

16世紀後半にヴェネツィアで活躍した画家《アドニスの死》1550-1555年頃・油彩/カンヴァス

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

リオネッロ・スパーダ《放蕩息子の帰宅》1615年頃・油彩/カンヴァス

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

ジャン=ブルーノ・ガッシー《ディアナとエンデュミオン》19世紀第1四半期・油彩/カンヴァス

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

テオドール・シャセリオー《ロミオとジュリエット》1850年頃・エスキース|油彩/カンヴァス

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

ルイ=ジャン=フランソワ・ラグルネ(兄)《デイアネイラを掠奪するケンタウロスのネッソス》1755年・油彩/カンヴァス

写真撮影は!?

今回の展覧会では、一部エリア(第4章)に限り写真撮影が可能です。そこには今回のレポートでも紹介した名画もズラリ。ストロボ・三脚との利用は厳禁です。ご注意を。

ミュージアムショップも♪

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

展示会場の先には、今回の展覧会を記念した各種グッズがいろいろ揃う物販コーナーも。図録はもちろん、「すみっコぐらし」や(日本テレビの)「そらジロー」といった人気キャラクターとコラボした限定グッズも複数販売中です♪

【グッズについては】https://www.ntv.co.jp/love_louvre/goods/

レポートまとめ♪

ルーヴル美術館展 愛を描く  国立新美術館

・ルーブル美術館の所蔵の73点の珠玉の名画が一堂に
・テーマは愛。その奥深い表現手法に注目を
・高校生限定の無料鑑賞デー(3/18〜3/31)あり!
・物販エリアも充実のラインアップ!

いかがでしょう!? 日本にいながらルーブル美術館の所蔵品が見れるなんて。普段、あまり美術鑑賞をしない方でも「ルーブル(美術館展)なら覗いてみようかな・・・」なんてミーハーさでも全然いいんです♪ 作品が伝える愛の表現法はいろいろですが、その解釈に正解はありません。ラフにお楽しみあれ。春休みやゴールデンウィークをまたぐ展覧会ですので、家族やお仲間誘って美術鑑賞をしてはどうでしょう!?

*東京会場のあと京都でも開催されます。場所は「京都市京セラ美術館」。会期は2023年6月27日(火)〜9月24日(日)。

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この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

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