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『特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」』 CTスキャンで丸ハダカ! ミイラが“語る”話題展へ行こう♪
日本人好みのキラーコンテンツ「エジプト」、そして「ミイラ」にフォーカスした展示会が、上野の国立科学博物館(通称・かはく)でスタート! エジプト研究で世界をリードするイギリスの大英博物館が所蔵するミイラを、最新のCTスキャンで深掘りしたその展示会とは!? 掻い摘まみレポートです!
*掲載内容&撮影写真は2021年10月14日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。
EVENT DATA
『特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」』
●開催会場国立科学博物館
●所在地東京都台東区上野公園7–20
●開催期間2021年10月14日(木)〜2022年1月12日(水)
●開催時間9:00~17:00(入場は閉館時刻の30分前まで)
●休館日月曜日、12月28日(火)~1月1日(土・祝)
*12月27日(月)、1月3日(月)・10日(月・祝)は開館
●入館料【一般・大学生】2100円、【小・中・高校生】600円
*未就学児は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名無料
●主催国立科学博物館、大英博物館、朝日新聞社
●最寄り駅JR「上野駅」公園口から徒歩5分
●公式サイトhttps://daiei-miira.exhibit.jp
『大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語』とは
世界屈指の博物館の1つである「大英博物館」が所蔵する、10万点以上とも言われる膨大なエジプト関連遺物・資料のなかから、250あまりの装飾品やミイラがやってくる期間限定展覧会です! 国立科学博物館での大英博物館ミイラ店は約15年ぶりとのことです。
今展は、エジプト研究でも世界をリードする「大英博物館」の研究成果の紹介を貴重な遺物・資料とともに追いつつ、古代エジプト人の生き様や文化を知る展示会ですが、なんといっても必見はミイラ!
同博物館には、完全な物から部分的な物まで含めると約160体あまりのミイラを所蔵しているそうですが、今展ではそのうちの6体が日本に上陸(うち1体は15年前にも1度来日)。ミイラ作りの技術が最高レベルまで達したとされる、前800年〜後100年の約900年間に製作されたミイラを厳選。性別や年齢はもちろん、社会的地位、暮らしていた時代も異なる、六者六様(!?)の個人をフォーカスした展示会となっています。
大きな特徴は、今展ではそれぞれを新たに英国でCTスキャンをかけたこと。ミイラを未開封のまま詳しく調べることができるCTスキャンにかけること自体は、(海外のミイラ研究先進国では)珍しいことではなくなりつつあるとのことですが、注目すべきはその数。
ミイラ1体につき、なんと7000枚もスキャニング。通常ミイラのCTスキャンは4000枚でも多いほうとのことですが、今回はそれよりも3000枚も多いんです。つまりそれだけ得られる情報がより密ということ。ミイラの生前の様子や健康状態、ミイラ化に至るまでの過程を解明と、外側からではわからないミイラの謎多き内面がCTスキャンで紐解かれるというワケです!
ちなみに会場には、過去の「ミイラ展」であった直接的な遺体の展示はありません! ミイラ展は興味あるものの、グロテスクだから・・・と足がひけていた方、ご安心を。棺や包帯で完全に巻かれた状態での展示のみです。CTスキャンの結果は、会場各部にあるモニターで映像確認できます。
【全3点】化粧用具/新王国時代
【写真左】下:装飾された球/前30年以降、上:ヤシの葉の球/前30年以降
【写真右】下:ネズミの形をした玩具/前1550〜1070年頃、上:車輪がついた馬の玩具/前30年以降
今展の特徴の1つが、古代エジプト人の生活感が判る遺物類の展示が多数あること。化粧用具のほかおもちゃなど、当時の暮らしを偲ばせる展示にも大きなウエイトが占められています。
会場は 6区画+αで構成
会場は6体のミイラごとのエリア分けとなっており、棺やミイラを主役に、その人物にまつわる遺物や映像で構成。
会場は比較的ゆったりした作りとなっていますが、開催開始直後はそれなりの混雑は予想されそう。ちなみに導線は1本。一方通行となっており、基本的にエリアを戻るなどはNGとのことです。
嬉しいポイントが、同じ解説ボードが、頭側と足側といったように2箇所に設置されている展示物が一部あること。人が群がると予想されるミイラや棺などでは、ボードの順番待ちも少なくて済みそうです。
音声ガイド(一般・大学生600円/高校生以下550円)ももちろんあり。会場の解説ボードには載っていない小ネタなども聞けますヨぉ。
日本だけの特別コンテンツも! 原寸の発掘中遺跡が!!
今展の大きな見所の1つが、展示ラストに展開される「発掘調査の様子」を紹介するエリア。2019年に日本の調査団が発見した地下集団墓地(カタコンベ)の内部の様子を、な、なんと実寸大の部分模型で再現(!!)しているんです。これは必見デス! 実際見ましたが、凄いリアリティです! これは日本独自の演出です。これまでの展示会では発掘された遺物を展示するのみで、その過程には着目していませんでしたが、今展はそこもフォーカスしているんです。
*このエリアは内覧会でも撮影が一切NGのため写真がありません。
ちびっ子注目の こんなコラボも♪
エジプトやミイラに関わらず、展覧会の多くは大人や学生さん向けとなっており、小学生(とくに低学年)は入館はできても意味が良くわからず・・・なことが珍しくありません。が、今展はそんなちびっ子たちにも親しんでもらいエジプトやミイラにも興味を持ってもらえればと、珍しいコラボを実施。
それが「かいけつゾロリ」。
2022年に35周年を迎える大人気の児童書であり、TVアニメーションでもお馴染みのあの作品と、今展がコラボレーション。会場では原作者である原ゆたかさんによる描き下ろしイラストを使ったグッズ販売もあります♪
館内にはちびっ子向けの解説ボードもあり、QRコードを読み込めば、その場からクイズに参加することも。
会場内にはこんな展示が。
【01】 テーベの役人
アメンイリトレトの内棺/前600年頃
アメンイリトレトのミイラ/前600年頃
第1エリアは、役人であり地域の名士であったとされる男性のミイラ。遺体に巻かれた亜麻布が厚さ12㎝もあったり、100点以上のビーズで作られたビーズネットが胸から足まで覆うなど、保存状態が極めて高いそう。展示されている内棺は3重層のうちのもっとも内側の部分という。エリアにはそのほか大小様々な遺物も。
*テーベとは現在のルクソールのこと
アメンイリトレトのビースネット/前600年頃
ウジャホルのピラミディオン/前664〜525年
ネスアアルウドのカノポス箱/前680〜前600年頃
ジェドバステトイウエフアンクのカノポス壺/前380〜前343年頃
【02】 テーベの神官
ネスペルエンネブウのミイラ/前800年頃
宗教施設であるカルナク神殿の神官。死亡は35〜49歳で、心血管疾患や歯科疾患を患っていたそう。包帯の中に複数の護符や装身具が安置。会場には3Dプリンターによる複製ではあるが、それらの一部を実際にショーケース越しに確認可能です。墓の内部に置かれていたとするレリーフの展示も。
トト神とホルス神による浄化の場面のレリーフ/前664〜前332年
【03】 下エジプトの神官
ペンアメンネブネスウトタウイの内棺/前700年頃
ペンアメンネブネスウトタウイのミイラ/前700年頃
胸部に翼を広げるミイラの守り神とされるヌウトが描かれた内棺とそのミイラ。この頃の時代の古代人は歯が悪い人が多かったようで、この男性も例外にあらず。CTスキャンにより椎骨に病気のあとがあるそう。ミイラの胸にはベクトラルと呼ぶ飾りがあるが、後の時代に生まれた物。別人の物が移されたのではとのこと。
エリアにはシュトラと呼ぶ神や死者への献水につかわれた容器のほか、ビール製造を示す木の模型、ワインの壺、さらには様々な形をしたパン(!)という、生活感を偲ばせる展示が。当時のパンは石などの遺物もかんでおり、歯へのダメージも大きかったようです。
ホルのシュトラ/前350〜前280年頃
色彩されたビール製造の木製模型/前2345〜前2181年頃
ネジェメトのワイン壺/前1550〜前1186年頃
【写真右から】手形が残ったパン・円形のパン・葉の形をしたパン・虫害のあるパン/前1550〜前1069年頃
【04】 テーベの女性
タケネメトのミイラ/前700年頃、タケネメトのビーズネット/前700年頃
ミイラは女性で、死亡年齢は35〜49歳。髪を頭頂部で束ねた、お団子ヘアの状態でミイラ化されたことが判っているそう。ミイラを何層もの布で包んだあと、さらに大きな布でくるみ、染織した包帯で固定。ミイラ上に置かれたビーズネットには数千のビーズが使われているそう。
当時のオシャレ事情が垣間見えるビーズを使った襟飾りや、青銅製の鏡、さらに青銅製のベルなども。
襟飾り/前2040〜前1985年頃
鏡/前1479年〜前1352年頃
ベル/前30〜前395年頃
【05】 ハワラの子供
子どものミイラ/後40〜後55年頃
こちらは3〜5歳児という男の子のミイラ。頭の部分に、容姿を偲ばせる肖像画が描かれているのがポイント。身長は推定で81㎝。同じエリアには、革製の(富の印とされる)サンダルも。ハワラとはエジプト北部にある墓地遺跡のこと。
幼い子どもの襟飾り/前945〜前664年
子どものサンダル/前1550〜前1069年頃
【06】 グレコ・ローマン時代の若い男性
若い男性のミイラ/前100〜後100年頃
ラストのミイラは、ローマ支配時代。展示ミイラは17〜18歳の青年のもの。包帯でグルグル巻きにされた姿も注目に値するが、金箔のマスクもお見逃しなく!
この時代は漆喰のマスクと肖像画が流行したそう。とくに肖像画は当時の一般的な技法である顔料と蜜蝋を混ぜた塗料で描かれているそう。顔料にはインディゴも使われていることが判っているんだとか。
黄金のカルトナージュのミイラマスク/前100〜後100年頃
【左】若い男性のミイラマスク/後100〜後140年頃
【右】女性のミイラマスク/後90〜後100年頃
女性のミイラ肖像画/後190〜後210年頃
真珠装飾のある耳飾り/後100〜後200年頃
会場中唯一の撮影可能スポット!
6エリア後にある直線通路には、エジプトの主要遺跡を解説する全体マップも。ここには有名なロゼッタストーンのレプリカのほか、あの有名なツタンカーメンの黄金マスク(レプリカ)も! ともに撮影OKです!
*撮影可能エリアはこの廊下部分のみです
廊下の先に、どーんと! 2022年はツタンカーメンの黄金マスクが発掘されてからジャスト100年のメモリアルイヤーです!
ネコのミイラも!
メイン会場は6体のミイラなどがある「第1会場」ですが、導線はそのまま「第2会場」につながっています。そこは国立科学博物館が所蔵するエジプトやミイラ関連の遺物・資料展示室となっており、目玉はなんとってもこの「ネコのミイラ」。
ネコのミイラの 匂いがかげます!!
花王の感覚科学研究所の協力のもと、ネコのミイラの匂いを再現! 専用ボックスに手をかざすと、匂いが噴射! ぜひ、ぜひ嗅いでみてください!! *不快な匂いではない(!?)はずです。
ミュージアムショップもあります!
第2会場ラストには、ミュージアムショップも。イベント限定品も含め、取り扱い総数は約300点。展示会入場者しか利用できませんので、ご注意を。時期は未定ですが、通販での展開も予定しているとのことです。
レポートまとめ♪
●6体のミイラがCTスキャンで丸ハダカに!
●生活感が判る250点あまりの大小至宝が会場に
●驚きの実寸発掘調査現場再現コーナーも
●「かいけつゾロリ」とのコラボも!
●関連グッズ販売も大量
いかがでしょう!? 6体のミイラを主役に、その影に埋もれていた古代エジプト人の生活や文化、嗜好が垣間見れるこの貴重なイベント。エジプトやミイラ、考古学に興味のあるちびっ子もぜひ会場へ! 会期も長めの約3ヶ月間。ぜひ足をお運びくだされ。
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