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特別展『国宝 東京国立博物館のすべて』 教科書で見た、アレもコレもがあるんです! 創立150年を迎えた“東博(トーハク)”所蔵の全国宝含む、計150点が揃うメモリアル展覧会!!
2022年で創立150年を迎えた「東京国立博物館」(通称“東博/トーハク”)のメモリアルイヤーを祝うべく、所蔵する国宝を会期中に全点紹介するほか、重要文化財をはじめとしたコレクションが一堂に会す大型展覧会がスタート! 1度は見ておきたい名品の数々が揃ってます!!
*掲載内容は2022年10月17日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。
*訪れる時期により展示内容が異なります。
*掲載写真はすべて編集部による。
イベント概要
特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
会 場東京国立博物館・平成館(東京都台東区上野公園13-9)
開催期間2022年10月18日(火)〜12月11日(日)
開催時間9:00〜17:30(金・土は20:00まで)
観覧料【一般】2000円、【大学生】1200円、【高校生】900円
休催日月曜日
最寄駅JR・山手線「鶯谷駅」南口から10分(編集部実測)
紹介サイトhttps://tohaku150th.jp
特別展『国宝 東京国立博物館のすべて』とは!?
1872年(明治5年)に誕生した、日本でもっとも古く歴史が長い博物館であり、12万点あまりの所蔵品を有す『東京国立博物館』が、2022年(令和4年)に満150年を迎えるにあたり企画されたメモリアル展覧会です!
「トーハクの歴史は博物館の歴史」といっても過言でない、日本が世界に胸を張れる東京国立博物館ですが、所蔵する国宝の数も89点と日本最大(日本にある国宝のうち1/10がトーハク所蔵品)。今回の展覧会は、文字通りその89点”すべて”が1つの展覧会期間中に紹介される、長いトーハクの歴史でも初となるイベントです。
第1部「国宝」エリアは、「絵画」「法隆寺献納宝物」「考古」など、8セクションに分けジャンル別に紹介されます。
トーハクに限らず博物館は、文化財の「収集」「保管」「保存」「修復」に加え、「公開」することも 重要な役目となっていますが、公開を続けることで懸念される破損や劣化を避けるために、展示スケジュール(展示計画調整)は厳密にコントロールされているんです。
そのため、89点もの国宝を1つの会期ですべて展示することは調整自体が相当難しいことで、博物館業界(!?)の常識からいえば「それだけでも十分スゴイ!」んです。
1つで2度オイシイこの展示会。トーハクを知るにうってつけな、興味深い展示がズラっと! 博物館好きな方にはたまらんでしょ〜。
本展は所蔵する国宝を“全点公開”する「すべて」と、150年に及ぶトーハクという博物館の歴史を追体験できる「すべて」の、2つの「すべて」が楽しめる展覧会。“東京国立博物館の150年” と銘打つ第2部は、「国宝がズラっと揃う第1部に比べれば・・・」なんていう心配は一切無用!
第2部の展示内容も、27点の重要文化財ほか見所満載! あっちを見れば「おおお〜」、こっちを見れば「あれは〜」と、じっくり見入ってしまう文化財ばかり。教科書や記念切手など、どこかで見かけたことのある「アレやコレ」が至ることろに展示されていますので、飽きる心配はありません!
「刀剣の間」は期間中展示替えなし。いつ訪れても19刀を拝めます!
さらに今回の注目ポイントが、第1部「国宝」展示エリアのラストにある『刀剣の間』。太刀(たち)、刀、短刀と、国宝に指定されている全19刀がズラリ! 1度に展示されるのは史上初です。「展示ケース、ライティングにもこだわりました」と担当者。おごそかな雰囲気のなかに鎮座する、名刀たちをじ〜っくりご覧くださいませ。
【注意】展示入れ替えがあります!
本展では国の最重要文化財である「国宝」はもちろん、第2部に展示されている数々の文化財のコンディションを維持するため、(休館日を含めた)55日の会期中、複数回の展示入れ替え・場面替えが行われます。
展示リスト・期間は事前に公開されていますので、1度確認してから訪れることをオススメします!
【 展示リスト・期間 】https://tohaku150th.jp/pdf/list_jp_1014.pdf
*展示構成はコチラからも確認可能です → https://tohaku150th.jp/highlight/
ちなみに、そのリストでは展示期間が合計8期間に分かれているなど、ややわかりにくいですが、
*10月18日〜12月30日
*11月1日〜11月13日
*11月29日〜12月11日
の3期間すべて訪れれば、国宝89点すべて鑑賞可能とのことです。
【ご安心を!】展示入れ替えがある・・・ということは、訪れるタイミング次第では「国宝」があまり見れない!? と思えそうですがご心配なく! どの時期に訪れても、つねに60点前後は見れるよう展示計画が調整されています。
どんな名品が楽しめる!?
ここから先は、実際どんな名品が会場で楽しめるのかを、ほんの一部ですがご紹介します!
*撮影は10月17日。訪れるタイミングにより鑑賞できないものがある可能性があります。
第1部「国宝」エリア
松林図屏風
(しょうりんずびょうぶ)
長谷川等伯筆・安土桃山時代・16世紀 【展示期間】10/18〜30
日本の水墨画の最高峰といわれる名品。日本独特の、湿った大気を意識させる、墨ならではの独特な雰囲気に注目あれ。
納涼図屏風
(のうりょうずびょうぶ)
久隅守景筆・江戸時代・17世紀 【展示期間】10/18〜11/13
むしろの上で、白い月を無言で眺める3人の家族。独特な間が生む、静寂感になにを思う!? 久隅守景は、生没年など、詳細がわかっていないという江戸時代初期の絵師。
秋冬山水図
(しゅうとうさんすいず)
雪舟等楊筆・室町時代・15〜16世紀 【展示期間】10/18〜11/13
教科書や記念切手でも広く知られた名品。不確定な部分も多く、明治では「夏冬山水図」と呼ばれ、近年では「春冬山水図」と呼ぶのが妥当とする意見もあるそう。
元暦校本万葉集 巻第一(高松宮本)
(げんりゃくこうほんまんようしゅう かんだいいち たかまつのみやほん)
伝藤原行成筆・平安時代・11世紀 【展示期間】10/18〜11/13
歴史の授業でも登場した「万葉集」の書写。本展にはほかにも「古今和歌集」の展示もあり。
紅白芙蓉図
(こうはくふようず)
李迪筆・中国・南宗・慶元3年(1197年) 【展示期間】10/18〜11/13
富の花として愛されてきた「芙蓉」のなかでも、1日の内に白から赤へと色が移り変わる「酔芙蓉(すいふよう)」が描かれた絵画。
聖徳太子絵伝
(しょうとくたいしえでん)
奏致貞筆・平安時代 延久元年(1069年) 【展示期間】10/18〜11/13
元々法隆寺・東院の内壁にあった障子絵。聖徳太子の生涯を絵画でおこした、現存する最古、かつ最大のもの。
灌頂幡
(かんじょうばん)
飛鳥時代 7世紀 【展示期間】全期間
寺院の境内や堂内に掲げられる、旗やのぼりを意味する「幡」。展示はその一部とのこと。鍛造・銅製。
竜首水瓶
(りゅうしゅすいびょう)
飛鳥時代 7世紀 【展示期間】全期間
青銅を使った鋳造仕上げの大型の水瓶。聖徳太子ゆかりの品であり、竜を象ったほか、4頭の馬をデザインに取り入れている。高さ約50㎝と大きい。
舟橋蒔絵硯箱
(ふなばしまきえすずりばこ)
本阿弥光悦作 江戸時代 17世紀 【展示期間】10/18〜11/13
漆で覆われた、珍しい形状の木製硯箱。1967年国宝指定。
扁平鈕式銅鐸
(へんぺいちゅうしきどうたく)
弥生時代 前2〜前1世紀 【展示期間】全期間
これも有名! 教科書等で見たことがある方、多いのでは!? 弥生時代にベルのようにならす楽器とされ、豊穣を祈る祭時に利用されたそう。出土は江戸時代だが、トーハク所蔵となったのは1979年とかなり後。
江田船山古墳出土品
(左)金銅製沓 朝鮮・三国時代 5〜6世紀、(中)金製耳飾 古墳時代または朝鮮・三国時代 5〜6世紀、(右)画文帯同向式神獣鏡 中国・南北朝時代 5〜6世紀 【展示期間】全期間
墳長62mの前方後円墳から1873年に出土したもの。
埴輪 挂甲の武人
(はにわ けいこうのぶじん)
古墳時代 6世紀 【展示期間】全期間
右手に大刀、左手に弓、背中に矢を収める靫(ゆき)、胴まわりから足先まで武装した、有名すぎるほど有名な埴輪もご覧いただけます!
第1部「国宝」エリア・刀剣の間
国宝19刀が勢揃いする「刀剣の間」は入れ替えなし。全期間ずっと19刀すべてを鑑賞できます。ちなみに1つの博物館で19刀もの国宝を所蔵しているのは、トーハクだけ! それを1度にすべて見れるんです。
刀 無銘 正宗(名物 観世正宗)
相州正宗 鎌倉時代 14世紀 【展示期間】全期間
傑出した名刀を残した正宗の代表作。徳川将軍家から有栖川宮熾仁親王、さらに高松宮家へ受け継がれたもの。
短刀 銘 吉光(名物 厚藤四郎)
粟田口吉光 鎌倉時代 13世紀 【展示期間】全期間
短刀の名工・藤四郎吉光の傑作。豊臣秀吉や毛利秀元、徳川家綱など、多数の武将に受け継がれてきたそう。
梨地螺鈿金装飾剣
(なしじらでんきんそうのかざりたち)
平安時代 12世紀 【展示期間】全期間
鮮やかな装飾の剣は、天皇から帯剣を許可された公卿(朝廷に仕える高官・侍臣)が儀式で利用したそう。
第2部「東京国立博物館の150年」エリア
訪れた人によっては、「国宝」エリアよりもさらに興味深い! との声も聞こえてきそうなほど、見劣りしない充実度でせまる第2部は、明治から令和までの150年の歩みを振り返るエリア。
1872年誕生の10年後に上野へ移った初期の時代から、1889年に宮内省所管の皇室博物館となった時代。さらに戦後1947年に所管が文部省に移り国民のための博物館へ歩みを進めたトーハク。その過去から現在までを大きく3エリアに分け、所蔵する大小の文化財を紹介。こんなものまで!? と驚く品も多数あります!
多くの方が足を止めると思われる、トーハクの150年がわかるヒストリーボード。詳しい情報はトーハク公式サイトでも確認できます!
名古屋城金鯱
第2部に入ってまず目に付くのが、この鯱(しゃちほこ)。トーハクの出発点である、1872年に開催された「湯島聖堂博覧会」に出展された名古屋城の金鯱のレプリカ! 名古屋城天守に飾られていた雌雄のうち、雄が「湯島聖堂博覧会」で展示された大きな話題を集めたそうですが、名古屋城の天守へ戻されたあと、戦争で焼失してしまったとのこと。背景の絵は当時の博覧会の様子。
山下門内博物館「博物館」扁額
町田久成筆 明治時代 19世紀 【展示期間】全期間
博物館が現在の帝国ホテル付近にあったときに、表に掲げられていた看板。書体は初代館長による。
陣羽織 猩々緋羅紗地違鎌模様
(じんばおり しょうじょうひらじゃじちがいがまもよう)
伝小早川秀秋所用 安土桃山時代 16世紀 【展示期間】全期間
一時、豊臣秀吉の養子でもあった小早川秀秋が着たと伝えられている陣羽織。「違い鎌」は小早川家の家紋。表地の「羅紗(らしゃ)」と呼ばれる素材は保温、撥水力の高い欧州素材とのこと。会場では表側も確認できます。 *重要文化財
鳳輦
(ほうれん)
江戸時代 19世紀 【展示期間】全期間
天皇専用の乗り物であり、孝明天皇のほか、明治天皇が京都から東京へおこしになる際に乗られたとか。
月に雁
(つきにかり)
歌川広重 江戸時代 19世紀 【展示期間】10/18〜11/13
コレクターの間でも広く知られている、有名な大型サイズの切手でも有名。会場ラストには二分する人気の「見返り美人」もあります!
キリン剥製標本
明治41年(1908年) 国立科学博物館所蔵 【展示期間】全期間
1907年ドイツからはじめて日本に輸入された雌雄のキリン。日本の寒さに耐えきれず、翌年2頭とも死亡。標本にされたが現存しているのは雄の「ファンジ」のみ。大型哺乳類の標本としては現存最古。
遮光器土偶
青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 縄文時代 前1000年〜前400年 【展示期間】全期間
1887年に発見された有名土偶。エスキモーやイヌイットが雪の中で活動する際に身につける遮光器(スノーゴーグル)に眼の周りが似ていることから命名。重そうだがじつは内部はがらんどう。ニックネームは「しゃこちゃん」とか! *重要文化財
樫鳥糸肩赤威胴丸
(かしどりいとかたあかおどしのどうまる)
室町時代 15世紀 【展示期間】全期間
徒歩戦闘に適した甲冑という「胴丸」。鉄、銅、漆、皮革、そして赤糸などを使った見事なできばえ。*重要文化財
風神雷神図屏風
(ふうじんらいじんずびょうぶ)
尾形光琳筆 江戸時代 18世紀 【展示期間】10/18-11/13
見つめあう風神と雷神。呉服商の子として生まれた光琳畢生(ひっせい)の50代の作品。*重要文化財
金剛力士立像
(こんごうりきしりつぞう)
平安時代 12世紀 【展示期間】全会期
会場の終盤にあるこの力士像は、トーハクのもっとも新しい所蔵品で、2022年2月にやってきたもの。修復を終え本展で初公開! 全長3mはトーハク所蔵では最大とのこと。迫力に圧倒されてください!
【注意】 館内の撮影は第2部ラストの「金剛力士像」2体、そして菱川師宣による「見返り美人」の3作のみ。そのほかは一切撮影NGです。詳細は会場スタッフにご確認ください。
ミュージアムショップも充実!
展示室と展示室の間に、数々のイベントグッズが手に入るミュージアムショップエリアもあります。先述の挂甲武人や遮光器土偶のぬいぐるみのほか、菓子類など、大小多数。有名キャラなどとのコラボグッズなどもあります! 購入は本展鑑賞者のみ。物販のみの利用はNGとのことです。
【 詳細はコチラヘ 】https://tohaku150th.jp/goods/
レポートまとめ♪
*トーハク所蔵の89の国宝含む、150点の文化財が期間中に勢揃い
*89の国宝が1イベントですべて鑑賞できるのは、史上初!
*トーハク150年史がわかる、第2部も見所目白押し!
*物販コーナーの充実度も必見です!
いかがでしょう!? 150周年にかけた150の文化財が揃う、過去例を見ない大展示。今回逃すと、ここまでの規模は当分見れない!? はず。会期中に展示替えがありますので、1度といわず、2度、3度と足を運んでみてください。観覧はすべて事前予約制。ご注意ください!
こんなスピンオフイベントも!
今回ご紹介した記事は
いかがでしたか?
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