“THE TOKYO TOILET/トーキョートイレット” 第12弾は、触らずに声で操作できる、驚きのボイスコマンド付き!
渋谷区内の公衆トイレを作り変え、“汚い・臭い・暗い・怖い” といった負のイメージを変えよう! とするプロジェクト『THE TOKYO TOILET』の、最新作『七号通り公園トイレ』(幡ヶ谷)が利用開始! 思わず二度見するカタチはもちろんですが、驚きはなんといってもその機能。いろいろな操作を声で制御できる、思わず「ええええ〜っ」なトイレなんです♪
*掲載内容は2021年8月12日時点の情報です。内容を保証するものではありません。
*掲載写真はすべて編集部による。
「THE TOKYO TOILET」とは!?
日本財団が音頭をとり、渋谷区や渋谷区観光協会の協力のもと、渋谷区内にある一部の公衆/公共トイレを、よりキレイに、快適に、使いやすくしよう! を目指すプロジェクト。
【公式サイトはコチラ!】https://tokyotoilet.jp
実際にデザインや設計を担当したのは、日本を代表する著名なデザイナーや建築家の方々。設計するにあたって「これを必ず入れる」「これはNG」などの縛りはほぼない(!)という、作り手にとって自由度の広いプロジェクトとなっており、なかには「こ、これが公衆トイレ!?」と思わず目を疑う形状や機能を搭載したトイレが次々と誕生。渋谷の新たな観光スポットにもなりつつあります!
クリエイター陣の想像力豊かな要望を実際にカタチとしたのは、建築大手の「大和ハウス工業」。トイレの各種機器類は水まわり製品の最大手「TOTO」が供給と、様々な団体、企業、人がコラボレーションした一大プロジェクトなんです。
各トイレに使われる、オリンピックでも話題となった「ピクトグラム」のみが全トイレで共通。それ以外はとくにルールはないそう! ピクトのデザインは、恵比寿にオリジナルトイレを設計された佐藤可士和さんです。
ザッとポイントを列記すると・・・
●渋谷区内17箇所の公衆トイレをリニューアル
●対象トイレは元々そこにあったものを建て直し
●プロジェクト参加デザイナー・建築家は全16人(お一人のみ2箇所担当)
●トイレ数、タイプ、機能、装備品も、トイレごとに異なる
●専門スタッフが1箇所・1日・2回〜3回清掃を実施!
・・・といったもの。なかでも特筆すべきは、その清掃。プロジェクトの目的の1つである、“汚い・臭い” といったネガティブがイメージ解消には、徹底した清掃が欠かせません! 今回リニューアルするトイレは、とくに清掃にチカラをいれており、1日に2〜3回も清掃! 実務は専門業者が行いますが、「日次」「月次」と定期的なレポート(写真)を上げる仕組みを整えるなど、汚れや落書きの抑制につとめているんです。*素材提供/日本財団
ちなみにリニューアルの対象となったトイレは、立地などを踏まえ、渋谷区と日本財団の協議して選別したそう。企画スタートは2018年。2020年から順次利用開始となっており、今回紹介する最新トイレを含め、現在12箇所が稼働中です(残り5箇所も2022年3月までにすべてオープン予定)。
通算12箇所目は、どんなカンジ!?
2021年8月12日・利用開始
【七号通り公園トイレ】
SPOT DATA
七号通り公園トイレ
所在地東京都渋谷区幡ヶ谷2-53-5
利用時間24時間
最寄り駅京王線「幡ヶ谷駅」北口から徒歩6分
通算12箇所目となる『七号通り公園トイレ』は、最寄りの「幡ヶ谷駅」から数分。「七号通り公園」という細長い公園の端にあります。元々ここにあったトイレは公園の中央付近にあったそう。今回のリニューアルにあわせ、場所を端へ移動しつつ建て直したとのこと。
写真は公園の目の前を走る「角筈和泉町線」側からトイレを眺めた様子。端に移動されたため、植栽の影に隠れすぎることもなく、トイレの存在もすぐわかります! トイレ沿いにバス停もありと、利用者はかなり多そうです♪
担当デザイナーは 佐藤ガズーさん
デザインを担当されたのは国内外で様々な賞を受賞されている、TBWA博報堂のクリエイティブディレクター「佐藤カズー」さん。新トイレのコンセプトは、ずばり
”手をつかわないトイレ”
ある機関が調査した結果によると、欧米では、公衆トレイを利用する際に「(水を流す)レバーを足で踏む」「ドアを開く際にトイレットペーパーを使う」「ドアを閉める際はお尻で」といった傾向が強いんだとか。これはそのまま日本にもいえることだと思うのですが、つまりそれだけ公衆トイレに”嫌悪感”を持つ人が多いということにほかなりません!
佐藤さんはこの結果に注目し、”接触を避けたい!” という気持ちをカタチにできないか!? と、なんと3年がかりでリサーチとプランニングを実施。そして辿り着いたのが、体の直接的な接触をせず、「声」で一連の操作が行える『ボイスコマンド』!
声ですよ、声ッ!
ドア開閉や水流しなどを、「声」だけで行える新機能が搭載されているんです! スマホのSiriのような操作が、驚くべきことに公衆トイレに備わっているんです! コレって一体・・・。気になりますよね!
気になる「ボイスコマンド」の前に、内外装をご紹介!
公衆トイレでは初搭載という「ボイスコマンド」を紹介する前に、まずは内外装の仕様をチェック・・・
なんといっても驚きはそのカタチ! マッシュルーム!? 泡!? 宇宙船!? と見る人によりいろいろなモノに見えるこれがトイレなんです! プロジェクト広報担当によると“空から落ちてきた水の雫” をイメージしたものなんだとか。余計な装飾等は一切なく、トイレから地面など、空間全体をホワイトで統一されています。
一見「まん丸!?」と思いきや、3割りくらいが壁のようにカットされており、そこに入り口があります。それはまるで、おかっぱの子供のよう!?
逆側からの眺めがコチラ。驚くほどにシンプルです。この雰囲気、少しでも長く維持したいですネ!
大きさは こんなカンジ
遠くから見るとあまり感じませんが、近づくと結構な大きさが! 子供が喜びそう♪ カタチといい、色という、かなり目立ちます。年に1度、屋根まで含めた大規模清掃を行うとのことですが、どうやって清掃するのか、それも気になりますネ!
夜は・・・ こんなカンジ
撮影:永禮賢、提供:日本財団
トイレ裾の円形ラインに沿って、ボワーンと光る照明機能も。それはまさに宇宙船が着陸した!? かのよう。写真はやや明るい時間ですが、深夜では相当過ごそうです! 夜も気になりますネ!
手洗い場はトイレ内にもありますが、場所が公園ということもあり水飲み場も。ホワイトで全塗されています!
各エリアはこんなカンジです!
トイレは2部屋。「男女兼用のバリアフリー(だれでもトイレ)」と「男性小便器」で構成。これまでご紹介してきた中では、比較的コンパクトな仕様となっています。
エリア1 だれでもトイレ(男女兼用)
個室内は通常便器とオストメイト便器、手洗い場で構成。広さは24.09㎡。クルマ椅子利用が可能ですが、空間がやや狭い印象のため、注意が必要そうです。また、ほかのトイレである「おむつ替えベッド」や「幼児用チェア」の装備がありません。幼児連れの方はご注意くださいませ。
間接照明に 喚起機能も
個室内の壁側には、ドームの形にあわせて淡く室内を照らし出す間接照明が。個室内には通常見られる換気扇的な通風口はないのですが、じつはこの間接照明がある隙間から換気できるようにしているそうです!
【コネタ】円形となった理由の1つが、臭い対策があるそう。なんでも円形は空気が流れやすく、臭いが滞留しにくいんだそうです! まさに「へぇ〜」なポイントです!
コレが「ボイスコマンド」!!
ボイスコマンド機能が付くのは「だれでもトイレ」のみ。建物外(写真の矢印部分)になんとモニターが備わっています!
専用モニターはかなり大型。一見なにかのコマーシャルなどが(電車内のように)常時流れ続けるのかな!? と思いきや、そういった機能はなく、「使用中か否か」の確認ができ、「ボイスコマンド」を使う場合に必要となるQRコードが表示されるのみとシンプル。災害時などに避難場所等の情報が掲示される機能があれば便利かと思ったのですが、そういった付加価値はないそうです。残念。
「ボイスコマンド」を使うにはモニターに表示されるQRコードの読み込みが必要です! つまり、スマホやタブレットがないと使えません・・・。QRコードが表示されるご覧の青い画面は、「だれでもトイレ」の利用者がいない場合のみです。余談ですが、未使用時、個室内を強力に換気させる機能(1分間)が自動で働きます。換気途中でも利用可能ですが、臭いが気になる方は少し待ってからご利用あれ。
QRコードを読み込むとスマホにご覧の表示が。今回は内覧会のため、扉は常時オープンの状態で固定されていましたが、本来であれば「入室」ボタンを押せばスライドドアが開きます。ちなみにドアが開いた際に、ドア枠を縁取るようにボワーンとウエルカム点灯します♪
個室に入ってすぐ脇(扉横)にマイクがあり、「ハイ、トイレ!」と声をかけたあと、「扉を閉めて」とお願いすると、自動で扉がクローズ! マイクは扉以外にも、便器脇に装備されています。
扉が閉まると、外のモニターはご覧のような状態に。「使用中」表示となり、QRコードが読み込めなくなります。つまり、トイレ利用中に、他の方がQRコードを読み込みドアを開けてしまう・・・なんて心配はないんです!
ちなみに、モニターは「日本語」「英語」が繰り返し表示されます。
コマンド項目は 大きく4つ
コマンド項目は全部で4つ。「ドア」「手洗い」「トイレリモコン」「音楽」とあり、各項目でさらに細分化。すべて声で操作可能。個室内にあるスイッチやレバー類を一切触ることなく用をたせるんです! すごい!
注目は「音楽」。なんと便器後ろの棚の上にスピーカーが備わっており、クラシックやロック、キッズ向けなど、いろいろな音楽を選択できるBGM機能がついています! なんでも音楽は、腸の動きを活性化させる効果があるそう。
個室内の壁には、「ボイスコマンド」の指令の一部が印字されていたり。外国人観光客も見据え、英語にも反応するようになっています。
ご安心ください! 手動でも機能します!
非接触を目的とした提案として大きな話題を集めそうな「ボイスコマンド」ですが、瞬時にサクサクと起動するものではないため、お時間はそれなりにかかります・・・。なかには面倒と、ストレスを感じる方もいらっしゃると予想されますが、ご安心ください。
ほかのトイレ同様、スイッチやレバーを利用者自ら押して使う、一般的な利用も可能です! つまり(ボイスコマンドでの)「非接触」と(アナログ操作の)「接触」の2WAYで利用できるんです♪
余談ですが、「ボイスコマンド」のシステム開発に協力した「Birdman」広報によれば、(親と子供、障害者と介護者など)複数人で個室に入った場合、センサーの感知が不安定となり、正確にコマンドが機能しない場合があるとのことです。
エリア2 男子トイレ
もう1つのエリアである「男子トイレ」は扉はなく、常時オープン。手洗い場には鏡もあります。小便器が2機設置されています。部屋の奥に小部屋があり、清掃用具等を洗うスペースになっています(施錠されており一般の方は利用不可)。
「七号通り公園トイレ」のまとめ
●思わず「なにあれ!?」となる斬新なカタチ♪
●声で操作できる非接触型の「ボイスコマンド」機能搭載
●もちろんアナログ利用も可能!
●幼児利用は不向きな印象
第12弾いかがでしょう!? 賛否両論大きな話題を巻き起こしそうな、この新トイレ。百聞は一見にしかず。「ボイスコマンド」ぜひ使ってみてくださいませ。気になる第13弾は2022年10月頃オープン予定とのことです。詳細改めてリポートします!
絶賛利用可能! 既存トイレ情報はコチラ!
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