2025.12.05

特集記事

文・写真: 山さん
2025.09.26

終了しました

【Tsu-tsu-mu展】 日常に溶け込む約90点の実例とともに “包む”を見つめる、松屋銀座100周年企画展

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

銀座の老舗百貨店「松屋銀座」の100周年記念の一環として、同店とも縁の深い「日本デザインコミッティー」主催の企画会がスタート! テーマは“包む”。単なる包装に縛られない、奥深き“包む”世界を覗き見あれ。会期短め、お急ぎを!《2025.10.13まで》

*掲載情報は2025年9月25日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

イベント概要

『Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法』

撮影OK(写真/一部除く)
カフェあり

開催地松屋銀座 8Fイベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)
開催期間2025年9月26日(金)~10月13日(祝・月)
開催時間11:00~20:00 *最終入館/19:30 *最終日は17:00閉場
当日入場料一般/2000円、高校生/1500円、小中学生/1000円
休催日会期中無休
最寄り駅丸の内線ほか「銀座駅」A13出口直結
主催日本デザインコミッティー
告知サイトhttps://designcommittee.jp/event/

【Tsu-tsu-mu展】とは!?

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

「包む」と聞いて、なにを思い浮かべますか!?

それはパッケージであり、中身を守るものであり、隠すものであり、気持ちを閉じ込めるものでありと、いろいろな解釈がありますよね。

今回大型百貨店「松屋銀座」で始まった『Tsu-tsu-mu展』は、そんな「包む」の捉え方の視野を広げ、世の中に広がっている様々な「包む」を見つめ直そうと企画されたもの。

パッケージデザインや包装技術うんぬんという枠組みに縛られることなく、「(黄身を包む)卵」や「(具を包む)おにぎり」、「(光を包む)照明」、「(身を包む)「寝具・椅子」、さらに「(空間を包む)建築」に至るまで、日常生活で目にする機会の多い様々な「包む」をフォーカスします。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

「包む」から「包装」を連想させる方は多いかと思いますが、今回の企画展ではそれだけに縛られません!

「包む」行為が、相手側となる他者(受け手)への「ケア(気遣い、優しさ)」につながっていることを踏まえつつ、デザインの1つの方法論として捉え直し、新しい可能性を見いだそうというもの。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 卵

紹介される作品・事例は、大から小まで様々。自然のものから日常の風景、伝統様式、そして建築と、幅が広い!

素人目線では、それも「包む!?」と思えるような場合でも、解説とともに改めて見直すと、“確かに、それも「包む」かも”と思わず納得してしまう作品や事例が、90点あまり紹介されています。

企画展を主催するのは、「松屋銀座」とも縁が深い「日本デザインコミッティー」。デザインの啓蒙を掲げ1953年に設立された団体で、日本の著名デザイナー等がメンバーに名を連ねています。

優れたデザインを選びそれを紹介する、デザイン視点で選んだ商品のセレクトショップ「デザインコレクション」のほか、企画展を定期開催している「デザインギャラリー since1953」の運営を「松屋銀座」の7Fで行っています。

今回の『Tsu-tsu-mu展』は、「松屋銀座」と「日本デザインコミッティー」のコラボとしては通算34回目。前回行ったのは、コロナ前となる2019年に六本木で。「松屋銀座」の8Fを会場として行うのは、じつに9年ぶりとのことです。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 主催者

企画展のディレクターを務めたのは、アートディレクターやグラフィックデザイナーとして様々な分野で活躍されている色部義昭さん。企画展名を漢字の「包む展」ではなく、アルファベットとしたのは、「Tsu-tsu-mu」を新しい言語として世界に発信する機会になればとの思いから。

包まれ空間、全点解説

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

会場は半楕円をグルッと周回するような構成となっており、テーマごとに全7エリアで展開。

薄い透ける生地でエリア分けと、会場自体も「包む」感を意識させる仕様となっています。

さらにポイントが、展示作品・事例に、すべて簡単な「解説」が付いていること。展示品に解説が一部しかない……とうイベントは現実とてもに多いですが、『Tsu-tsu-mu展』は全点解説付き。

銀座という、インバウンド需要の高いエリアでの開催のため、英語も併記されています。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

さらに、これは一部となりますが、作品によっては写真のようなスマホを使って、映像とともに紹介する場合もあり。より視覚的に、それがなぜ「包む」なのかが分かる内容となっており、子どもたちと一緒に訪れても会話が盛り上がりそう。

あれもこれも「包む」!

ここから先は、実際会場で楽しめる「包む」展示作品・事例を、ほんの一部ですがご紹介!

ちなみに、会場内に流れるBGM(2曲)も本展オリジナル。作曲家・畑中正人さん描き下ろしです。

確かにそれも「包む」

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 くるみ

「くるみ」の殻は実を包み守るもの。とても硬く、なかなか割れないなど頑丈ですが、軽い。そのため水の流れに実を任せ、広く分布。発芽する際は、内部から自然に割れる賢い食材なんです。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 いちご大福

いちごをあんこが、あんこを餅が包む「いちご大福」も、確かに「包む」の典型!

多様な「包む」形

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 ブランデー

スパークリングワインで有名な「ルイナール」。その一部商品は、ボトルの曲線にピッタリとフィットする、ご覧のセルロース繊維製の殻で包まれているんです。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 aibo

ペットロボ「aibo」を包むパッケージは、リサイクル素材をベースとしたフェルトシート製。優しい肌触りのなかでスヤスヤと眠る「aibo」。居心地良さそう。このパッケージが、梱包材や緩衝材の役目を兼ねているそう。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 たまご

複数個の卵をワラで包み持ち歩く、「たまごつと」と呼ばれる東北エリアに伝わるニッポンの伝統包装。存在自体が粋です!

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 錠剤

胃腸薬「正露丸」もじつは「包む」。薬を飲みやすくするための、糖衣と呼ばれる、糖分の被膜(コーティング)が表面に施されており、服用後ちょうどいいタイミングで溶け出すように配慮されているんです。

身近なものにも「包む」

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 風呂

「ヒノキ風呂」は、お湯、香り、そして人を「包む」憩いの場所。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 椅子

ニューヨーク近代美術館に収蔵されている、喜多俊之さんのWINK。可動式ヘッドレスト&フットレスト、リクライニング機構と、心地良く体を「包む」椅子。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 避難用具

災害時等の防寒具として役立つ「エマージェンシーブランケット」(右)は、樹脂シートに熱の反射性に優れたアルミを蒸着させる技術を応用した、体を守る「包む」もの。一方羊毛だけで成形したフェルト製ブーツ「ヴァレンキ」(左)は、足を広範囲に、優しく包み込む防寒具。

こんなエリアも

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 折形

日本古来の精神性を物語る、武家の礼法とされる「折形おりかた」に着目したコーナーがあったり……

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 ムービー

「日本デザインコミッティー」のメンバーのうち、8人の方に「Tsu-tsu-mu」について行ったインタビュー映像をループ上映するエリアがあったり……

*こちらも白く薄い生地に包まれた空間内で実施。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 会場風景

なんと! 『日蝕』や『葬送』などで広く知られる、小説家・平野啓一郎さんが、イベント開催にあわせ書き下ろされたコラム『包むことの豊饒』も。必見です!

*【注】この描き下ろし作品は、本や直筆原稿の展示ではなく、セクションを分けるご覧の幕にプリントされているのみ(赤矢印部)。来場する楽しみを残すため、写真は編集部でボカシを入れています。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 浮かぶ家 隈研吾

この蚊帳のような作品は、隈研吾さんによる「浮庵」。

世界でもっとも軽い布という「スーパーオーガンザ(オーガンジー)」を、ヘリウムで浮くバルーンにかけて空間を包み込んだ“空中に浮かぶ(感覚を味わえる)茶室”。

関係者に確認したところ、見るだけでなく、実際に内部に入り雰囲気を体感することが可能とのこと。入室時間等、詳細は会場スタッフにお尋ねくださいませ。

コラボブックカフェも

企画展会場の目の前ではイベントイベント期間中、『Tsu-tsu-mu Café』を展開。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 カフェ

カフェの空間設計は、日本デザインコミッティーのメンバーであり、嗅ぐや建築まで幅広く手掛けるデザイナー小泉誠さんが担当。店内で使われているマルニの椅子やレクリントの照明、グラス、皿は、『松屋銀座』内で販売中とのこと。

「松屋銀座」が主催して営業するもので、京都にある有名な「大垣書店」が協力。店内には同店が「包む」についてセレクトした様々なテーマの関連本のほか、日本デザインコミッティーメンバーの選書を展示販売。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 カフェの本棚

販売される書籍類は、なかなかお目にかかれない珍しいものばかり。手に取り、座席で試し読みしていいそうです。

もちろん、イベントの余韻にひたりながら休憩できるオリジナルメニューも複数用意されています。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 バーガー

提供メニューは、コーヒーやビール、ハイボールなどのドリンク類のほか、京都・亀岡産の「はんなりばなな」を使ったバーガーなどを用意しています。一部メニュー除き、テイクアウトも可能です。

*販売価格帯は715円〜1540円

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 大福と紅茶

「包」焼き印入りのどら焼きや、イベントオリジナルブレンドコーヒーのお土産販売も♪

ご紹介のカフェは、企画展利用に関係なくどなたでも利用可能です。

階下へ行こう!

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 デザインギャラリー

イベント会場は8Fですが、真下の7Fには、日本デザインコミッティーが商品セレクト等を行っているお店「デザインコレクション」があります。

オープンはなんと1955年。70年続く「松屋銀座」ならではのお店で、2ヶ月に1回選定会を行っており、商品が入れ替わります。

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 デザインギャラリー 開化堂展示

お店には「デザインギャラリーsince1953」と呼ぶ、企画スペースが用意されており、これまで794回の企画展を実施。9月17日〜11月3日までは、795回目として『開化堂150年』展を開催中です(入場無料)。茶筒作りの老舗として知られ、会場では購入することも可能です。

レポートまとめ♪

Tsu-tsu-mu 展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法 松屋銀座 バナー

・「包む」を多角的にフォーカスした企画展
・卵から建築まで。多様な「包む」世界を約90点の実例とともに
・選書にも注目のコラボカフェも同時開催

いかがでしょう!? 何気なく接しあまり意識することもない「包む」を、豊富な実例と共に紹介するこの企画展。言われてみれば「確かに」な体験を、ぜひ会場でお楽しみあれ。普段接しているモノへの見方も変わってきそう!

今回ご紹介した記事は 

 いかがでしたか?

以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!

参考になった!役に立った!と思っていただけたらうれしいです

\  もしよろしければサポートお願いいたします!  /

この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

今回ご紹介した記事は 

 いかがでしたか?

以上、お出かけ情報満載のウェブメディア「オソトイコ」がお届けいたしました。関東1都3県ではこのほかにも楽しいイベントや気になるお出かけスポットがたくさん!オソトイコではそんなお出かけに役立つ情報を日々集めてお届けしております。今後もぜひ活用してくださいね!

参考になった!役に立った!と思っていただけたらうれしいです

\  もしよろしければサポートお願いいたします!  /

 編集部のつぶやき

  • 西武園ゆうえんち 豪華列車はミステリーを乗せて 没入型ドラマティック・レストラン
  • 相模原のお出かけスポット特集バナー

スポンサーリンク

この記事を書いた人

山さん

娘と一緒にハイキングや登山を楽しむ日を待ち望む、ただの編集者。

 編集部のつぶやき

  • チームラボプラネッツ豊洲 DMM.com 会場風景
  • 新潟県魚沼市観光案内

お出かけ関連の特集記事ランキング

スポンサーリンク