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文・写真： 山さん

【京王線 2000系】 大型フリースペースがある、子育て世代にも優しい新型車両、2026年1月31日デビュー!!

乗り物概要

運行開始日2026年1月31日（土）から順次
運行路線京王線全線（京王井の頭線除く）
導入両数40両（10両×4編成）
告知サイトhttps://www.keio.co.jp/news/

【京王線 新型車両「2000系」】とは!?

1日の平均利用者数がおよそ330万人*を記録するメジャー路線として、通勤・通学、お出かけと、生活に欠かせない重要な移動手段となっている「京王線」。

＊2024年度データ

都心と多摩エリアを結ぶ利便性の高さは、子育て世代真っ最中のファミリー層にも人気が抜群に高く、確実に座って帰ることができる有料座席指定列車「京王ライナー」なんて、疲れが溜まったときにホント便利なんですよね。

そんな京王線に、2026年1月31日に新型車両が登場すること、ご存じでしょうか!?

登場自体は事前に発表されていたため、すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、運行開始に先立ち報道陣に実車が公開されました！

4編成10両で運行される新型車両『2000系』のコンセプトは、“安心・安全。すべての世代にやさしく、ワクワク”というもの。

開発には京王電鉄の女性スタッフが参加（←車両開発に女性が参加すること自体、初とのこと！）。電車といえば、ちょっと硬派なイメージがあるかと思いますが、女性ならではの感性による“やさしさ”や“気配り”が感じられる新型車に。

デザインするにあたり社内アンケートや利用者アンケートを実施し、複数候補に挙がったデザインの決定には、グループ会社が持つ最新のAI技術も導入して、最適化を図ったそう。

詳細は後述しますが、とくにベビーカーや車いす利用者、さらに大きな荷物を持った旅行者には嬉しい、特別な車両が用意されています！

ちなみに京王電鉄の新型車としては、2017年に登場の『5000系』以来とのことです。『5000系』は主に京王ライナーで利用されています。

カワイらしい顔！

気になるデザインは、内外装ともに、“円”をモチーフとしたラウンド形状を意識的に投入。ちょっとホンワカさせる優しい印象を受けますが、なんといっても真っ先に注目したのはその「顔」ですよね！

つり上がった丸目ライトに、視覚的に広く見えるフロントガラス、赤い丸い縁取りと、文字通り“丸い!” 顔付きが『2000系』の特徴。

印象をカラーは、京王線といえばの「アイボリー」に、京王レッドと呼んでいるというワインレッドのライン、そしてブラックというもの。

京王線ではブルーもイメージカラーの1つとして認知されていますが、それはボディ側面にと、京王線らしさが感じられる仕様となっています。

赤い尾灯が点灯すると、ちょっと妖しい印象も醸し出しますが、小学生の娘に印象を聞いてみたところ「イモムシみたいでカワイイ〜」と好評！

顔の印象はもちろんですが、車輪などのボディ底の機器類がイモムシの「足」に見えるとか。子どもウケも良さそうです！

ちなみにアイボリーが広く使われているのは、前後端の先頭車のみ。ご覧の通り客車のボディサイドには一部だけ。優しさをモチーフとした“円”が、シャボン玉がフワフワと浮遊するようなデザインとなっています♪

担当者によれば、アイボリーを前後車両のみとする手法は、過去の京王線の流れを踏襲したものであると同時に、全面塗装によるメンテナンス性を配慮したものとのこと。全面塗装はコンディション維持に手間がかかるそう。

開放的で明るい内装!

“楽しさと、気持ちを落ち着かせる”空間を狙ったという内装も、ご覧の通り。

モチーフとなっている“円”を、シートや一部フロア、さらに座席と乗降口を仕切るボードに取り入れるなど、丸さを活かした優しい演出で空間をデザインしています。

座席は1脚1脚が独立している風に見える仕様で、座面・背面ともにラウンド形状となっており、体のラインに自然にフィット。座り心地にもこだわった着座感の強いシートとなっています。

通常座席と優先座席ではシートやフロア装飾野色が違い、視覚的にひとめで分かる仕様に*。

＊実際の運行時には、優先席を示すステッカーが貼られます。

フロアはラメを散らしたようなデザイン。カモフラ効果もありそうで、ゴミ類や汚れが目立ちにくそう。

各車両にはベビーカーと車いす専用スペースが1箇所完備されています。フロアにも大々的にピクトを盛り込むなど、特別な空間であることがひと目で分かります。立ち座り用や寄りかかり用クッションも。

車両と車両をつなぐ連結部のスライドドアにも、モチーフとした“円”が。先もよく見える、開放的な全面ガラス仕様となっています。

新型車だけに扉は軽いといいな!?　と期待しましたが、とくに軽くはなし。これまで通りズッシリしておりました……。

＊素材提供／京王電鉄

乗務員が乗り込む運転席のシートも、客室シートと同じ色柄と雰囲気が統一されていますよ。

広域フリースペース！

新型車両『2000系』最大のセールスポイントは、5号車に用意された大型のフリースペース、その名も『ひだまりスペース』です！

座れる座席がなく、フロア中央に「S」を描くようなカウンターが設置された『ひだまりスペース』は、京王電鉄としては初となる広域エリアで、フロアに描かれたピクトを見れば一目瞭然。

ここはベビーカーや車いすを利用する方が、気兼ねなく利用できる特別区なんです！

担当者いわく「心おきなくベビーカーや車いすの方にご利用いただきたい」と用意された『ひだまりスペース』。電車に乗ったら（ベビーカーを）畳まなくちゃ……、ほかの方の迷惑になっていないかな!?　など、気兼ねする必要は一切なし！

中央のカウンターや両サイドには、手すりや立ち座りクッションも完備しているほか、カウンターがSを描くデザインのため、電車の揺れにも強い。

『ひだまりスペース』の窓は、デカい！　キッズ達も外が見やすく、採光性も高い大型の窓を完備しています！　これまでになく快適に移動できるそうですよね♪

ちなみに今回の内覧会には、ゲストとしてタレントの藤本美貴さんが登壇。『2000系』の印象を語っていただきましたが、なかでも印象的だったのが、「電車（側）が気を使ってくれる（電車）」というコメント。まさにその通りです！　

Q.なぜ5号車に!?

1編成10両で運行される『2000系』ですが、『ひだまりスペース』があるのはうち5号車のみなのですが、じつは京王線の全駅をリサーチしたところ、5号車付近にエレベーターがある駅が多いんだとか。エレベーターを使ってすぐ電車に乗り、電車を降りたらすぐエレベーターという利便性は見過ごせませんよね！

Q.『ひだまりスペース』に乗るには!?

新型車、とくに『ひだまりスペース』はなんとしても利用してみたい!　という方も多いハズですが、偶然に頼るしかないの!? と思い担当者に確認したところ、『2000系』が現在どこにいて、いつ乗れるのかなど、運行の最新情報を把握できるアプリを現在開発中とのこと！

そのアプリさえあれば、確実に『2000系』、『ひだまりスペース』に乗車できるはず。乞うご期待！

Q.ビジュアルでの訴求は!?

『ひだまりスペース』は5号車ということがより視覚的にわかるよう、運用開始までに、ホームの5号車部分の床面や車内に下記ロゴマークを掲示する予定とのこと！

＊素材提供／京王電鉄

そのほかこんな特徴が

全車輌に空気清浄機能！

『2000系』には、全車輌に空気中の有害物質を除去する微粒子イオン「ナノイーX」の噴霧機能を1車両に2機ずつ搭載。エアコン利用時に車両天井部から常時噴霧され、空気をキレイにしてくれます。

防犯カメラは4台ずつ

車内でのトラブルや犯罪の抑止力となる防犯カメラが、各車両4台ずつ完備。

吊り手増量！

ちなみに『2000系』は、一見昼間の空いている時間帯だけの運行にも思えますが、そんなことはなく、れっきとした通勤車として開発されたもの。

つまり朝夕のラッシュ時にも運行されます。時間帯によっては多くの方でごった返すことが予想されるため、吊り手も増量。

これまでの車両では左右の乗降口をつなぐような縦のラインの吊り手（赤矢印）が2本合計4つのみでしたが、新型では3本9本に増えています。

環境にも配慮

『2000系』が搭載するVVVFと呼ばれるインバータ制御装置を、通算3世代めとなる最新型に変更。VVVF未装着車と比較して、なんと70%もの省エネ効果を実現。VVVF従来機比較で20%も削減されているとのこと。

ちなみにいまでこそ鉄道会社各社で採用されているというVVVFですが、京王電鉄は導入が早く、2012年度の時点で搭載率が100%だったそう。

持ち手がベタつかない

個人的に嬉しいなと思ったのが、乗車時に握ることが多い縦や横の持ち手が、よくあるメッキっぽい仕様ではなく、某鉄道会社でも採用されている、ザラ付いたマットな仕様となっていたこと。

従来の仕様では、直前に握った人の脂などを感じるケースもあり不快に感じることが多かったですが、マット仕様はその心配がなし。とくに秋冬はハンドクリームを使う人が増える時期。この差は大きいなと感じました♪

導入は1編成から順次

新型『2000系』は、冒頭に紹介した通り2026年1月31日から運行予定となっていますが、それは10両の1編成のみ。

その後適時増やしていき、最終的に2027年3月までに4編成40両が運用される予定となっています。

制作過程が知れる動画も！

レポートまとめ♪

・ベビーカーや車いすに優しい新型通勤車『2000系』
・広域スペース「ひだまりスペース」が5号車に常設
・2026年1月31日から順次運行開始！