2025.12.05

特集記事

文・写真: 山さん
2025.09.29

終了しました

【やっぱりエジプトが好き♡】 昭和のエジプト柄ブームを振り返る、異色展覧会が古代オリエント博物館で開催!

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

日本人が大好きなエジプト展が始まりました! といっても、現地で出土した遺物を中心とした、よくあるエジプト展ではありません! 今回の主役は日本で販売&登場&使用されたモノ。洋服やコップ、紙箱などのモノです、モノ。そこに施された“柄”とともにエジプトに思いを馳せる珍しい企画展です。《2025.11.24まで》

*掲載情報は2025年9月25日開催の内覧会時点の情報で、内容を保証するものではありません。

*掲載写真はすべて編集部による。

イベント概要

『やっぱりエジプトが好き♡ 〜昭和のニッポンと古代のエジプト〜』

撮影OK(写真/一部NGあり)
グッズ販売あり

開催地古代オリエント博物館(東京都豊島区東池袋3-1-4 池袋サンシャインシティ文化会館ビル7F
開催期間2025年9月27日(土)〜11月24日(月・振)
開催時間10:00~17:00 *最終入館/16:30
入館料一般/1000円、大高生/800円、小中学生/600円
休催日会期中無休
最寄り駅JR「池袋駅」35番出口より徒歩20分(編集部実測)
主催古代オリエント博物館
告知サイトhttps://aom-tokyo.com/exhibition/

【やっぱりエジプトが好き♡】とは!?

ピラミッドやミイラ、数々の財宝など、ロマンあふれる古代エジプトを題材とした展覧会は、日本各所で開催されていますが、今回「古代オリエント博物館」で始まったイベントは、通常のエジプト展とはかなりニュアンスが違う、異色の展覧会です!

それもそのはず、メインとなる展示物は、発掘された遺物や遺品などではなく、現代の私たちの生活にも馴染む深い「モノ」なんですよ、「モノ」。

それはときに洋服であり、ノートや箱といった紙製品であり、陶器などのコップでありと、日常目にするものばかり。

そこに描かれているのは、“顔と足が横を向き、上半身は正面を向く”という、俗に「エジプト柄」と呼ばれる図案をモチーフとした人物像であったり、ヒエログリフと呼ばれる古代エジプト文字をモチーフとした図案であったりと、いろいろ。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景 本屋の紙袋

紙袋/光文堂書店(昭和50〜60年代)/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

展示物の1つである本屋さんの紙袋にも、頭と足と、上半身の向きの違いに特徴がある、いわゆる「エジプト柄」が。

日本でのエジプト展といえば、1965年(昭和40年)に開催され、290万人以上が足を運ばれた「ツタンカーメン展」が有名ですが、「エジプト柄」自体はそれ以前から日本の暮らしに溶け込むなど、(意識するか否かは別として)日本人とエジプト(柄)は深〜い関係にあったんです。

今回始まった『やっぱりエジプトが好き♡』は、最近はあまり見なくなったような気がする「エジプト柄」をフォーカスしたコレクションが数多く集う展覧会。

「エジプト柄」がとくに熱かった、昭和30年代〜40年代(195,60年代)に盛んとなったブーム期やそれ以降に登場した貴重な当時モノとともに古代エジプトへ憧憬の念を示す、珍しいエジプト展です!

知っている人には懐かしく、知らない人には「へぇ」となる様々な品々が一堂に集う、よくあるエジプト展とは趣向が大きく異なります。

古代エジプト博物館 井上靖の看板

会場はサンシャインシティにある「古代オリエント博物館」。館の銘板の文字は、文豪・井上靖さんによるもの! 展示室へと続く通路が遺跡風であったりも。

展示物は約200点!

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

会場で展示される「エジプト柄」を使った資料は、総勢約200点。

その多くは名古屋にある「北名古屋市歴史民俗博物館(昭和日常博物館)」が所蔵する品々。会場は全6章に分かれており、「布地」「紙」「陶磁器・ガラス」「木」「金属・革」、そして「サブカルチャー」と展開。

展示物は、ワンピース、スカート、着物、はんてん、ネクタイ、巾着袋、ノート、ブックカバー、マッチラベル、マグカップ、カップ&ソーサー、ティーセット、ポット、徳利、衣装ケース、整理ダンス、襖、灰皿、ペン皿、栓抜きなど、かなり幅広い内容。

展示品には、ときに全面、ときに部分的にと「エジプト柄」が盛り込まれているのが特長で、なかには、その図柄のモチーフとなったと予想される原図を写真パネル付きで紹介。比較しながら「エジプト柄」の当時モノを楽しめます。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

ご覧の着物。遠目から見ると分からないものの、近くで見ると、横に掲げられた「宴席の図/レクミラ墓」(写真パネル)から取り入れたと想像される図柄が描かれていたりします。

展示されている品々は、比較的それっぽい図柄がある一方、かなり拡大解釈したモノもありと、いろいろ比較して楽しむのもいいかも。

最終章である第6章の「サブカルチャー」では、60歳代前後の方が楽しんだ、古代エジプト文明がモチーフとなったロボット特撮番組「ジャイアントロボ」や、ロボットアニメ「勇者ライディーン」のほか、現在まで連載が続くエジプト漫画「王家の紋章」などの展示もあります。

*【注意】第6章は全面撮影禁止です

懐かしいモノが多数!

ここからは、会場で実際に見ることができる展示物を紹介。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

ジャケット/昭和40〜50年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

古代エジプトの王が被った縞模様柄の冠「ネメス頭巾」を付けた王の横顔や胸飾り風の意匠などを模様として取り入れたジャケットや……

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

蚊帳/昭和30年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

昭和世代には懐かしい、夏の夜の必需品といえる「蚊帳」。縁の帯部分には、ヒエログリフを連想させる模様のほか、船舶など、古代エジプト文明に通じる模様が見られ……

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

切手アルバム/昭和30年〜40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

「切手アルバム」の表紙では、王座に座る王を人々が礼拝する様子がモチーフに。ポイントはその絵柄がかなりデフォルメされていること。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

マッチ箱(松葉・珈琲と名曲)/昭和30年〜40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

昭和の喫茶店といえばのマッチには、趣向を凝らした絵柄が多数ありました。その中にはもちろん「エジプト柄」も。必見は右。琴を奏でる女性の髪は、古代エジプト時代のかつら風。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

ノート(国語)/昭和30年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

さらにエジプトの象徴といえばピラミッドですよね。こちらはイスラム化された、より現代に近い様子をモチーフとなっであるものの、現在のノートにはないデザインがなんともレトロ。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

紙袋(マルマン呉服店)/昭和40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

長いカツラをつけた2人の女性が、織機に向き合いながら布を織る、呉服店の袋にマッチした品も。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

食器(グラス)/平成3年/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

ご覧のグラスはサッポロビールがノベルティ(!?)として製作した壁画グラス。サッカラにある第五王朝のピラミッド内部に残されていた、当時のビール作りの様子を描いた5つの壁画を転載したもの。パンをベースに醸造する様子が、左から右へと描かれています。

ちなみに当時のビールは、現在とは大きく違うオートミール風だったそう。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

食器(盛り碗)/昭和30年〜40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

頭と足は横向き、体は正面というエジプト柄の典型ともいえる女性のほか、ヒエログリフ風の柄が描かれたお椀も。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

家具(整理ダンス)/昭和40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

家具を彩る表面の包装である化粧紙は、古代エジプトのヒエログリフ仕様。会場には、同じ化粧紙を使った衣装ケースや、折り畳みの木箱に入った木琴の展示も。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

ペン皿/昭和30年〜40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

中央の女性へ捧げ物を差し出す様子が描かれたレザーのペン皿。古代エジプトでは、スイレンは復活再生のシンボル。ファラオの名前を囲んだ楕円のカルトゥーシュらしきものもあり。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

栓抜き(女神像)/昭和30年〜40年代/北名古屋市歴史民俗資料館所蔵

栓抜きのモチーフは、女神ハトホル。ハトホルのシンボルといえる、牝牛の角を使った頭の飾りを栓抜きとしたユニークさ。

遺物展示も一部あり

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

展示品が昭和頃のモノだけかといえば、そんなことはありません。ごく一部であるものの、ファイアンス製のビーズを使った「マスク型ミイラおおい」(前7世紀以降)や、レリーフ「彩色人物像浮彫」(前1500〜前1400年)など、古代エジプトで発掘された遺物の展示も。

それらはみな「古代オリエント博物館」がもともと所蔵していたもので、本展開催にあわせ改めて展示されています。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景

リアルな遺物は、このラベルが目印♪

ショップは出入り自由

常設のミュージアムショップでは、図録ほか、古代エジプト関連のグッズを複数販売中。同館オリジナル品のほか、ほかの博物館から取り寄せた商品、インポート商品など、幅広く取り扱い。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景 センス

本展開催にあわせ製作したオリジナル商品(扇子やコンパクトミラー)等もあります。

ミュージアムショップは展覧会の入場に関係なく、どなたでも利用可能です。

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」会場風景 物販

展示物などについてより詳しく知りたい方は「図録」(1100円)もどーぞ。

関連イベントも複数あり

会期中は、本展をより深く楽しむための、ギャラリートークや講演会など、日時指定の関連イベントを複数実施します。なかには、自分なりの「エジプト柄」を考えてみたり、古代エジプトの神官の仕事を体験する子ども向け講座もあり。

一部除き事前申込み制となっていますので、ご注意を。

【詳細】https://aom-tokyo.com/exhibition/250927_egyptian_motif.html

レポートまとめ♪

古代エジプト博物館「やっぱりエジプトが好き」バナー

・昭和に流行った「エジプト柄」の品々を紹介
・オリエント博物館所蔵の遺物展示もあり
・子どもも参加できる日時指定の関連イベントも!

いかがでしょう!? あるようでなかった、古代エジプトの「柄」に注目した今回の展覧会。ありきたりを良しとしない、アナタにオススメです!

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この記事を書いた人

山さん

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